魔女の346日目
アラームの音で目が覚め、カーテンをゆっくりと開けた。窓の外は明るく、晴天だった。久しぶりの晴天に心が弾んだ。だからと言って、今日は特にやることが無い。昨日雪投げをすればよかったかなと思うほどだった。
とりあえず居間に行き朝食を食べた。そのあとは私が部屋の掃除をした。結構久しぶりだった。最近はずっとオルウルに任せていたので掃除が疎かになっていると思ったが、オルウルが毎日のようにやってくれていたらしい。
そして家事が全て終わり、本当に暇になった。私だけでなく、オルウルも暇をしていた。と言うより、編み物をしながら私に話かけて来るような人でした。また、私も編み物をしながらそれに受け答えしていた。もう編み物は手に馴染んでいるので深く考え込むことは無い。
「それでさ~メルクアースがね?」
「うん。ああ~確かにね」
なんて会話が何十回と続いた。これが晩御飯まで続くとなると少し辛い。外は晴天なのに家の中で編み物......去年もこんなことしてたかな。
「あ、そういえばさ。メルクアースが『永遠の眠り』とかふざけたこと言ってたんだけど」
ふと、私はメルクアースにそうやって言われて起こされたことを思い出した。そして気付けた口に出ていた。
「ああ、『永遠の眠り』ね。あれふざけてるわけじゃないよ。魔女の中じゃ専門用語的なのだってさ」
「なんで魔女の私がその言葉を知らないのに専門用語になってるのさ」
「だって、『永遠の眠り』使えるのシュロシルだけでしょ。アルエファがそれで魔法名は確定だってさ」
「......もしかしてそれって私がいっつも1日間ぐらい寝てること言ってる?」
「それ以外に何があるのさ」
なるほど。すべて納得いきました。メルクアースが起こしに来た時に言った理由も良くわかりました。あの命名を『永遠の眠り』ですか。確かに間違ってませんね。一歩間違えたら本当の永遠の眠りにつきそうですし。まぁアルエファは許しませんけど。
「所でさ。前に雪道で心肺停止だった人大丈夫だったの?」
「うん。結構元気だったよ。ちゃんと喋れてるし、特に問題は無かったんじゃない?」
「良かった良かった」
オルウルは深く頷いた。そして気付けば晩御飯の支度の時間になっていた。私は切りの良い所で手を置いて晩御飯を作りに行った。今日はかつ丼ですよ。
かつ丼を作って戻ってくると私がやっていた途中の編み物は完成品になっていた。オルウルを見ると申し訳なさそうな顔をしていた。
「何か言いたいことは?」
「えーっと。シュロシルのって編み方少し違うでしょ?どうやるのかな~ってやってたら終わっちゃって......」
「なるほどね。それで?違う編み方の理解はできたの?」
「途中までのとたまにシュロシルの編み方見てたらできた」
やっぱりこの子おかしいですね。一度病院行きましょうかってレベルに理解力、そして応用力がありますね。その力分けてほしいです。あと体力も......
足りない分の体力をかつ丼で増やしてあとは風呂に入って布団に入った。温かい布団はすぐに眠りの世界へと誘って行くようだった。
見ていただきありがとうございます!
残り18日!
残り日数でこういうのんびり回もありですね。残り18話ならもう全体像考え始めましょうかね。
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