魔女の308日目
魔女が集まると賑やかになるもんで、私含めて4人も居れば相当騒がしくも思える。魔女自体が10人なので4人も揃うと結構珍しいんですよ。そこにオルウルも居てとなると5人になり、いつもは暇な家の中が騒がしくなる。
前まではその感覚があまり好きじゃなかった。静かに一生を終えたいと思った時期もあった。けれど今は違った。この賑やかさを求めてしまっている。終わった後に静かになったね。って言うのを嫌い始めてもいた。
昨日の夜は残っていたお酒を飲んで一人一人倒れていき、最終的に私が一人だけ残った。勿論スイラキアさんには飲ませてませんよ。まだ飲めないのでね。
そして目が覚めると今のような現状になっていた......
「本当にさ。何やってるの。やっと賑やかの方が楽しいと思い始めた時にさ......」
「何って、やるなら人数多いほうが良いでしょ」
私の居間、いや、居間とベランダにざっと数えて10人以上の人がいた。
「おっせえぞシュロシル。ほら飲めや」
「美味しくいただいてるよ~」
「はぁ、あなた達お仕事は......?」
トレースとティグリスがそこに居た。そしてその後ろには昨日いなかった魔女(火の魔女を除く)残り全員が居た。
「はぁ......ねぇアルエファ?説明してもらおうかな?昨日と言い今日と言い......」
私は軽く拳を握りしめてアルエファに聞いた。アルエファは既にお酒が入っていて半分何を言ってるか分からなかった。
「あのね。アルエファがやるなら全員でやろうって事で私が全員連れてきたの。勿論全員の許可をもらって連れてきてるよ」
メルクアースがアルエファの代わりに説明してくれた。空間の魔女だけあって、この世界を縦横無尽に移動できるのは便利ですが、悪用しすぎじゃないですか?特に私にとっての悪用を......
「まぁいいじゃん。新しい魔女の祝いだと思ってさ」
「それもそうだね。スイラキアさんが来て全員集まるのは初めてか」
「それ言ったら私の時全員集まってないんですけど!ねーぇーシュロシルさんー?」
「はいはい。そうだね。ごめんね。もう絡まないで」
「ひどーい」
レイレアナさんが酔った勢いで私に絡んできた。この人お酒弱いんですか。言ってることは正論ですけど......
「ほら、シュロシルが仕切って祝いの言葉どうぞ」
トレースが無茶ぶりを言ってくる。私の家で好き放題に遊んで......どうしてくれましょうかね。まぁ食糧とかは向こうが持ってくれてるのでいいんですけど。
「分かったよ。えー、旅の魔女アイレク・レイレアナと土の魔女メシロウ・スイラキアが魔女になった事を今日ここで祝いましょ。乾杯」
私が盃を上にあげると誰一人としてグラスを上にあげる者が居なかった。なんですか?馬鹿にしてるんですか?
しばらくするとトレースが笑い、それに連れてみんなも笑った。
「ねぇ......」
「ごめんごめん。悪乗りが過ぎたよ。それじゃ乾杯」
トレースの声掛けでみんな一斉に乾杯をした。
「変わったね。シュロシル」
「そうみたい。この賑やかなのを求めるようになるとは思わなかった」
見ていただきありがとうございます!
もう残り56日なので終わりに向かってますね。この辺りからカウントダウンを後書きの方でしていきましょうかね。ああ、少し寂しくなる。
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