魔女の287日目
......?目の前は見知らぬ家のベッドの上に居た。酔って全く記憶がない。今も夢の中に居るのか。なんて思ってベッドから出ようとした。
「あれ?」
体が鉄のように冷たく、硬かった。それは比喩ではなく、本当に体が一切動かなかった。
「誰かいる?」
声は出ることは確認できた。あとは返事を待つのみ。首さえも動かず、ただ天井を見えるだけしかできなかった。
「居るよ。その声はシュロシル?」
「アルエファなか?一体どうなってるの?」
「さぁ。まぁでもここがどこかは分かるよ」
「どこ?」
「かつて破壊の魔女が閉じ込められていた地下施設。その一番奥の部屋にある医務室」
なぜ今私たちがそんな場所に居るのか。想像できなかった。昨日まで楽しく酒を飲んでいたのに、急にまたシリアスな展開になる。私の普通の日常はどこに消えたんですか。戦争の件からやっと終わったと思ったらまた始まったじゃないですか。
「ん~まぁここに居ても気分が悪いだけだし、早く戻ろうか『完全治癒』」
アルエファが魔法を使うと自然と体が動くようになった。流石アルエファの魔法。
「さーて、大体の構造は覚えてるからゆっくり行こうか。シュロシルは覚えてないだろうし」
「覚えてないって言うか、知らないの方が正しいでしょ」
「なら破壊の魔女になってみてよ。そしたらすぐわかるよ」
「何言ってるんだか......と言うか、ほかの魔女達はどこに居るんだろうね」
私達以外にも飲んでいたのは確か。そして私の家で寝ていたのも確か。1人を除いては全員寝ていた。
アルエファが道を知っていたのでアルエファに付いて行きながらなぜこうなったのか。そして他の魔女がどうしているのか話し合いながら進んだ。地下施設と言うだけあって辺りは薄暗く、松明の光だけが頼りだった。
「松明ってことは付けて人がいるってことであってそうだね。ここは破壊の魔女以降つかわれてないはずだから」
「へ~詳しいね」
「ここの設計者私だからね」
「......はい?」
さらっと、当たり前の様にアルエファが言ったが、それは当たり前ではなかった。破壊の魔女の墓地として有名な場所がアルエファが設計したとか。聞いてませんよ。
「ほら、もう少しで出口だよ」
目の前に上に上がる階段があった。あっという間に出口まで来たみたいだ。
「出る前にさ。シュロシルはこの地下施設。どこと繋がってるか知ってる?」
「噂ではラーリトルの人目の付かない所に設置されたって聞いたけど、実際本当にあると思ってなかったから全く想像できないな。でもラーリトルであることは確かでしょ?」
「そうだね。じゃあ扉開けて確かめてみなよ。ラーリトルの事はシュロシルが一番よく分かってるでしょ」
「それもそうだね」
そして私はゆっくりと目の前の扉を開けた。まぶしい光が差し込んだ。そして目の前には......
見ていただきありがとうございます!
シュロシルが見た場所とは......!次回明らかに!
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