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プロローグ
「この星空をいつかまた見にこれるといいね」
何気なくこぼした彼の一言はまるで一等星のようで。その輝きは私を強く照らし、そして縛った。その一言を彼は覚えているだろうか?彼からしたらある夏の出来事のほんの一欠片なのかもしれない。しかしその一欠片に私は恋をしたのだ。そして想いを伝えられないまま卒業し、それから会うことはなくなってしまった。
本来その一欠片は少しずつ色褪褪せていくものなのだろう。同級生との思い出話にでもなるのかもしれない。初恋とはそういうものなのだ。世間の大半はそれを理解しているし、それを受け入れている。
でもそうはならなかった。私の奥底に眠るその一欠片は、あの時と同じように強く輝く。その一欠片は私にとってどうしようもないほどに愛おしかった。私はその一欠片に呪われたのだ。あの時の声も、顔も、星空も、色褪せることなく蘇る。
あの夏はまだ終わっていないのだ。この輝きがそれを証明している。この輝きから目をそらしてはいけない。もう一度、私はあの夏を再現しなければならない。
そして...叶うことない想いを伝えるのだ。