魔女の285日目
起きると完璧に二日酔いの状態でした......普段早い魔女の方々ですが、今現在の時刻なんとポイラク(12時)ですよ。
「ん?起きたんだシュロシル」
未だゆっくりと酒を飲んでいるティグリスがいた。トレースは既に眠っていた。
「まだ飲んでるの......」
「わるいか。ここの酒は確かに強いが、俺には合わないだよな」
「度数80でしょ?それでも無理ってすごくない?」
「......実際そうでもないんだよな」
ティグリスは少し小さな声で呟いた。過去に何かあったのだろうけど、深追いはしなかった。
「二日酔いの状態だろ?寝たらどうだ?」
「いや、私も少し飲んでからにする
「やめとけって、これ以上飲んだら明日も死ぬぞ」
「そうだよ。それ以上飲むのはやめておきな。ジュース程度にしておくのが最適だよ」
トレースが起き上がりティグリスに同意した。私が飲むのは反対らしい。まぁそりゃそうだろう。これ以上酔っても仕方ない。
「どうせこの状態だったら他の魔女も起きては寝ての繰り返しだろ。明日か明後日には全員起きてるぞ」
「あっそう」
私はそう言って少し席を離れた。そしてそのまま外に出た。新鮮な空気だったが、二日酔いはそれ以上につらかった。これは寝た方がいいな。そう思い居間に戻った。
「なんだ。結構つらそうな顔してんな」
「そう?まだまだ大丈夫だけど」
煽られたので目の前にあった酒を一気飲みした。
「おい、馬鹿か」
ティグリスが驚いた顔でこちらを見てきた。その理由もすぐに分かった。アルコール度数が強すぎると言う理由だ。
「それ、100超えてるぞ......」
「え......これが......?」
「案外大丈夫っぽいんだな」
「......無理......」
私はその場にバタンと倒れた。
ティグリス
「あいつも馬鹿だな」
「まさか100を一気飲みするとはね」
そのままシュロシルが飲んだ残りの酒を一気に飲んだ。
「あんたは相変わらずだね」
「そりゃそうだろ。全く味がねえよ。この世界に来てから一度もな」
「そうだったね......ごめん」
味がしない。それはこの世界に来てからそうだった。すべてに対して味が消えていた。これはある意味代償なのだと俺は悟っていた。
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