魔女の270日目
時刻:アクジア(11時) 眠りの魔女ユノライ・シュロシル
現在地:ラーリトル中心部
辺りは火の渦に巻き込まれていた。安全地帯など無く、火の魔女の独壇場になっていた。火を破壊したところで、再び火は使われる。要は魔法自体を破壊しないことには変わりはない。
『火の雨』
『空よ。雲を隠さず、本来の姿を見せよ』
魔法の対応の仕方は少しばかりだが、把握していた。ただ、即座にその魔法が出てくるか、と言われれば、難しい話だ。
『火の粉よ。奴に燃え移れ』
「ちょ、来ないでよ。燃えるでしょ」
「焼け死ぬ姿拝んでみたいものだな。魔女狩りに火あぶりは最高なシチュエーションだろ?」
「本当に悪趣味ね『浄化』」
あの火の粉。少しでも触れたら一瞬ですべて燃えて灰になるんでしょうね。殺すことを前提とした魔法......
「トレースは来ないよ」
火の魔女が急に言った。それは私の気を紛らわせるためなのか、それとも本当の事なのか。考えを揺さぶってくるような事だった。
「なんでそんなことが言えるの?」
「『密閉空間』それが空間の魔女が使った禁忌魔法。どこからも入ることは不可能。空間の魔女以外出入りは不可」
「へ~......ねぇ。そんなに喋ってていいの?もう反撃は始まってるよ『錯覚』」
火の魔女が喋ってくれていたので魔法の準備ができました。一部の魔法には時間を必要とする魔法もあるので、少し助かりました。
「ただただ喋ってるとでも思ったの?同じように時間稼ぎだよ『加熱』」
辺りの温度が上がった。今60度ぐらいだろうか。正直熱くて死にそう。ただ、この環境が火の魔女の有利な状況だとしたら、それを確信した瞬間。勝てる方法がある。
「随分と熱いね」
「そう?」丁度いいけど」
「狂ってるよ。でも、今はありがたいね『適正破壊』」
相手が有利な状況。環境になった時に使える魔法。その有利な状況をすべて破壊する魔法。要は、今火は消え、周囲の温度は元に戻る。そういう魔法だ。
「せっかく作ったのに」
「残念だったね......」
「とても残念『残り火』『着火』」
「もう無駄だよ『魔法制御不能:光の魔女ドリュナル・セトトリア』」
「面倒なことしやがって」
これで暫くは火の魔女を恐れなくてもいい。魔法は使ってこない。あとはこちらの反撃を......
「幻影の魔女『トラウマゲーム』」
「そう来るのね......『 』『幻影破壊』」
幻影の魔女のトラウマゲームは正直精神をやられるどころではない。幻覚だと知っていても、死ぬレベルの魔法だ。しかも、これが禁忌ではなく、普通の魔法ということ......
けれど、幻影の魔女は対策済み。幻影破壊で大抵の魔法は何とかなる。
「火の魔女無理ならこっちで暫くやろうかな」
「相性悪いってわかってるのによくやるね」
「違うよ。『火の魔女:開花』『業火:夢物語』」
火の魔女と幻影の魔女のコラボ技......!流石にこれは予想外だった。
「さぁ。踊り狂え」
「断る!」
見ていただきありがとうございます!
火の魔女と幻影の魔女のコラボ技。この2人の戦いはまだ続く!
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