魔女の269日目
時刻:コウ(17時) トレース
現在地:フィン入り口
「どうする?一回ミオルの所戻る?」
「うーん。ここからだと遠いし現状どうなってるか分からんから戻るか」
転移魔法を使い死の丘へに着いた。別世界という感覚が妙に慣れない。
「お。空間の魔女と風の魔女もいるのか」
「ここ以上に安全な場所はねえからな」
「なんか私の世界を否定されているようで嫌だな」
「そんなつもりは無いが、完全否定はできないな。今の状況だと」
「まぁそうだね」
死の丘に居たのはミオル、クオル、オルウルは勿論、風の魔女ヨルセム・スカアリヤ、空間の魔女プトゥマティ・イルクアースが居た。既に空間の魔女とクオルが戦ったのは聞いていたので驚きはしなかった。
「あとは生命の魔女と時間の魔女、そして眠りの魔女と火の魔女だけど」
「生命と時間の勝負はついさっき終わったぞ」
予想では引き分けか生命の魔女が勝つ。まぁ引き分けって言っても生命の魔女が殺さなかっただけだと予想した。それだけ生命の魔女は強いことは知っている。
「生命の魔女の圧倒的勝利。あれは本当に強いな」
「当たり前でしょ。最初の魔女だよ」
予想的中。あとは火の魔女と眠りの魔女。これだけはいくら予想しても当たることは無いだろう。
「さーて、あとは高みの見物と行こうか。やばくなったら行くぞ」
ティグリスが座り込みオルニアが見れる場所でシュロシルを見ていた。その隣でオルウルも見ていた。
「それってどっちがやばくなったら?」
「勿論シュロシルだよ。な?オルウル」
「当たり前でしょ。シュロシル見殺しにしたら許さないよ」
オルウルの目は本気だった。それだけシュロシルの事を思っているのだろう。
「おいミオル。酒はあるか?」
「ああ、ちょっと待ってろ」
「終わってから飲んだら?」
「終わるのを待ってたら時間がいくらあっても足りねえよ」
「そうとは限らないよ。案外すぐ終わったりしてね」
同時刻 生命の魔女アプロカカ・アルエファ
現在地:レアティア
「さーて、私は向かうね」
「どこ行くの?」
「元より眠りの魔女の所に行く予定だったからね」
「行ってらっしゃい。生きてたらまた今度話しましょ」
「私は死なないよ。それはあなたが一番よく知ってるでしょ」
時間の魔女は「御もっとも」と笑って言った。
さて、今回の喧嘩は今までの喧嘩とは比べ物にならない。喧嘩という次元では言い表せない。言うなれば、魔女同士の戦争だ。
同時刻 眠りの魔女ユノライ・シュロシル 火の魔女ドリュナル・セトトリア
現在地:ラーリトル中心部
「ねぇ」
「うん。破壊の魔女らしい状況になったね」
周囲には何も残っておらず、全て灰になっていた。禁忌の魔法が衝突するとどうなるか、想像はしていたが、想像の遥か上を行った。
「これ、私だけのせいじゃないからね」
「それはどうだろうね。地形破壊なんて、今この状況を作り出してるのと変わらないじゃん」
「でも辺りは灰まみれだよ?」
「知ってた?灰ってまだ燃えること『着火』」
「ふざけ......!」
一瞬で辺りが燃えた。その一面炎に塗れた様子は地獄そのものだった。
「うん。やっぱり火の魔女らしい舞台になったね」
「悪趣味な魔女」
「誉め言葉として受け取っておくわ」
同時刻 ティグリス
現在地:死の丘
オルニア、いや、ラーリトルの街、アンラウはその原型を留めてなかった。2人の生存者が見えてが、それは火の魔女とシュロシルだろう。ただ、周囲は燃えていた。
「なぁトレース。火の魔女って同化使えたっけ」
「自分が有利な環境を作ればね」
火に同化されるとシュロシルは対処できない。ただ、シュロシルもそのことに気づいているのかどうなのか。感の良い奴だから分かると思うが、どう出る?
「肩の力抜きな。いざとなったら行くでしょ?」
「それもそうだな」
俺らの出る幕じゃない。それは知ってるが、すぐにでも助けに行きたいぐらいだ。今すぐ行かない理由は単純で、もう行きたくても、行けない状況になっていた。
見ていただきありがとうございます!
明日で270日目!そして!明日!眠りの魔女ユノライ・シュロシルvs火の魔女ドリュナル・セトトリア!お楽しみに!
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