魔女の307日目
コンコン
ドアを叩く音が聞こえた。私の眠りを妨げるのは誰ですか。と言うか、ノックする人なんて居ましたっけ?アルエファとオルウルは問答無用で入ってきそうですし、部屋にはロックなど付いてませんよ?
「だれ?」
部屋越しに声をかけると直ぐに帰ってきた。
「は、始めまして......土の魔女メシロウ・スイラキアと申します......」
「あ~土の魔女ね......土の魔女?!」
私は慌ててドアを開けるとゴツンと何かに当たる音がしました。ドアの前でスタンバっていたメシロウさんがおでこを抑えて倒れていました。
「だ、大丈夫?」
「あ、はい......大丈夫です」
「とりあえず居間に行ってお話ししようか」
一旦冷静になり居間に行きアルエファとオルウルに事情聴取しましょうかね。
「おはよシュロシル~」
「......なんで空間の魔女が居るの」
「冷たいな~居てもいいでしょ。メシロウちゃんを連れてきたのは私だよ」
「......アルエファ何か言うことは無いの?」
「私はただシュロシルに新しい魔女に会ってほしくてメルク(空間の魔女)を呼んだだけで」
「......オル」
「はい。朝食」
そう言ってオルウルは私が聞くよりも先に朝食のパンを目の前に持ってきてくれた。そして完全に話を逸らされた。
「わかった。分かったよ。初めましてメシロウ・スイラキアさん。眠りの魔女ユノライ・シュロシルと言います。以降よろしくね」
「よ、よろしくお願いします......!」
「所でさ......何歳?」
「歳ですか?12です」
あまりにも小さくて聞いてしまったが、まだ12歳でしたか.....
「誰かさんを思い出すでしょ」
「......私って言いたいんでしょ。なるほどね。確かに気が合うって言えば合うかもね」
「どういうことですか?」
アルエファの煽りに対して反応するとそれにメシロウ・スイラキアが反応した。
「スイラキアさんは12歳で魔女になってどう思ってる?」
「えっと......少しでも役に立てたらいいと思ってます」
「良い子良い子。でもね。魔女ってそんなに気を張らなくてもいいよ。もっと自分の生きたいように生きなさい。魔女はそういう生き物だから」
「頑張りすぎようとすると誰かさんみたくなって、普通の生活すら送れなくなるよ」
「今普通の生活を送れているでしょ」
スイラキアさんに話をしているのにアルエファは全てを知っているかのように話に入っては煽ってきた。まぁ確かにアルエファは全て知ってますけど......
「何が言いたいかって言うとね。私が魔女になったのは6歳の時だからね」
「え」
「最年少だったよ。だから私も今のあなたのように頑張ろうとした。その結果魔法は体力が許す限り幅広く使えるまでになった」
「魔女って言うのは人それぞれに個性があるのさ。だけどシュロシルはそれが無かった。故に前の魔女の破壊の魔女の名を受け継いでいたの。眠りの魔女って付くまでね」
「そうだったんですか......」
「だから、自分が生きたいように生きなさい。誰もそれを否定する人は居ないんだから」
「はい!」
一通り説明を終えるとソファーに座って聞いていたメルクアースが聞いてきた。
「幅広くって事は空間系も使えたりするの?」
「不可能では無いけど、基本的に使わないようにしてる。他の魔女の個性を使ってしまうようでちょっとね」
その後はメルクアースに続いて質問だらけだったが土の魔女に色々な事を教えられてよかった。この先生きていくうえで私と同じ道は歩んでほしくない。出来れば自分の生きたい生き方で生きてほしい。
見ていただきありがとうございます!
部屋の中に人数が多いと会話が小説の半数を占めますね。悪いことじゃないんですけどね。その分文字数も増えるので。
あと、最近朝と夜が本当に寒くなってきました。雪はいつ降ってくるのでしょうかね。
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