魔女の278日目
トレースが火の魔女を確保し、今回の件はこれで幕を閉じた。勿論後日談はあるが、今では無いらしい。全国民の説得や、火の魔女の処罰。そして今後の対応。トレースのやることは山ほどあるらしい。だが、トレースは大変というより、めんどくさいって感じだった。トレースらしい。
「それじゃ、私たちはもう行くね」
「それは良いんだけどさ......」
確かに国民の事や、今後の事が色々あるだろうけど、それ以上にラーリトルが80%大破している事、アンラウが跡形もなく消えていることについて、これが一番の問題点だと私は思っていた。
「それは私じゃなくあっちでしょ」
トレースが指さした方向は時間の魔女シペリシ・ヴォルトウリスだった。確かに彼女なら物の時間を戻すことが可能だった。
「じゃあ、任せたよ時間の魔女」
「うーん。まぁ迷惑かけたのは自覚あるから......それぐらいなら」
「それじゃお願いね」
「わかったよ。みんな少し離れててね『時間戻し』」
すると散らばった破片は1つずつ丁寧にくっ付き、大穴は元に戻った。街並みも今までと変わらないいつも通りのアンラウにまでなった。これが時間の魔女の本当の強さでもある。全ての時間を戻す。それが人だろうが物だろうが関係ない。
そしてその元に戻る光景に目を引かれていると、いつの間にかアンラウ全てが元に戻っていた。家1件1件しっかりと、門も私が闇の魔女と戦った時の傷すら消えていた。要はそれよりも前に戻したということだろう。
「ついでにラーリトル含めレアティアなどの一部壊れている街とか全て時間で戻しておいたから......」
「お疲れ。大分疲れたでしょ」
「バレてる?正直かなり疲れたかも......」
アルエファが疲れ切った時間の魔女の横に行き心配した。そして魔法を使って疲れを癒していた。アルエファならではだろう。
「それじゃ私たちは行くね。何とかするつもりだけど、無理だったら時間の魔女や空間の魔女。あとシュロシルとか呼ぶと思うけど、その時はよろしくね」
「いつ呼んでもいいけど、移動料や食事を期待してるよ」
トレース達は歩いて帰っていこうとしたが、空間の魔女が連れていくとのことなのでそれに便乗して帰っていった。
「それじゃ私も戻ろうかな」
「ありがとね水の魔女ハピリウス・ヴィーアグニ」
「いいのいいの。困った時はお互い様だよ。じゃあね」
水の魔女、風の魔女は自分の街に帰っていった。
「さて、私たちも帰ろうか」
「うん!」
見ていただきありがとうございます!
残り86日......50日前ぐらいからカウントダウンしても良さそうですね。本当に終わりが目の前ですね......寂しいような感じもしますね......
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明日もお楽しみに!