魔女の324日目
最近アルエファがよく私の家に来る理由は分かっているんですが、来すぎじゃないですかね?周1のペースで会ってる気がするんですが、私だけでしょうかね。まぁ主な原因はエルエネでしょうね......
「なに、今日は起きるのが早いんじゃないの?」
「誰が部屋は言っていいって言った」
「うーん。強いて言うなら私?」
アルエファがあたかも外から私の事を見ていたかのように起きたことに気付いて部屋に入ってきて椅子に座った。神出鬼没ですねこの人。
「今日ここに来た理由ってシュロシルの魔法もそうだけど、もう一つあるんだ」
「?」
「魔猫を作ろうかと思ってさ。ちゃんと別れも告げれたし、私は多分誰かと話してないと落ち着かないみたいで」
「そう、私は何かを言う権利は特にないから......ただ、一つ言うとすれば、エルエネもアルエファが楽しんでる方が喜ぶと思うよ」
「ありがと」
正直に言ってしまうと私は何も言う権利なんて無い。何とかすれば助けれたエルエネを見捨ててしまった。いや、助けようとすれば、私も今はここにいないだろう。エルエネはあの時来なくていいと止めてくれた。今となってはそれが正しかったのかさえ分からない。
「ねぇアルエファ。この世界って残酷だよね」
「否定はしないな」
「なんでこの世界には10人の魔女が居て、それ以上でも、それ以下でも無いんだろう」
「さぁね。私もこの世界が出来てからずっとこの場所に居て、何度もそのことについて考えた。でも考えるだけ無駄だった。この世界はトレース、世界を造った人を中心として回っている。だからそれに意味なんてなんだよ」
「その通り。この世界を造った時、私は一つの概念以外に手は出してない」
「いきなり出てこないでよ。びっくりした」
トレースの話をした瞬間勝手に私の家に入ってきた。音も無かったので、メルクアース(空間の魔女)だろう。余計なことをしてくれますね。
「それよりさっき言った一つの概念って?」
アルエファが興味津々に聞いていた。まぁ興味を持つもの当然だろう。
「それは、10人の魔女をこの世界に居させる。それだけ、そしてそれ以外に私は何も干渉していない。言わば、この世界を造ったのは私だけど、この世界を構造したのは魔女といってもいい」
「それは最初に生み出した魔女の事?」
アルエファがトレースに質問を続ける。その会話に私はそろそろついていけなくなりそうだった。
「流石、最初からこの世界を見てるだけあるね。そう。生命の魔女、裁判の魔女、陰陽の魔女、色の魔女、道の魔女、制御の魔女、偽りの魔女、思考の魔女、壁の魔女、空気の魔女。彼らは私達が最初に生み出した魔女。その人達が、この世界を造った。この世界を造った私の足りない部分を全て埋めてくれた人物たち」
「なるほどね......だからあの時、偽りの魔女がね......」
アルエファが何かを思い出したかのように涙を流し始めた。
「なんで今更そんなことを私達に言ったの?今まで誰にも言ってなかったんでしょ?」
「ん~?気分じゃない?分かっての通り、私達は自由気ままにこの世界で生きてるからね。空から世界を見てるんじゃなくて、みんなと同じ目線に立って、この世界を見てる。そんな一人の人間だよ」
「んまぁそういうこった」
「なるほどね。私達って言ってる意味がよく分かった」
トレースの後ろからティグリスも出てきた。そうだった。造ったのはトレースだけじゃなく、ティグリスもだった。
「私達はこれからも、この世界をゆっくりと見てるよ。この世界が朽ち果てるまでね」
「え、終わるの?」
「......前の世界は終わったかね」
トレースは小さな声で呟いた。私は何一つ聞こえなかった。けれど、どこか寂しそうな顔をして言ったのは確かだった。
「ん?なんかなんて言ったの?聞こえなかった」
「何でもないよ。ほら、オルウルが待ってるんじゃないの?早く行ったら?」
「もうこんな時間じゃん!ほら、みんなで行くよ。どうせオルウルは分かってるだろうし!」
「はいはい」
見ていただきありがとうございます!
残り40日!今週から雪の予報なんですけど、雪が降ってしまうと自転車に乗れなくなってしまうんですよね。これ、車などの移動系の乗り物をまだ持っていない学生からしたら結構迷惑な話で、交通手段が一つ消えることになるんですよね。どうしてくれるんでしょうか......
まぁスノーボードに行けるので、良しとしましょうかね。
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明日もお楽しみに!