魔女の317日目
起きてすぐ私は家を出る準備を始めた。勿論時間の魔女を止めるためだ。少し私もイライラしてるので速攻で終わらせて何事もなかったかのようにしましょうか。
「メルクアース。ちょっといい?」
私は誰も居ない部屋で小さく呟いた。すると大きな空間が現れた。メルクアースを呼ぶときは小声って習いましたからね。
「こんな朝早くからどうしたの......」
「バイレクア・マーシャレイの家の前に転移させて」
「歩くのがめんどいからッて呼ばないでくれる?こっちだって体力使うんだよ?」
「シペリシの居場所が分かったと言っても同じことが言える?」
「......信用するよ」
「私がこんなに真剣に冗談を言うわけがないじゃないですか。久しぶりに切れてますからね」
「わかった。今開く『空間転移:バイレクア・マーシャレイの家の前』」
目の前に先ほどメルクアースが出てきた大きさの空間が現れた。これに入ればその先はマーシャレイの家らしい。
「オルウルに伝えといて、今日の夜には戻るって。戻らなかったらアルエファに連絡を、これはメルクアースに頼んだ」
「わかったけど、なんでアルエファ?」
「それは連絡したらわかるよ」
「そう?無理しないでよ?」
「今更過ぎるよ」
私は空間に入った。すると目の前に本当にマーシャレイの家だった。インターホンを押し、マーシャレイを呼んだ。勿論マーシャレイには要は無い。いつも通り使用人が出てきた。
「只今バイレクア・マーシャレイ様は面会中です。控え室でよろしければご案内しますが、どう致しましょう」
「控え室でいいから案内して」
「かしこまりました」
面会は多分シペリシ。もしそれが合っているのなら、私が今来ることも、そしてこの後起こる事もある程度想像ついてるだろう。私はそれの裏をかくことも、何もできない。ただの魔女だ。だからこそ......
「面会って言うのはこの部屋で合ってるのかな?うん。魔法結界が張られてるし、中にはマーシャレイとシペリシ。ここで合っているみたいだね」
一つの部屋だけ魔法結界を付けて他から中の人の存在を確認できなくなっていた。それに気が付いて、ここだと分かった。
「さーて、何考えてるか知らないけど、白状してもらうか?」
「どうしたのシュロシル。急に現れて、こっちは会議中だよ?」
「そうだぞ。ラーリトルの住人として立場をわきまえろ」
「あ?」
私はマーシャレイとシペリシの真ん中にある机に思いっきり脚を乗っけた。勿論威圧をかけたつもりだ。
「全てを見通す魔女シペリシ・ヴォルトウリス。それに協力しているバイレクア・マーシャレイ。未来を変えて何になるって言うの?」
「だから何言って......」
「分かってる癖に聞いてこないでくれる?少しイライラしてるの。穏便に済ませよ?」
「感情が高まっているから視野が狭くなっているだけじゃないのか?」
「そうだったらよかったね。でも残念。あなたほどじゃないけど、全て見えてるので」
この調子だとこの二人は絶対に白状しない。なら......
「そう。そこまで言うならいいよ。避けないでね。避けたらそれは白状したと見なすよ。『最後の眠り』」
シペリシは何かに気づき、即座にそれを回避した。
「へぇ。避けたじゃん。認めるんだ」
「未来を変えたところで何になる......ね。いいじゃない。誰も知る由もない世界を変えたって」
「ねぇ。シペリシ」
「なにさ。何か文句でもあるわけ?」
「ごめんね気付くのが遅くなって......」
「何を......」
「吸血鬼。あなたが最後ね」
「何の......事?」
「大丈夫。今助けるからシペリシ。そしてマーシャレイ。あなた達は吸血鬼に操られてるだけ。全て理解してる。大丈夫だから、私に身を委ねて」
「何を馬鹿げた事を言っているんだ貴様は!」
「バイレクア・マーシャレイ様はそんなお言葉一度もおっしゃったことはございません」
私に切りかかったマーシャレイは使用人が見事に防いだ。使用人には扉の前に居てもらって自分の判断で入ってきていいと伝えてあった。
「あと少しでアルエファも来ると思うから、ここはよろしく。私は吸血鬼に会いに行く」
「分かりました。ご武運を」
『転移:死の丘』
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残り47日!最近朝アラームに気づかない作者です。今日も寝坊しかけました。いつもはアラームの1分前に起きるのでアラームは1個しか設定してないんですよ。なので寝ぼけて止めてたらアウトなんですよね。どうにかなりませんかね......
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