魔女の273日目
時刻:ガンライ(20時) 眠りの魔女ユノライ・シュロシル
現在地:ラーリトル中心部
トレース達が助けに来た。そう思った。けれど、最初の一言で誰を信じたらいいのかわからない状況になった。
「なんで......?アルエファなの?」
「生命の魔女放置しといたら後々後悔するぞ。トーレス。今は強力しろ」
なぜ、火の魔女ではなく、アルエファなのか。そしてその事に対して誰も驚いていない。オルウルでさえ、反対の意見を述べなかった。
何は裏があるのか。それともただ単に操られているだけなのか。
「火の魔女を止めるために来たんだよね?この戦争を終わらせに来たんでしょ?じゃあ!」
「いいよ。シュロシル。トレースは操られてない」
「でも......」
「じゃあ、ここでシュロシルに問おう。今ここで、私と一緒に火の魔女を倒しながら、後ろのトレース達を相手にするか。それとも大人しくトレースの言うことを聞くか」
アルエファも何か知っているようだった。私以外の全員が何かを知っている。その何かが、わからない。
「どちらを選んでも、私はシュロシルの選んだ方にするよ。さぁどうする?世界を賭けた二者択一。正解なんてこの世に無いんだよ。直感で物事を決めないと、何も出来ずに終わるよ」
アルエファの言ったことはどれも正論だった。どちらを選んでも、後になってやっぱ違う方にしておけばよかったなんて言っても遅い。直感以外にあるとすれば、冷静に考えて、判断すること......冷静に......?
なんで......トレースとオルウルが一緒なんだ......?そしてなんで、エルエネが居ない......?
冷静になると、見えていなかった所が見えるようになる。冷静さを欠けると、大事な物まで失いように、冷静を忘れてはいけない。
「ねぇ、アルエファ......1つだけ。1つだけでいいから答えて」
「なに?時間は無いよ」
トレース達が徐々に近づいて来ていた。そして火の魔女はその分後退していた。
「この世界の権限を持っているのは誰?」
この答えは最終の答え合わせ。アルエファが私と同じ回答をすれば、全てがわかる。
「気付くのが少し遅いよシュロシル」
「なるほどね......」
考えたいた、最悪のパターンが正解した。一番嫌な選択肢が当たってしまった。
「気付いたんでしょ。なら早く行きな」
「でも、それじゃアルエファが」
「大丈夫。時間稼ぎはこっちで何とかするよ。ね?時間の魔女」
「唯一理由が分かってるのは私とあなただけって事ね。いいよ。眠りの魔女が死の丘に行き、全てを解決するまでの時間。それぐらい、私にとって簡単すぎる」
急に現れた時間の魔女。何故かアルエファと時間の魔女は息が合うようになっていた。ただ、今は心強い。
「さぁ。シュロシル!眠れ!そのための名だ!」
「ありがと『転移:死の丘』」
そして、戦場を目の前にして、ゆっくりと目を閉じた。
見ていただきありがとうございます!
誰が正しいのか。そして、シュロシルの取った行動は正しかったのか......すべてが死の丘で判明する!
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