魔女の265日目
時刻:メラ(3時) 眠りの魔女ユノライ・シュロシル
現在地:ラーリトル中心部
『同化』
火の魔女は何も警戒せず、この攻撃を受けてくれた。まぁ避けようのない攻撃なんですがね。
「なるほどね」
この魔法は禁忌の一つ。そして相打ちが可能な魔法。私と同じ状況にする魔法。火の魔女も同じように片腕を失った。
「殺せるものなら殺してみなよ。あんたも一緒に死ぬだけだよ」
「へぇ。それでもいいよ。心中しようか『火葬』」
ここで、避けるべきか、それとも当たるべきか悩む。当たれば確実に死ぬ。けれど、火の魔女も一緒に死ぬだろう。だが、なんで火の魔女は余裕そうな顔をするのか。それだけが心残りだった。
「死なないで、帰ってきてね」
オルウルの言葉が頭に浮かんだ。ああ、尚更死ねないんじゃん。
『魔法反射』
不意に言葉が出てしまっていた。使う気のなかった魔法。けれど、生きたいって気持ちが出てしまった。
「やっぱりな。そうやって生きようとする」
「人間って面白いよね」
「全くだ。自分が死ねば私も死ぬ。けれど、どちらも生きようとするものだな」
気付けば先ほどの火の魔女の魔法はギリギリで当たらない位置に来ていることに気づいた。一瞬だが、火の魔女も死ぬことを恐れた。
「でも、あんたは私の仲間。友達を殺したでしょ」
「殺したのは私じゃない。私の仲間だ」
「同じだっつうの『我が指示するまで動くな』」
「文章系魔法か。ってことは眠りの魔女だね」
すぐにバレた。原因は魔法の打ち方。詠唱が必要なので喋らなきゃいけない事実。そして欠点は文章と単語。これは大きな欠点だった。
破壊の魔女は基本的に単語を言うだけで魔法が放てるが、眠りの魔女の場合は文章を言わないと魔法を使えない。この差が大きい。
『火よ。魔法を押し倒せ』
「文章系の魔法......」
火の魔女も同じように文章系。そして単語系どちらも使える魔女だった。結構珍しく。中々二つを使うのは難しいとされていた。
「どう?驚いた?」
「真似しないでくれる?」
「そうだね。同じのは2つも要らないよね。それじゃ、死んでね。シュロシル」
「馴れ馴れしく名前で呼ぶな」
『火龍斬』
『地形破壊』
禁忌の魔法がぶつかった時、それは普通の魔法がぶつかる時の何十倍も威力が増し、衝撃波が異様だった。辺りの家は吹っ飛び、何も周囲には残らない状況った。
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