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ひとりよがり  作者: いそじん
死んでも
6/44

6. 死後

ここから3人称視点になってます。

読んでる人いないと思いますが一応...

「おい、起きろ。眠くはない筈だぜ」


虹太は目を開けた。

診察室を出て薄暗い部屋のベッドに横になり、何かを注射されながら顔に白い布をかけられた。ついさっきのことだ。

走馬灯は元気よく走った。麗子との思い出ばかりが駆け巡った。さよなら、という麗子の電話越しの声が最後に聴こえると、何も見えず何も聞こえなくなった。


「お前、ずいぶんと乾いてるな。自殺でもしたか?」

「そういうコースを選びました」


男は片方の眉を上げ、虹太を観察するように見た。


「色々と変な奴だな。歓迎する」

「ここはどこですか?」

「あの世さ。生前をこの世とするとだが」


オカルトには無関心だったが、少々の感動があった。

周りを見渡すと奇妙な世界が広がっていた。

空は青黒く、地面は灰色と茶色が混ざったような色をしているが、どちらにも焦点をあわせることができず、虹太は何度も目を凝らした。

その顔を見て、男が鼻を鳴らした。


「死にたてのやつは、大体そんな顔をするよ。どこもかしこもぼやけてんだ。」

「もしかして地獄ですか?あまり雰囲気が良くないんですが」

「死にたてのやつの質問だな」


男はため息をついた。


「ここには天国も地獄もない。お前次第で、天国にも地獄にもなる。

知っての通り、お前は死んで魂だけになった。魂が肉体から離れると、みんなここに来る。

これでいいか?こっちにも聞きたいことがあるんだ」


死にたての何が悪い、と虹太は思った。


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