魔女の279日目
事態は一時混乱を招いたが、トレースの説得により、全国民が納得した。というよりも、説得しようとフィンに行った時には既に私を称える声があったそうだ。
テレビの報道でもそればっかりで埋め尽くされていた。ニュースと言えば今回の件で全てが埋まっているほどだった。本当ならマスコミなどが私の家を訪ねて来るのだが、取材を許可した魔女以外にマスコミするのは無しということになった。
「トレース大変そうにしてたけど、それなりに楽そうで良かったね」
「良いのかは分からないけど、まぁ大事にならなくて良かったんじゃない?」
私は布団で横になりながらオルウルの看病を受けていた。勿論魔法の使い過ぎで動けなくなっていた。予想はできていたが、トレース達が全員帰った後で動けなくなった。すべてに安心した瞬間、気が抜けたのだろう。
「それにしても、シュロシルが無事でよかった」
「帰ってきてからずっと言ってるね」
「そりゃそうでしょ。どれだけ心配したと思ってるの」
オルウルがどれだけ心配してくれていたのかは、言わなくても分かる。本当に感謝しきれないほど、心配してくれた。
「おーいシュロシル居るか~」
家のドアから聞こえたのはティグリスの声だった。私は今動けないのでオルウルに代わりに出てもらった。そしてオルウルがティグリスを出迎えに行き、少ししたら階段を登り私の部屋に入ってきた。
「シュロシル~お客さんだよ~」
「はいはい。ティグリスどうしたの?随分と早い再開だけど」
「なーに、ちょっとトレースに頼まれてな。事の経緯を少し話しておこうかと思ってな」
「じゃあ私少し席外すね」
オルウルはティグリスにお茶を置いて気を利かせて居間に行った。本当に頭がいいというか、気が利く子で良かった。
「それで、何を聞かせてくれるの?」
「まぁ、まずは今回の件について、本当に申し訳なかった。こちらの魔女の管理がしっかりしてなかった」
「管理って言い方嫌だけど、まぁそれは確かにそうだね。魔女の素性とかはどうでもいいとして、何をしてるかとかはね」
「ああ、そして今回の件だが、予期せぬ事態になったのは確かだが、ここまで範囲が広がるとは思ってなかった」
「そのことだけど、なんでこうなるって分かってたの?範囲が大きい小さい関係なしに」
「あれ?知らなかったのか。本当に災難だな」
そのあとティグリスは私と火の魔女の昔からの関係性を聞き、納得した。そんな過去があった事なんて私にとってはどうでもいい話だったが、ここまで今回の件に関するとは思っていなかった。
「まぁ大体こんな感じだ」
「そう。今日はありがと」
「おう。また近々来ると思うけど、その時は頼むな」
「嫌だけど、まぁ了解」
なんだかんだで1日が終わった。今日からは普通の生活だと思うと心が楽になる。それが普通なのに、普通だと思えなくなる日が来るなんて、思ってもいなかった。
見ていただきありがとうございます!
明日から?いつも通り運航していきたいと思っていますが、実際今回の件について色々とあるんですが、追々やっていきたいと思います(旅の魔女がどうなったのかとか)
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