魔女の325日目
昨日はトレースがいきなり来て、この世界の事情を話して、私は話についていけなくなりつつも理解して、アルエファは何かを思い出していた。
そんなこんなで、オルウルは気付いていたらしく、朝食(昼食)は全員分が出てきた。察しが良すぎて怖いぐらいですね。
そんな感じで昨日は一日が過ぎた。そして今に至るわけだが......あの人達また帰るつもりないみたいなんですけど、ちょっとは私の自由にさせてくれませんかね?確かに賑やかな方がいいとは言いましたけど、限度ってものがあるとは思いませんか?
「というかさ、トレースはなんで来たの?本当に昨日の事を言いに来ただけ?」
「うーん。どちらかといえば違う。シュロシルさ、魔法使ったでしょ。場所特定の魔法」
「あ、もしかしてバレてた?」
「その魔法を使ったものはシュロシルが最初じゃないからな。ある程度は分かったぞ」
この人達に魔法で通用すると思わない方がいいかもしれませんね。というか......
「ねぇ、どうでもいいことなんだけど、トレースとティグリスって魔法使えるの?トレースは魔法っぽいことしてるのは見たことあるけど」
「あー、あの動けなくなるやつね。あれは魔法じゃなくて私なりの特技って感じかな」
「俺は全く使えないぜ。剣が多少扱える程度だ。まぁ俺が危ない目に合う時はトレースが助けてくれるからいいんだけどさ」
「それ男としてどうなの?」
「別にいいんじゃね。トレースの強さは俺以上なのは確かだ」
ティグリスはああ言っているが、実際は滅茶苦茶強いとの噂があった。けれど、それ以上に強いと言われているトレースはどれ程なのか......
「気になってるみたいだし、少し手合わせしてみる?」
「は~......別にいいけど、ハンデありな」
「んじゃ外出て」
勝手にトレースとティグリスが話を付けて外に出た。トレースもティグリスも手ぶらのまま、何も装備しないで外に出た。
「何してるの?」
私とアルエファ、オルウルは気になって後を付いて行ったが、もう既に距離を取って戦闘態勢に入っていた。その光景は異様だった。滅多に戦わないはずの人達がしっかりと基本、いやそれ以上にしっかりとした形になっていた。
「んまぁ、俺ら体が訛らないように適当にこう言うことしてるから、軽い気持ちで見てな」
「それじゃ一本勝負ね」
「どっからでも」
いつもは酒しか飲んでないティグリスが最初にナイフを取り出し切りかかった。あれ?これ本当に殺す気ですか?
トレースはギリギリのラインで避けて反撃の拳を入れようとするとそれを察してティグリスは避けた。その行動はほんの数秒の出来事に過ぎないほど、動きが早かった。これがこの世界を造り、まとめている人達だと実感した。
そして思った以上に勝負は素早く終わった。ティグリスがトレースの取りだしたナイフを集中してみているとナイフから手を放して素早くティグリスに蹴りを入れた。一瞬の出来事で私達は気付かなかったが、ティグリスは受け止めていた。
「うーん。ダメか」
「まぁこんなもんじゃない?」
「え、もう終わりなの?」
「やりすぎると危ないからね」
呆気無く終わった勝負は何事も無かったかのように二人は戻っていった。
「なんか、すごいの見たね」
「これが最強を誇る2人だってさ......そら火の魔女も勝てないわけだ......」
改めて2人の強さを知り、更に関わりたくないと思った。多少絡むぐらいがはやり丁度いいですよね......これ以上危ないことに顔を突っ込みたくないです......
見ていただきありがとうございます!
残り39日!!40日切りましたね~。
今回はトレースとティグリス回でした。どうでした?この世界でもこんなものが見られるんですよ。この2人がもっと活躍するのは『冒険者で異世界を!』『冒険者で異世界を!season2』です!こちらもどうぞお願いします!(急な宣伝)
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明日もお楽しみに!