魔女の289日目
それぞれの魔女と話しながら酒を飲んだ。本当に飲みすぎて一時はどうなるかと思ったが、時間の魔女とアルエファの魔法で酔っ払わないようにできる魔法を使ってくれました。魔女が集まると何でもありですね。
「今日はこれだけじゃ終わらないよ」
そう言いトレースは一旦自分の城の中に入っていった。そして一人の少女を連れて戻ってきた。
「光の魔女の継承者。土の魔女メシロウ・スイラキア」
「え、えーっと......今後よろしくお願いします!」
まだ15歳ぐらいの少女が魔女になっていた。風の魔女が前夜祭の時遅れた理由は継承者を探していたからだそうだ。それにしても見つけるのが早い。
「魔女の世界は不安定すぎるけど、悪いことばかりじゃない。なんだったら面白いから、自分が魔女であることを誇ってこれからの人生楽しむのが一番だよ。私が言うのもあれだけど......」
色んな事件に巻き込まれやすいのが魔女であり、誰よりも自由に生きていられるのが魔女だ。それを彼女に教えたかった。
「はい......!ありがとうございます。ユノライ・シュロシルさん」
「シュロシルでいいよ」
「おーいスイラキア。魔女になったんだからこっち来て飲めよ」
ティグリスが酒を誘っているが、本当には20歳にならないと飲んではいけない決まりになっている。けれど魔女になった者はなった瞬間に大人と認められ20歳超えてなくても飲むことが許される。そして魔女になった時、最初に酒を飲まされるが、それがこの魔女世界の入り口って感じなのだろう。
「今日はありがとね」
「何言ってるの。それはこっちのセリフだよ?闇の魔女と言い、火の魔女どちらも終わらせてくれたのはシュロシルでしょ?この世界の権限を持つ私でもやらなかったことをやってくれた」
「それって......」
「そう。もうこの世界も長く続いて、ここまで来て、終わりが見えたかなって思ったの。でもまだ続きそうだね」
トレースは終わりを求めていたのか。それとも自然と終わりに近づいているのを察しているのか。トレースの心境を見ることはできなかった。ただ一つ分かるのは、まだこの世界が存在し、生きているということ。
「そう簡単に終わらせないよ。私が死ぬまではね」
「シュロシルが死んでも、他の魔女はそれを許さないでしょうね。特にアルエファとかは」
「確かにそうかもね」
私は椅子に座り込み、空を見上げた。暗く星が綺麗に見える夜を見たのはすごく久しぶりだった。と言うか、もう夜のなのか。
「綺麗だね」
「この綺麗な空がいつまで見ていられるのか。見物だね」
「ああ、本当に......」
見ていただきありがとうございます!
次回から日常編と言いましたが、キリが悪かったので290日目から日常編にしようかと思いました。なので今回は前回に引き続き飲んでいる状態でした。
感想やアドバイスがありましたらコメントまで
高評価、ブックマークお願いします!
明日もお楽しみに!