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警察官の受難

まさかの連続投稿でございます…

ただですね…自分に戦闘描写は向いてないと痛感しました…

素直にラブコメ的なの書いてた方が良いのかもしれません…

そして今回も9000文字近い…さっきのは減らせたのに…何でだ…


ではでは、ごゆるりと…m(_ _)m

何時の世も犯罪は無くならない、それでも犯罪に立ち向かう人間は居る。

これは、情熱を持って犯罪に立ち向かった1人の人間のお話…







「観念しろ!お前はもう包囲されている、無駄な抵抗はするな!」


俺は犯人にそう告げ、拳銃を構える。


「うるせぇ!こっちには人質が居るんだ!テメェらは俺に手を出せねぇよ!」


その通りなのだ…今犯人の側には人質が居る、しかも同じ警察の人間なのだ…


「〇〇くん!ボクに構わずコイツを取り押さえて!ここで逃がしたらそれこそ大変だ!」


叫ぶ警察…婦警のロボ子だ、一応俺とコンビを組んでるヤツだ。

だがコイツ…ドジなんだ、犯人に捕まったのだって威嚇射撃するはずがロックを外してなかったなんてオチだ…アレで俺より警官歴先輩なんだぜ?笑っちゃうよな…


「いやアンタが変にジタバタするから撃ったら当たるっての!」


あんなんでも女性だ、傷でも付けたらこっちが訴えられたらたまったもんじゃない…


「〇〇くん…」


何故かロボ子は目をウルウルさせている、どこに感動する要素があったよ…バカか…?


「おいテメェら…俺様を無視すんじゃねぇ!」


犯人の怒りは更に上がってしまったようだ…いやまぁ…うん…ごめん、ちょっと同情するわ…


「隙アリ!」


犯人の怒りが上がって冷静さを欠いたところに、ロボ子が相手を取り押さえた。

久々に見たな…ロボ子が犯人取り押さえるの…

基本取り押さえるのは俺の役目だ、何でかって?それは…


「現行犯で逮捕する!」


ガチャン!


「あ…」


そう、さっきドジと言ったな…ロボ子は手錠をかける時何故か自分にかけてしまうんだ…


「バカヤロー!また自分にかけやがったなー!」


俺は堪らず叫んだ、何度も同じ光景見れば誰しも俺と同じ気持ちになるだろう…なる…よな…?


「ヘッバカめ!アバヨ!」


犯人はその隙に逃げ出していく、だがロボ子がこんなヘマして毎回取り逃すのは分かりきっている、だから俺は拳銃を発砲した。


ダン!ダン!


「グゥッ…」


射撃の腕はそんなに良くないがまだ至近距離だ、少し下手でも狙える

あ、麻酔弾だからグロッキーな事にはならないぞ?何でも1発で瞬時に動きを止められるらしい。

2発撃っちゃったなそう言えば…気にしないようにしよう…


「〇〇くんありがとう…本当ボクはダメだなぁ…」


今回のロボ子はしょげている感じだな…何時もは「〇〇くんありがとう!助かったよ!」な感じなのに…

そんな表情なのに怒れないな俺は…そう、俺は…


「気にすんなよ、もうアンタのドジは見慣れてる」


基本1日に10以上のドジを見れば嫌でも慣れる、酷い時はお茶を署長の頭にぶっかけたりだからな…あの時の署長は頭火傷していた…


「ボクはドジじゃないもん…ちょっと抜けてるだけだもん…」


それがドジって言われてるものなんだが…もう良いや…


「んじゃとりあえず、手錠かけてくれ」


犯人を連行する為に手錠をかけてもらう。


「うん、今度は間違えないからね」


ガチャン!


ん、今回はちゃんとかけたな…こんな動けないヤツじゃなくて動いてるヤツにかけられれば良いんだが…


「さて、これで完了かな…?んじゃ行きますよ、先輩」


年齢は一緒なんだが、警官歴は向こうの方が長いので一応先輩と呼んでる。


「あ、うん今行くね」


正直何でこんな人が婦警になれたのか疑問だ…拳銃のロックは外さないで撃とうとする、手錠は自分にかける、これでよく怒られないよなぁ…





ナニサー警察署、ここが俺とロボ子が所属している警察署だ。

ん?何か聞いた事ある?気のせいだろ…


コンコン「〇〇、ロボ子、戻りました」


戻る度に署長に挨拶を入れる、これが署のルールとなっている。


「ウム、入りたまえ」


許可が出たので部屋に入る


「失礼します、無事犯人を逮捕しました、ロボ子先輩は相変わらずでしたが…」


そう言うとロボ子は顔を少し青ざめた、だってなぁ…嘘ついてもダメだろ…


「そうか…ロボ子くん、君は〇〇くんにまた助けられたようだね」


「はい…お恥ずかしい話ですが…」


2人のやり取りを俺は遠目で見る

聞いた話だと、署長とロボ子は親戚らしい…まさかコネで入ったとかじゃないよな…?警察は市民の命を守る職業だ、ただの税金食らいなんて要らないんだぞ…?






その後、報告を済ませた俺達は少し休憩していた。


「はぁ…」


ロボ子はまだ落ち込んでいた


「そんな落ち込んでてどうするんすか?先輩」


正直ずっと落ち込まれてるとこっちも気が滅入る、早く元気になって貰いたいのだ。


「うん…でも〇〇くんに頼りきりってのも辛くて…」


まぁ俺も早くアンタには1人前になってもらいたいけどな…なんで後に入った俺が1人前になってるのにアンタはまだなのか謎だよ…


「そう思えるならまだ大丈夫っすね、これで何も考えて無かったらキレてましたけど」


キレるのは嘘だ、この人は多少大袈裟に言わないと危機感持たないからな…


「怒られるのは勘弁だよ…もっと頑張るから…」


そう涙目で訴えかける、可愛い…じゃない、ホントアンタ警察向いてないよ…


「はぁ、仕方ないパトロール行きますよ先輩」


そう言ってロボ子の手を取り、警察署を後にする。

さっきの犯人逮捕で俺達の仕事は一旦区切りが付いた、緊急要請が無い場合ある程度の自由が効く

その場合車はパトカーではなく普通の車に乗らなければいけないが…まぁパトカー乗って威嚇してはダメなんだろう…俺としてはどうでも良いが…







「はい、着きましたよ先輩」


そう言い着いたのはTDL(とてもデンジャラスなランド)

ここのアトラクションは基本何でもスリルがある、気分を晴らせるには近場だとここが1番だ。


「え…いくら何でも此処は…」


ロボ子は戸惑っている、無理もない…この場所は過去に大事件があった場所だからだ…しかも被害者多数出ており、その中には俺の家族が…ロボ子はそれを気にしてるんだろう…


「俺の事心配してるんなら気遣い無用っすよ、今はモチベ上げなきゃですから」


嘘だ、此処は今でも俺にとって因縁が大き過ぎる、そんな簡単に割り切れるものでも無い…

それでも今はこの人の元気を出させなきゃいけないんだ。


「うん…じゃあ行こっか」


ロボ子は何とか承諾してくれた、とりあえずは元気出させるか…








それから色々なアトラクションに乗った、高速回転するコーヒーカップ、上下に動き過ぎるメリーゴーランド、リアル過ぎるお化け屋敷、etc…アトラクションに乗っていく内に、ロボ子の表情はどんど明るくなっていった。

なんとか元気出てくれたみたいだな…何よりだ






「ほい先輩」


俺はロボ子にハチミツ入りのドリンクを渡した、絶叫してたりとかあったからな…喉は大事にしなければ…


「ありがとう〇〇くん、喉乾いてて…」


そりゃあね…あれだけ叫べばね…お化け屋敷の時なんて叫び過ぎてお化け役逃げたぞ…?鼓膜がどうとか言ってたし…


「少しは喉を労わって下さいよ、先輩」


喉は心配だが、ちゃんと元気にはなってるみたいだ。


「まぁ、元気出たみたいで良かったっすよ」


素直にそう言った


「うん、元気出たよ、ありがとうね〇〇くん」


これなら次の出動も大丈夫だな…


プルルル…プルルル…


突然携帯が鳴った、警察官に渡される専用の方の着信音…どこかで事件が!?


「はい、〇〇です」


俺はすぐ出た、内容からするとこうだ

長顎団がTDLに潜んでる事が分かったらしい、付近に居る警官は現場に急行せよ、との事だ…俺達現地なんですが…


「先輩、長顎団がここに潜伏してるらしいです、探しますよ」


俺はロボ子にそう伝える


「分かった、1度車に戻ろう、手錠と拳銃持たなきゃ」


ロボ子は1度車に戻ろうとする、だが俺は


「いや、ここはテーマパークですよ?そんな中拳銃持ってるのがバレたら営業妨害になりかねないです、それに俺達の他にも来ます、俺達が探し、他が捕まえる、これがベストかもしれません」


危険性を考えてロボ子を説得する、なんとかロボ子は折れてくれた…


「分かった、じゃあ探しに行こう」


そして長顎団の捜索が始まった…








捜索から30分、それらしい所を見付けた…

俺とロボ子が入ったリアル過ぎるお化け屋敷だ…

ロボ子は悲鳴あげまくってたから気付かなかったかもだが、厳重に守ってる扉が1つあった…関係者以外立ち入り禁止の立て札も特に無いのに厳重に守る…怪しい…



「先輩、もう一度お化け屋敷に入りますよ」


俺はお化け屋敷に入る為ロボ子に伝えた、しかしロボ子は


「え!?ボク嫌だよ!怖いの嫌だ!」


駄々をこねた…おい…アンタ大人でしょうが…

俺は面倒くさくなったので


「分かりました、じゃあ先輩は来なくて良いです、署に連絡だけはお願いしますね」


そう言い残し俺はお化け屋敷に入って行った…









ここだ…ここが怪しい扉だ…


「すいません、警察の者なんですが少し調べさせていただきます」


俺は多少強引ながらも扉を開けようとする


「ちょっ困りますよいきなりそんな事言われても」


スタッフは困惑している、しかしこっちも任務なんだ、無理やりにでも入らせてもらうぞ…


「これ以上抵抗されるとこちらにも考えがありますが?」


ここだけ聞くと悪役こっちだな…でも仕方ない


「…分かりました、どうぞ…」


なんとか入れそうだ…


バリリリ!


「っ!?」


突然後ろからスタンガンらしき物を押し付けられた…俺は対応出来ずに倒れ込んだ。


「チッ…予想以上に早くバレたな…オイ、コイツ連れてけ」


微かに聞こえるがやはり黒だったようだ…マズイな…ロボ子…頼むぞ…







その頃のロボ子

「はぁ…ボクが悲鳴あげて大変だったってのにまた連れてこうとするなんて…〇〇くんは意地悪だなぁ…とりあえず連絡入れなきゃ」


〇〇の言った通り、署に連絡を入れる


「こちらロボ子、長顎団の潜伏場所らしきものを発見しました」


「ウム、そこに〇〇くんは居るか?」


「いえ、〇〇くんは居ません…単独で乗り込んで行きました…」


後ろめたさがあったが、素直に答えた


「やはりか…〇〇くんの発信器がロボ子くんの側に反応していない…」


え…?発信器なんて付けてたの…?


「ボクはこのまま待機して他の人が合流次第突入します」


ボクは1人で行きたくないので待機しようとした、けど


「いや、ロボ子くん、〇〇くんは1人で乗り込んで行ってから何分経った?」


「え…?15分…ですかね…」


そう言うと署長は


「おかしいな…彼ならどんな任務でも10分以内にケリをつけてた…何かあったか…?」


10分!?〇〇くんそんなに凄い人だったの…?


「ロボ子くん、すまないが1人で突入してくれたまえ…彼が心配だ」


署長はボクに1人で行けと言ってきた…怖いけど…やるしかないよね…


「分かりました、ロボ子、突入します!」


意を決してお化け屋敷に突入する、手錠と拳銃は持った、本当は合流してからが良かったけど仕方ないよね…






扉の前に着いた、すると下に〇〇くんのバッジが落ちていた…


「〇〇くん…!」


急いで扉を開けるとそこには…〇〇くんが1人で6人を相手にしていた…











「オラァ!」


長顎団の1人に殴られる…クソッ…まだ身体の自由が…


「どうしたよ警察官様よぉ!」


別の人間に蹴りを入れられる…やりたい放題しやがって…


ロボ子はちゃんと連絡入れたよな…?流石に忘れたなんてだったら洒落にならないぞ…?

何とか時間稼ぎぐらいにはならないと…



その時扉が開く…



「〇〇くん!」


ロボ子が来た…あれ…?1人!?


「おい…先輩…他の人は…?」


俺は微かに出る声でそう聞いた


「大丈夫、すぐ皆来てくれるよ、ボクが先んじて来たんだ」


そうは言ってるが…不安だ…とりあえず、あと少しで自由が効くようになる…


「おいおい…姉ちゃん1人で俺達を相手してくれるってかぁ?」


長顎団の1人が舌舐りしながら言う


「観念しなさい!直にお前達は包囲される!」


ロボ子…それじゃあまだ猶予がある言い方になっちまうからアウトだ…あ、痺れ取れた…


「じゃあ来る前に楽しまないとなぁ…!」


別の1人がロボ子に襲いかかる…


「させるか!」


俺はやっと自由になった身体でロボ子に襲いかかったヤツを蹴り倒す。


「〇〇くん…大丈夫なの…?」


ロボ子は心配そうに聞いてくる


「当たり前っすよ、俺は元々肉弾戦派なんで」


射撃の腕前はそんなになのは言ったな、俺は肉弾戦が得意なんだ


「チッ…おい囲めぇ!一斉に行くぞ!」


一際顎が長い奴が指示を出す、アイツが頭か…?


「先輩、俺が確実にさっきのヤツみたいに仕留めてくんで、手錠頼みますよ…ここでドジはマジ勘弁です」


俺は念押しに言った


「分かってるよ!ちゃんとやるよ!」


ロボ子は若干キレ気味にそう言った


「んじゃあ早速…制圧しますかぁ!」


俺は襲いかかってきた奴の意識を確実に刈り取っていった、回し蹴りに鳩尾にエルボー、etc…残りは頭らしきヤツだけだ。


「さぁ…後はお前だけだ…」


俺は狙いを定めながら、ゆっくりと近付く…


「クッ…こんなところで捕まってたまるかぁ!」


そう言い銃を取り出した、ヤバいな…アレは殺傷能力が一際高いやつだ…

万事休すか…?


「〇〇くん!」


ロボ子が俺を呼び麻酔銃を投げてきた…ナイスだロボ子…!


「さぁ…これで条件は一緒だ…ケリをつけようか…」


俺はロックを解除し銃口を向ける


「チックショウ!」


ダン!ダン!ダン!ダン!


お互いの銃弾が弾き合う…土壇場で俺凄いな…


パスン…


「え…?」


弾いた銃弾の1発が、ロボ子に当たった…


「!?」


「あ…」


ロボ子はその場で倒れ込んだ…


「ロボ子!」


俺はつい相手から目を離してしまった…


ダン!ダン!


無慈悲にも俺の身体に銃弾が命中する、痛みに堪えながらも麻酔弾を相手に撃ち込む…


ダン!ダン!ダン!


痛みでブレてるせいか、1発しか当たらなかった…だが、充分だ…


「ア…ガ…」


長顎団の頭は動けなくなった、俺も痛みで倒れ込む…


「ク…先輩…」


俺はロボ子に声をかけるが、反応が無い…


「何とか…しないと…俺がしっかりしないから…!」


俺が捕まったりしなければこんな事にはならなかった…後悔先に立たずって良く言うよ…チクショウ…

ここで俺は意識を失った…










目が覚めると、病室だった…

あの後すぐ仲間が来てくれたらしく、長顎団は全員逮捕出来たようだ…

俺は脇腹と肺に1発ずつ、かなり危ない状態だったらしい…

ロボ子は、弾いた弾が肩に命中、俺より軽傷なのがまだ救いだった。



「ウゥッ…」


俺は何とか動こうとするも、やはり怪我が怪我なのでまともに動けない…


「今回の任務は結果的には成功…だが俺の中じゃ大失敗だ…よりにもよってロボ子を傷付けてしまった…」


俺は後悔してもしきれなかった…ロボ子は1ヵ月、俺は3ヵ月休職する形になった…












3ヵ月後、あれ以来ロボ子と連絡すら取ってない、電話もしたが出なかった…

そりゃ事故とはいえ傷物にした張本人なんだ、連絡取りたくも無くなるか…




俺は署長に呼ばれた、どんなお叱りなのか想像したくない…


「やぁ〇〇くん、この前は大変だったね…」


あれ…?意外と柔らかい口調だった…


「署長、この度は本当に申し訳ありませんでした…」


俺は謝罪をした、どんな形であれ身内を危険に晒したのだ…例え本人にその覚悟があったとしても…


「ふむ、まぁそうだな…確かに君のした行為は身内としては許されない、だが警察官としては犯人逮捕出来たんだ、そこまで重く考えなくて良い…」


怒り半分、労い半分と言ったところだろうか…怒り全部の方がまだ良かったが…


「それで、先輩は…?」


俺はこの場にロボ子が居ない事に疑問を持ち聞いた。


「あぁ…彼女はね…身体に傷が付いたのに凄いショックを受けてね…未だに休職してるんだ…」


嘘だろ…もう3ヵ月なのに…やっぱり…


「そこでだ、復帰最初の任務はロボ子くんを連れ戻して来てもらおうかとね」


なるほど…確かに俺もコンビ相手が居ないと任務に行けないからな…


「分かりました、今先輩はどちらに…?」


そう聞くと署長は


「此処に今居るよ…今彼女は不安定な状態だ、くれぐれも気を付けてくれたまえ…」


署長から地図を受け取り、その場所へ向かう…








着いたけど…ここって俺が入院してた病院…?まだここに居たのか…


コンコン「先輩、〇〇です、入っても大丈夫ですか?」


とりあえず普通な感じでいくことにした


「良いよ…入って…」


許可貰えたので、とりあえず入る…


ガラッ


開けた瞬間、ロボ子が俺に抱きついてきた…


「ちょっ先輩…?」


「ごめん…ごめんね…ボクがしっかりしないから…」


ロボ子は俺に抱きつきながら泣いていた…


「先輩、俺は大丈夫ですよ…ちゃんと無事なんですから」


この人こんな泣き虫だったのか…全然泣き止まねぇ…汗


「だって…だって…」


「俺の方こそ、署長から聞きましたよ…ずっとショック受けてるって…怪我させて本当に申し訳ありませんでした」


俺は申し訳なく思い、謝罪をした。


「ううん…大丈夫だよ…むしろ〇〇くんの方が酷い怪我だったんだよ…?ボク…ボク…」


そう言いながらまたロボ子は泣きじゃくる…


「俺は丈夫ですから、大丈夫ですから…」


俺は必死に宥めた、こんなロボ子は見たくない…


「あぁもう…どうやったら泣き止んでくれるんすか…」


本当に困った…


「…して」


「え…?何て言いました?」


「〇〇くんの方もギュッてして!」


ハグしろと…?おいおい罰ゲームかよ…


「分かりましたよ…悲鳴とかあげないでくださいよ…?」


ギュッ


「あ…」


ロボ子の涙は止まった、だが…


「まだ足りない…」


えぇ…これ以上何をやらせる気だよ…


「まだ足らないんですか?今度は何すれば良いんすか…」


もう早くこの状態を解きたいので半ばヤケになっている。


「キスして!」


あぁはいキスですね分かりましたよって…はぁ!?


「いや先輩それはダメでしょ…」


「嫌!するの!」


…ダメだ全然聞いてない、どうするか…


「キスしてくれなきゃ離れないし悲鳴あげるからね!」


脅しですか…勘弁してくれよ…

はぁ…もう良いや…しよう…諦めよう…


「分かりましたよ、じゃあ目をつぶ」


チュッ


…は?向こうからキスなの…?


「!?」


「エヘヘ…しちゃったもんね…♪」


やられた…コイツまさかこれを狙って…


「先輩…じゃあキスしたんで離れますね」


「ダメ!」


えー…アンタしたじゃん…俺喋ってる間にしたじゃんチュッて…


「〇〇くんからしなきゃ離れない!」


俺にもう一度恥ずかしい思いをしろと…?


「今度こそそれで離れてくれますね…?約束して下さいよ…?」


「うん、約束する」


はぁ…早く終わらせよ…


チュッ


さて、これで離れれば


ギュッ


え…ちょっ…頭…離して…


「んっ…んっ…プハッ」


「先輩…これで気が済みましたか…?」


俺は若干イラつきながら聞いた、当たり前だ…こっちは軽くしてすぐ離れるつもりだったのに、頭抑えるなんて…


「ご…ごめん…つい嬉しくて…」


ロボ子はしょげていた、しょげられてもこればっかりは怒りたい…


「まぁ良いです、とりあえず退院しますよ、任務受けれないんですから」


なんとか怒りを抑えてそう言った、とりあえず早く出たい…


「分かったよ…手続きしてくるね」


はぁ…疲れた…なんでもロボ子は仮病を使って入院日数を延ばしてたそうだ、普通許されないだろ…署長のコネか…










ナニサー警察署に戻った俺達は、署長室に向かった。


コンコン「署長、〇〇です、先輩を連れて帰って来ました」


「ウム、入りたまえ」


ガチャ「失礼します」


「よく連れ帰ってきてくれたね、で?どこまでいったのかな?」


はい?署長何言ってんの…?


「〇〇くんは奥手でボクからキスしなきゃいけないぐらいでした」


おいロボ子!?何言ってんの!?


「ほうほう…〇〇くんは奥手だったのか…これはいかんな…」


いやだから何の話!?


「その後に〇〇くんからキスされました」


だーかーらー!何で言うのかなぁ!?俺ここで公開処刑なの!?


「ほほぅ…ちゃんとキスはしたんだね」


もう…許して…


「はい、これが証拠です」


そう言い携帯を署長に見せるロボ子、すると署長は笑顔になっていった。


「ふむ…これなら…」


あの…何を納得してるんですかねぇ…それに何で俺会話に混ざれないんですかねぇ…!?


「はい、ボクも彼なら…」


え…何が俺なら…?


「えっと…さっきから何の話を…?」


俺は我慢出来ずに聞いてみた


「あぁ、実はね…ロボ子もそろそろ良い年齢だ、その相手探しをしていてね…ロボ子くんは君になら、という事だ」


は…結婚相手探してたの…?この人…


「ボク、〇〇くんと一緒になりたい!」


あれぇ…?ロボ子先輩…俺の意思は…?


「そうかそうか、私もこれで安心出来るよ」


あれ…この流れ…詰んでる…?


「そんな感じだから〇〇くん、是非ロボ子くんとまずは付き合ってくれないか?ロボ子の身体に傷を付けたんだ…嫌とは言わせねぇぞ…?」


署長…後半だけ耳元は勘弁して下さい…しかも怖いです…


「〇〇くん…ボクじゃ…ダメかな…?」


あぁ…これは手遅れだわ…


「まずは付き合うで良いんですよね…?いきなり結婚なんていきませんよね…?」


俺は震えながら聞く…


「当たり前じゃないか、そこまで強制したら流石にダメだからね」


よく言うよ…さっきはもう脅しだったじゃないか…


「それじゃ署長、ボク達早速デートしてきますね」


え…任務は…?


「そうか、では〇〇くん、コンビ復帰の最初の任務だ、ロボ子くんとデートしてきなさい」


嘘でしょ…それが任務とか納得が…


「良いね?」


署長は黒い笑いで俺に言ってきた…


「はい…分かりました…行ってきます…」


あぁ…これは詰みだな、諦めよう…


「じゃあ署長、ボク達行ってきます!」


「行ってらっしゃい、気を付けるんだよ」


こうして俺達は半ば強引に付き合う事になった…















あれから半年が経った…今でも犯罪は減る様子が無い、寧ろ増えてる傾向だ。

俺達はあれからちゃんと付き合っている、結婚の話は何とかして躱している…

アレだ、純粋なお付き合いだからな…?

何かしようものなら俺はあの署長に処される…


「おーい〇〇くフギャッ」


相変わらずドジだ…いい加減直して欲しい…


「ロボ子…大丈夫か…?」


ずっと先輩と呼んでたが付き合い始めて名前呼びになった。

そして…同棲もするようになった…もう俺はロボ子から逃げられないのかもしれない…

え?恋愛感情は無いのかって?

…可愛いからあるにはあるんだが、表には出せんよ…


「エヘヘ…大丈夫だよ!」


「んじゃ、次の現場に行くぞ」


「うん!」









俺達は付き合ってもコンビは解消せず、2人で任務をこなしている。

何時かこの世界から犯罪が無くなると良いと思う…



















結婚は嫌だなぁ…


読んでいただきありがとうございますm(_ _)m

ハッピーエンドを目指してる割には、今回のは果たしてハッピーエンドだったのか…読む方によってはバッドエンドだったんじゃないかと思う方が居るかもです…


なるべくね…ハッピーエンドに向けますので…


ではでは、また次のお話まで失礼します…

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