魔女の348日目
いつもより少し早いアラームの音にイラつきを感じながらも体を起こした。いや、起こせた。昨日あれだけ魔法を使ったので今日は動かないのかなと思っていたんですが、動けそうで何よりです。まぁ体は少し重いですが......
普通に動く程度なら何の支障も無いと思うんですが、今日バイトでアンラウまで箒を使うんですよね。それの体力で私死ぬと思うんですけど、メルクアース呼びましょうかね。魔女って言うのは朝早くから誰かを起こす存在みたいですからね。私も真似してみましょうかね。
朝食を食べてバイトの準備をした。全て終わるったらメルクアースを呼びますよ。メルクアースの魔法って便利ですよね。私の瞬間移動的な魔法は持ってますが、片道切符の様な物なんで実質無いのと同じですよ。
「メルクアース」
「はいはい。今日は何の用?」
いつも通り目の前に空間が割れてメルクアースが気怠そうに出てきた。行き先を言うと「はいはい」と言って一瞬でアンラウの前まで連れてってくれた。
「それじゅ、またね。帰りは自分の片道切符でも使うんだね。用事があって迎は無理だからね」
そう言ってメルクアースは消えていった。帰りは自分の瞬間移動で帰れと......まぁいいでしょう。そこまで言うなら使ってやりますよ。
「おはようございます。って紗枝さんじゃないですか」
「あ、シュロシルさん。もう交代の時間ですか」
「そうだよ~。門番さんは?」
「門番さん......ああ、白鳥さんですね。風邪を引いたみたいで代わりに出てるんですよ」
「まぁ毎日ここに居たらそりゃ風邪引くよね」
「ですね。あ、それと、今年はもう私バイト入ってないので次会う時は来年になります。今年は色々とお世話になりました。来年もご迷惑をかけるかと思いますが、お願いします」
「いえいえ、こちらこそ代わりに出てもらうことが多くて、ありがとね」
「それではこれで、良いお年を」
紗枝さんは行儀よく礼をして帰っていった。もう年越しとかそんな話になる時期なんですね。紗枝さんも今年入ってきた新人なのに今となっては私よりも上の立場に居そうで怖いですよ。
年越しまでバイトは後2回ですかね。まぁ年越しの前にクリスマスが待ってるんですけどね。今年はオルウルに何かあげましょうかね。手編みの手袋とかなら喜ぶと思うんですがね。まぁ何あげても喜ぶでしょうね。
年明けと言えばおせちも作らないとですね。やりたいことはまだまだ沢山ありますね。逆にやらなきゃ行けないことも沢山ありますね。
バイトは何事もなく終わって私はメルクアースの言った通り瞬間移動で帰りましょうかね。その前に下準備しましょうかね。多分帰って布団に入らないと動けないのは確定なのでオルウルに手紙を書いて、それを物の転移として先にする。そのあとで私は魔法を使う。
『我が家へ導け』
するとその刹那家の布団の中に居た。ここまで正確に魔法が使えるとは......私も成長しましたね。まぁ着替えたりしたいので一旦出るんですけどね。案外体は動くものでした。まぁ時間制限ありでしょうけどね。
オルウルは手紙を見て内容を把握したらしく私の部屋に来て状態を見に来た。その時には既に私は布団の中に入っていた。
「動けるの?」
「さっきまではね。もう無理かな」
「明日大丈夫?」
「ダメだったらダメなんだと思う」
「もう既に頭が逝ってるかもね」
「オルウル」
「ごめんごめんって、そんなに睨まないで、ほら、寝る時間だよ。おやすみ」
「私は子供じゃないんだけど......おやすみ」
オルウルが電気を消して部屋から出ていった。オルウルが出ていった瞬間すごく静かに、暗い空間になった。
見ていただきありがとうございます!
残り16日!
門番さんの名前が348日目にしてやっと出てきましたね。前々から決めてたんですが、言うタイミングも無かったのでもう門番さんでいいかな。なんて思ったりもしてました。
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