魔女の326日目
昨日は勝手にトレースとティグリスが肩慣らしに戦いはじめ、改めて世界の頂上を見た気がした。間違えても頂点を取ろうなんて思わないほど圧倒された試合を見て、私は唖然としてました。
戦いを終えた後、トレース達は何事もなかったかのように帰っていった。そしてアルエファは魔法使うから部屋貸し手と言われたので空き部屋を......なんで自分の家でやらないのかは疑問ですが......
夜になっても部屋からは出てこなかったので、私達だけで晩御飯を食べて寝たんですよ。そして朝起きた時、変な物音が聞こえたんです。はい。現状いまこの状態です。
勿論変な物音とはアルエファに貸した部屋なんですけど。オルウルも気付いて部屋の前まで来ていた。私は恐る恐るノックしてみた。
「ちょっと、人の部屋で何してるの」
「ん?ごめんごめん。うるさかった?」
「うるさいって言うか、なんか変な鳴き声聞こえたんだけど、危ない魔法使ってない?」
「そりゃ使ってるよ」
「......」
全く悪気の無いアルエファの声を聞いて逆に安心したので、私はそのままオルウルと居間に行き朝食を食べた。
「そういえば、シュロシル。結構降ったんだよ」
オルウルが窓を開けて外の景色を見せてくれた。そこには地面が既に見えなくなっていて、一面真っ白になっていた。誰も外に出てないので足跡一つない一面真っ白の空間が出来上がっていた。
「降ってきたと思ったら、既に積もってるのね」
「そうみたいだね~。今年は結構遅いみたいだけど」
「結構遅い方だよ。去年の今頃は私はこたつに入ってのんびりしてるぐらいだと思うよ」
「う、うん?」
「どうしたの?」
「その言い方だと雪がどれだけ降ってるか分からないな~っておもってさ......」
「まぁ降ってたんだよ」
朝食を食べた後、他愛もない話をしながら家事をして、雪を眺めた。そしてようやくアルエファが動いた。
「やっと終わった......」
「一体何してたの......って、鳥......?」
「怪我でもしてたの?」
「だれ。が、けがを、、、してる。って?」
あ、はい。納得しました。鳥に命を吹き込みましたねこの人。確かにエルエネの次の代とは言いましたけど......鳥ですか。
「エルエネの次の代のスノール。まだ生まれたばかりだから全く喋れないけどね」
「なるほどね。すごいじゃん。でもそれ私の家でやる必要あった?」
「一番最初にシュロシルに自慢しようと思って、因みにスノールは魔法も使えるよ」
「魔鳥ってか......」
生命の魔女とは名の通り、生命を付与する魔女だった。そしてそれをなん百年かけて使いこなしているアルエファを見て感心してしまうほどだった。生命の魔女だからといって、簡単にできるわけではないだろう。体力も底知れない量を取られるだろう。それでもこの有様だ。末恐ろしい。
「それじゃ、私は晩御飯を食べたら帰ろうかな」
「分かったよ。メルクアース」
メルクアースと私が呼ぶと空間が出てくる。そしてメルクアースはいつも以上に怒っていた。
「もー!!!!!何回呼ぶのさ!私は便利屋じゃないんだよ!お金取るよ!こっちだって体力使ってるのさ!またこの世界壊すよ?!」
「流石に呼びすぎたかなって思って晩御飯ご馳走しようと思ったんだけど......オルウルの手料理」
「......あ、ありがと」
「まぁ食べ終わったら私は帰してもらうけどね~」
「良いけど、今後は月に1回ね。それ以上は4アール取るよ」
「ぼったくりじゃん!」
「私だって体力消費するの!同等だよ!」
メルクアースは怒りながらもオルウルの作った手料理を美味しく食べてました。勿論私もアルエファも美味しく食べましたよ。寒いからうどんだったんですけど、美味しかったですね。
見ていただきありがとうございます!
残り38日!
ようやく北海道にも雪が降ってきたと思ったら、一瞬積もってまた溶けて、そして積もっての繰り返しです。雨になったり雪になったり......落ち着きませんね。
最近文字数が増えたと思いませんか?そうなんですよ。今までは1000文字前後が1500文字前後になってるんですよ。これも成長でしょうね。
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