魔女の254日目
時刻:ポイラク(22時) 水の魔女ハピリウス・ヴィーアグニ
現在地:フィン入り口付近
「時間変動で今の時間を変えたでしょ」
「ん?良く気付いたね。まぁ僕でも実際の時間は分からない。分かっているのは時間の魔女彼のみだよ。というか、なんで気付いたの?」
「簡単な話だよ。時間軸が合わない」
「それはどういう?」
「見てれば分かるよ『水神:水龍』」
「これは見事な技だ。ならこちらも!『天に光あれ』」
今の時刻はポイラク(22時)辺りは真っ暗で月明りか街灯の明かりのみ......のはずだった。急に明るくなった。太陽が出ている時の何倍も明るく。フラッシュの様だった。だたそれはフラッシュでは終わらなかった。その光は終わりを知らなかった。
「見えるかい?まぁ目を閉じて防ごうとするよね。それがダメなんだよ」
「何か言ったか。餓鬼」
威圧で一瞬光の魔女が退く。異様な威圧が光の魔女を襲ったのだろう。それはこの世界では見ぬ威圧そのものだった。
「その程度か。行け水龍」
龍の形をした水が光の魔女一直線に走っていった。勿論当たれば水責めで窒息死。避けても破裂してその水が当たれば窒息死。どちらも一瞬で殺す技だ。
「水って厄介だね。でもさ。水は光に勝てないでしょ『光の影』」
水龍はそのまま光の魔女に突進した。そして通り過ぎた。光の魔女は何事もなかったかのようにそこに立っていた。
「水は光を通す。知らなかったなんて言わせないよ?火と水が競って水が強いように、光と水じゃ光が強いのさ。さて、反撃と行こう。避けれるなら避けてね。死なれちゃ詰まらないからさ『光の弾よ。彼を打ち抜け』」
光の魔女が魔法を使った瞬間だった。太ももに強烈な痛みが走った。見ると小さな穴が開いていた。それは一瞬の出来事で一切気付かなかった。いや、気付くことができなかった。
「流石に光の速さの弾は避けれないか。水の魔女もこの程度だったとはね」
「......なんで」
「ん?」
「なんで、私が怒ると火の魔女を超えるか知ってる?」
「それはさっきも言ったように火は水に弱いからね」
「そんな難しいことじゃないよ。制御が利かなくなるだけ。ただそれだけなんだ『同化』」
正直すぐに出すことになった奥の手。だけど奥の手だけあって、本当に最強を誇るのではないかと思うほどの技。空気中の水蒸気と同化する。人間の目には見えない。100%の不意打ちが成功する大技。
「そっちがその気ならそっちの世界で戦うよ。これは僕らにしかできない戦いだよ『光よ。僕の体を包み込め!』」
光の魔女も同様に姿を消してきた。多分光に紛れ込んだのだろう。夜なのに明るい光じゃどこに居るのか見当が付かないレベルだ。朝になる前に倒さないと勝ち目はほぼゼロに近くなるだろう。
ここからは見えない者同士の戦い。これは私だけじゃなく光の魔女も初めての勝負だ。どちらが先に居場所を見つけて不意打ちできるかが勝負の分かれ目だろう。
見ていただきありがとうございます!
冒頭で時間軸がズレていると言いましたが、正直1日でまとめるのは不可能だったので複数日に分けてます。
例え話をすると、眠りの魔女ユノライ・シュロシルはまだ体感では3日も経ってません。けれど、本編はかれこれ10日以上経ってます。
これは全て時間の魔女が制御しているってわけです。時間の魔女が最強なんでしょうかね......
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