魔女の253日目
時刻:サッシ(9時) 眠りの魔女ユノライ・シュロシル
現在地:ラーリトル中心部
実質闇の魔女との戦いは二度目。技もある程度覚えている。ただ、それ同様にこちらの技も全て把握されているだろう。
「立ち止まってたら死にますよ?『闇の鎖』」
見たことある。
『カウンター』
「ふーん。『魔術返し』」
『過去書き換え』
『過去を入れ替える』
『反射鏡』
『反射』
『反転』
『位置変換』
「おっと、『反影』」
『裏返し』
「あーーーーーめんどい!『自然破壊』」
はぁ。なんかこんなやり取り闇の魔女の時もやりましたね。あの時よりも種類は増えてますね。厄介な魔法なのは変わってませんね。
止めるなんて不可能な事をすればいいのか。それとも殺すしかないのか。このまま戦っていても前回と変わりは無さそうですし、無駄に体力が削られるだけ......
今無駄に体力を削ってしまうと火の魔女の分が無い。白夜になったところで勝ち目がゼロになる。ならどうするか。
逃げる。そんな言葉が頭に浮かんだ。正直それ以外の発想が無かった。今ここで闇の魔女を相手に火の魔女なんて勝てるはずがない。戦略的撤退。
「逃がさないからね?『終焉』」
「あれ?心読まれてた?『白紙撤回』」
「顔に出てたよ『死の宣告』」
「だったら逃がしてよ『魔法破壊』」
「殺してあげるから地獄にでも逃げたら?『死を招く門』」
「それはごめんだね『 』」
一瞬意識が飛びかけた。やっぱりこの魔法は破壊の魔女でも負荷がある魔法なのか......使い時は考えないと......というか、やっぱり厄介ですね。
「さて、次で最後としよう」
「ん?もう諦めてくれるの?」
「これを防げばね『さようなら』」
......何も起こらなかった。この技は闇の魔女と戦っている時も使われたことがあるが、すべてを消滅させる最強魔法だった。
「なんで......?」
「もう遅いよ。『魔女魔法禁止指定:アルクランド・サックイレ』」
「なんでその名を......」
「名乗ってくれなかったから見ちゃった。『詳細規定』」
この技は名前を見ないと使えない技。闇の魔女の時にも一度使ったが、まさか相手が忘れてるとは。まぁ名前を知られてなかったから大丈夫だと思ったんでしょうね。
「このまま生かしておくのもあれだから、じゃあね『し......』」
「ちょっと待てよ」
闇の魔女よりも奥から声がした。聞いたことは無いが、口調で一瞬で判断した。
「俺の仲間を殺したら許さねえぞ?」
「そういうあんただって、私の仲間殺したでしょ」
「さぁ?何のことやら。サックイレ下がってな」
「ごめん」
「気にすんな。あれは俺の標的だ」
逃げる?いや、時間稼ぎした後運が良ければ逃げれる。
「逃がさないよ?『火の檻』」
「どいつもこいつも......少しは逃がしてよ」
「この技ね。生命の魔女アプロカカ・アルエファにもやった技なんだけどよ。あいつ生きてるのかね。この檻は時間で収縮する。そして相手してるのは時間の魔女だ。あとは何が言いたいかわかるな?」
「殺す」
「あんま熱くならん方が身のためやで」
『不老不死:死の白夜』
「ならこちらも『不死鳥:祈願の朱雀』」
見ていただきありがとうございます!
眠りの魔女ユノライ・シュロシルvs火の魔女ドリュナル・セトトリアの戦いがついに始まりそうですね。どちらも最強を誇る強さ。けれどこれはシュロシルの望んだ事なのか......?