魔女の361日目
目が覚めると自分の部屋のベッドに居た。昨日帰った覚えがないのでメルクアースが運んだんでしょうけど......なんで寝ている最中に運ぶんですかね。ゆっくり帰ろうと思っていたのに。あと宿の朝食食べたかった。
そんなイライラを重ねながら居間へと降りた。昨日トレース達が言ってたことが本当なら既に居間でくつろいでいる頃でしょう。そしてオルウルも起きている......って感じでしょうかね。
階段を降りて居間のドアを開けて中に入るとそこは昨日泊まった宿の食堂だった。そこにはオルウルが居て、そしてトレースとティグリスが反対側に座っていた。さっきまで自分の部屋に居たのに。寝ぼけているのか。それとも魔法を使われたのか......でもトレースとティグリスは魔法を使わない。
「おはよ」
私が挨拶をして椅子に腰かけた。オルウルは当たり前かのように朝食を持ってきてくれようとしましたが、流石にそれは自分で取りに行きました。そういえばここバイキング制でしたね。すっかり忘れてました。誰一人として変な所は無く、ただ単に寝ぼけているだけだったのでしょうかね。
「朝食食べたら家に帰るって感じでいいの?」
「うん。今日明日と騒いで帰るつもりだよ」
「随分と迷惑なことしてくれるね」
「迷惑と言わず感謝して欲しいな。退屈な日常にイベントを入れてあげているだけだよ」
「はいはい。ありがとうございます」
私がトレースの話を流すように言うと不貞腐れたかのような顔をしてティグリスと先に私の家へと行ってしまった。メルクアースはもう一度来るのが面倒くさいから一緒に連れて行こうとしましたが、部屋に荷物があるのでとりあえずトレース達を先に行かせた。
朝食を食べ終わって一旦部屋に戻ってそれぞれが帰る準備をした。そしてアンラウを出て箒にオルウルを乗せて家まで向かった。今日は雪が深々と......ではなく、普通に、いや、結構吹雪いている感じでしたね。オルウルを守りながら帰るのは少し骨が折れますね。
家に着くと確かに誰かが中に居るような雰囲気を醸し出していた。自分の家なのになんでこんなにも冷静になってドアを開けようとしているのか。自分に問いたくなった。
家の中に入り確かに居間にはトレース達が居た。既にティグリスは酔っているのか少し五月蠅かった。
「ちょっと、少しは人の家だからって遠慮するつもりは無いの?」
「いいだろ。周りには家が無いんだし、どれだけ騒いでも誰の迷惑にもなってねえよ」
「誰でもない私が困ってるんです」
「いいからシュロシル。お前も飲むぞ。こっちに来い」
「オルウルはこっちにおいで~飲もうよ」
「私の可愛い子供に変な事覚えさせないでくださいね。変に頭がいいのですぐに理解しちゃうので」
「シュロシル......変って何?」
「......言葉の綾」
「ほらほら~オルウルが怒ってんぞ~」
「はぁ......先が思いやられそう」
「飲めばすべて忘れるから安心しろ。まぁ酒に酔う奴なんて居ないと思うけどな」
ティグリスは軽く私を見て挑発してきた。いいでしょう。そこまで言うなら飲んであげますよ。ティグリスよりは強いって所見せてあげましょうかね。オルウルはオルウルでトレースとゆっくり飲むそうなので無視しましょうかね。
「ほら、騒ぐぞ」
「はいはい。やるからには負けないよ」
見ていただきありがとうございます!
残り......3日!
最近アクセス数が多くて嬉しい作者です。最終回に近づくに連れて多くなるのは前のシリーズでも同じでしたが、嬉しい限りですね。アクセス数と閲覧はイコールではないので見ている人自体は少ないかもしれませんが、読んでくれているって言うのがうれしいです。
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