魔女の341日目
時刻:ローツ(6時)
現在地:ラーリトル オルウル
「もー、いい加減に起きてよ~」
昨日一日眠っていたシュロシルは今日も起きる気配がありませんでした。今日はバイトの日だと言うのに揺さぶっても起きる気配がありませんでした。
緩いアルバイトだからと言って無断欠勤はどうかと思うのだが、通信手段が無かった。そこで一つの方法を思いついた。
「メルクアース」
私が小声でメルクアースの名を呼ぶと空間に亀裂が入る。そしてそこから出てきたのはメルクアースだった。
「珍しい人が呼ぶものだね。どうかした?」
「ユメ(10時)に私をアンラウまで連れて行ってくれる?」
「別に構わないけど、これ、取るよ?」
メルクアースは自分の財布を指さして言った。お金の事だろう。それはもうシュロシルが起きたら払わせよう。
「大丈夫。その代わり、シュロシルが起きたらね」
「なんだ。また『永遠の眠り』状態なのか。世話が焼けるね」
「昨日からなんですけどね~起きる気配が無くて、シュロシル今日バイトだから代わりに出てあげようかと思って」
「うんうん。オルウルは優しい」
メルクアースを朝早く呼び出したせいで朝食を食べていなかったらしいのでシュロシルの分のパンを差し上げた。送ってもらうのだからこれぐらいはしないと。
ユメ(10時)になりメルクアースが門の目の前まで転移させてくれた。コウ(17時)にはもう一度来て返してくれるらしい。
「あの~すいません」
「あら、あなたはユノライさんの所の......」
「あ、オルウルです!覚えてくれていたんですか」
「そうそう。オルウルさんね。今日はどうしたの?」
「シュロシル.が寝込んでいて来れなかったので私が代わりに出ようかと思いまして......マニュアルなどあればいいんですが......」
「それならちょっと待ってね」
門番さんは一度席を外してマニュアル表を持ってきてくれた。そして親切に教えてくれた。
「これで以上だけど、私も残った方がいいかい?」
「いえ、大丈夫です。もし迷ったらアドリブで何とかするので」
「まぁこの時期は誰も来ないから安心していいよ」
「そうなんですか。ありがとうございます」
門番さんは家に帰り、1人になった。そしてバイトは何事もなく終わった。本当に何もなく、ただ私は暇つぶし用に置いてある本を読んでいた。
「メルクアース」
「はいはーい。もう終わりかい?」
「うん。家までよろしく」
「了解!」
そして一瞬で家に戻ってきた。メルクアースも一緒に家まで来たのでお礼として晩御飯を食べて行ってもらった。シュロシルは相変わらず起きる気配はありませんでした。この調子が明日まで続くのであれば考えようですね。3日連続は少し不安になるので......
「メルクアース。今日はありがとね」
「いえいえ、これを仕事とすれば結構稼げるもんでね」
「確かにかせげてそうね......」
晩御飯を食べたメルクアースは少ししたら帰っていった。私は洗い物をして部屋を少し掃除し、風呂に入って戸締りの確認。居間の電気を消して自分の部屋に向かった。
今日は慣れないことをして疲れた。明日ちゃんと起きれるかな......
見ていただきありがとうございます!
残り23日!
なんと!50万字突破いたしました!!341日にして50万......平均すると1日1500字になります。あと23日で60万字は無理ですが、50万を突破できて満足です!
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