魔女の352日目
他の魔女はなぜ起きるのが早いか考えながら鳴り響くアラームを止めた。結局理由は分からず、私はそのままカーテンを勢いよく開けて太陽の光を浴びた。
ゆっくりと階段を降りて居間に入るとやはりオルウルとアルエファが話していた。私は眠りの魔女だから仕方ないと言われますが、眠りの魔女と名が付く前から起きるのは他の魔女と比べて遅かったですけどね。
「おはよ」
「おはよ~シュロシル」
「あら、おはよ。遅い起きですね」
「逆になんで魔女ってそんなに起きるの早いのか教えて欲しいんだけど」
「魔女とは古来から早く起きる習慣があるものだけど、それに反したのはシュロシルが初めてかもね」
アルエファが言うのだから本当だろう。魔女の中でも一番長く生きた魔女がこう言っているんだ。まぁアルエファのいう事を全部信じろって言われたら無理ですけど、多分......本当なんでしょう......
「所でさシュロシル」
「ん?」
「ディルから許可貰ったの?」
「ああ、雪の魔法の事?1日程度の雪なら特に支障はないし、私の体力だったら本当に大した影響は無いってさ。完全に馬鹿にしてたよあの子」
以前ディルが来た時に、雪を降らせる魔法を使って良いのか聞いて本当に小馬鹿にされたんですよね。ディルに聞いた理由は簡単であの子がこの世界の気候を左右している魔女だからです。そして私はクリスマス当日にアンラウに深々と雪を降らせたいので聞いた。
「なるほどね。それじゃ、クリスマス楽しみにしてるよ」
「勿論。期待しといて」
アルエファも見に来るらしく、1つのイベントとしても楽しまれていた。この事はアンラウ全体に広がっており、時間も指定されていた。あとは魔法を作って当日に魔法を使うだけ。アルエファが今日帰るのなら明日にでも作りましょうかね。
「さて、それじゃクリスマスに会うんだし今回はこれぐらいでいいかな」
「満足した?」
「いいや、まだ足りないかも」
「五月蠅いよ。メルクアース。アルエファがお帰りだよ」
「え~......なんで呼ぶの......」
メルクアースは勢いよく空間の間から出てきて私に飛びついてきた。そしてアルエファの有無も言わさずにそのまま家に帰した。残っていた荷物も一瞬で向こうに送ってしまった。
「ありがと、お代はアルエファに頼んでね」
「分かってるよ。でも呼んだのはシュロシルでしょ。晩御飯ぐらい奢ってよ。勿論シュロシルの手料理でね」
「あ~!私もシュロシルの手料理食べたい!」
「オルウルは昨日食べたでしょ。まぁいいけど」
2日連続して作ることになりましたけど、特に文句は無いです。いつもオルウルが作ってくれましたし、どちらかというと料理したいですからね。
素早く親子丼を作って2人に差し出す。2人はそれを美味しそうに食べた。いや、美味しいんですけどね!
「うん。これは美味しい。毎日食べたいぐらい!」
「でしょでしょ!シュロシルの料理は美味しいんだから!」
「はいはい。どうもありがと」
食べ終わるとメルクアースは満足して家に帰っていった。私達は後片付けをしてお互い風呂に入ってベッドに向かった。
明日は何もなければ魔法でも作りましょうかね。でも、なんか嫌な予感するんですよね......
それではおやすみなさい。また明日。
見ていただきありがとうございます!
残り12日!
旅行までが残り1日となりました!滅茶苦茶楽しみな作者です。冬なのに雪が無い地方に行くのは初めてなのですごく楽しみだったりします!
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明日もお楽しみに!