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魔女の364日  作者: Catch262
276/364

魔女の276日目

 時刻:ソルジメ(23時) 眠りの魔女ユノライ・シュロシル

 現在地:死の丘


 まさか、火の魔女ではなく、光の魔女が最終的な敵になるとは思ってもいなかった。


 「さぁどうする。手も足も出ないだろう」


 光の魔女は随分と余裕そうだった。そりゃそうだろう。同化して見えない上他の魔女も操っている状態だ。そんな奴に簡単に手は出せ無いのは当たり前だった。


 「来ないなら眠りの魔女も操っちゃうよ」

 「できる物ならしてみなよ」

 「そう。ならこれで終わりだね。この戦争も楽しかったよ『光の糸』」


 光の魔女は完璧に自分が有利な状況に持って行ったと思い込んでいる。実際光の魔女が有利だ。ここで何か反撃すれば、その対応も考えているだろう。ただ、()()()()()()()()()()()()()()()


 「本当に、この戦争は悪夢の様だったよ。こんなこと、誰一人望んでいなかったはず」

 「命乞いか?」

 「けど、ようやく、終わるんだね」

 「そうだよ!お前を操ればこちらの勝ちだ!」



 「ここでミスする様な私じゃなよ!!!」

 「やれ!シュロシル!お前が全て変えろ!『権限委託:眠りの魔女ユノライ・シュロシル』」


 ミオルが自分の意志で私に権限を渡した。きっとエルエネの最後の魔力を使い切ったか何かして、ミオルを動ける状態にしたのだろう。


 「今更権限委託したところで未来は変わらない!」

 「未来は変え、作り変えるためにあるんだ!それを決め付けるな!!!!終わらせる......『()()()()』」


 権限を持った上でこの魔法が可能となる。世界破壊。勿論このミオルの造り上げた死の丘の世界だけが崩れるだろう。そして今ここに居るミオル、クオル、そしてエルエネは生きて帰っては来れない。勿論光の魔女も同じだろう。


 ミオルもクオルもそれを覚悟した顔だった。エルエネも悲しそうな顔をしていたが、もう自分の心の中では決まっていたのだろう。同じように死を覚悟していた。


 「ごめんね......」

 「気にすんじゃねえ。それが最善だったんだ。シュロシルが取った行動は何も間違ってねえよ」

 「ああ、また生きてたら造り直す。その時また来てくれ」


 「ふざけるな。ふざけるなふざけるなふざけるなぁ!!」


 光の魔女は青ざめたかのような声で罵詈雑言を吐いていた。その顔を拝むことは勿論できなかった。


 「ありがと。『起きろ』」


 崩れていく世界を、ゆっくりと目を閉じる最後の最後まで見ていた。その最後の最後まで、しっかりとミオルは私の事を見守っていてくれた。


 「次あった時は絶対に殺してやる。覚えておけよ。眠りの魔女ユノライ・シュロシル!」

 「出来れば二度と会いたくないよ」


 そう言って。私は完全に目を閉じた。




 同時刻 ミオル

 現在地:死の丘


 シュロシルが消え、同じように徐々に消えていく世界。ここまで造り上げるのに、長い歳月を必要とした。けれど、それも今は消えていく。まぁ死ぬことは無いと思うが、精神面では死ぬほどつらい現実だった。


 「あーあ。シュロシル行っちゃった......」


 エルエネが小さく。悲しそうにつぶやいた。


 「まだエルエネは希望はあるだろ。生命の魔女にもう一度呼んでもらえれば」

 「そうだね。それを信じて、一度死のうかな」


 簡単に言っているが、実際かなり辛いだろう。死の恐怖と隣り合わせで今を生きているんだ。怖い以外の感情があった方が怖い。


 「それと、クオル。ありがとな。変なことに付き合わせちゃって」

 「いいんだよ。俺も辞め時を探してたからな」

 「また、世界造る時呼ぶからな。それまで生きてろよ」

 「この崩壊を乗り切れたらな」

 「ああ、そうだな」


 いつの間にか、光の魔女の声は無くなり、エルエネの影すらもなかった。そして次は俺たちと言わんばかりに黒い影が近づいてきた。


 「それじゃ、またな」

 「おう。兄さん。また......」


 その時、初めてクオルが兄と呼んでくれた時だった。

 見ていただきありがとうございます!


 いよいよ明日!戦争編最終回です!長く続いてきましたが、ようやく終わりが目の前に!

 さて、戦争の結果は......!


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 明日もお楽しみに!

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