魔女の252日目
時刻:ポイラク(12時) ミオル
現在地:死の丘
さて、相手も動いてきたな。一番予想外なのはトレースとティグリスの戦い。あのトレースが操られるってことは相当な魔女だと思ったが、光の魔女ヤカテシス・ネイトゥナとは......
その光の魔女は水の魔女ハピリウス・ヴィーアグニとの戦闘。正直水の魔女が負けるとは思わないが、トレースを操るほどの魔法を使えるんだ。強さの上下関係は変わってるだろう。五分か押されるか......
生命の魔女アプロカカ・アルエファの所に一瞬火の魔女ドリュナル・セトトリアが現れた理由。一番よくわからん。けど、すぐ消えて生命の魔女はピンチ状態。まぁ相性の悪い風の魔女ヨルセム・スカアリヤと天候の魔女テミリョ・ディルウヒが手を組んで生命の魔女の所に向かってるから大丈夫だろうけど。
そして最後は眠りの魔女ユノライ・シュロシルと正体不明の人物か。まぁシュロシルは怒りを抑えれないだろうな。旅の魔女が殺されて、それが委託した先がそいつだ。しかも闇の魔女の攻撃パターンをしっかりと知っている。
それでも一度戦っている相手だから負けることはないと思うんだが......
相手陣営で残ってるのが......
「空間の魔女プトゥマティ・イルクアース。時間の魔女シペリシ・ヴォルトウリスだね」
一瞬口に出てたのかと思ったが、そうではなかった。話しかけて来たのはエルエネだった。
「えーっと、心読めるの?」
「魔猫なもんで、それで、残りはその2人の魔女だけど、どう考える?」
「この先の予想な。時間の魔女は気候と風の所に行くだろう」
「空間は?」
「言わなくても分かるだろ」
「そうみたいね。もう来たし」
「予想以上に早かったな。まぁ動き始めてるし当たり前か」
エルエネが振り返った方向には今話していた空間の魔女プトゥマティ・イルクアースがそこにいた。
「何の御用で?ここに魔女はいないが?」
「オルウルを殺しに来ただけ、殺されたくなかったら必死に守ることだね」
「へ~。俺の空間で強気だね」
「空間対決はしない方が身のためですよ。魔女でもない人に勝てるわけがないでしょ」
「そりゃやってみねえよと分からねえんじゃねえか」
「邪魔をするなら殺す。それだけ」
「んじゃま、やりますか。エルエネはオルウルの事頼んだ」
「了解」
時刻:ガンライ(20時) 気候の魔女テミリョ・ディルウヒ
現在地:レアティア
火が出ていた所を目指して走った。そしてそこに居たのは檻の中で倒れているアルエファだった。酸素が薄くなり呼吸を保てなかったのだろう。
『雨』
一定範囲だけ雨を降らせる魔法。そして火はゆっくりと消えるかと思いきや、火の魔女の火はそう簡単に消えなかった。
「え、ダメなの」
「火の魔女だ。そう簡単に消えはしないだろ」
困惑しているとアルエファが囁いた。
「極限まで近くに来て......」
「大丈夫?!」
「いいから早く......」
私たちは言われた通り火の柱ギリギリまで近づいた。
「ありがと『対価入替』」
アルエファが魔法を使った瞬間位置が移動した。私たちが火の檻の中に入り、アルエファだけが外に出ていた。
「何してんだ!」
「ちょっと待って......あなた達じゃこの檻は壊せない。私は少し酸素が足りないの。回復したらすぐ出すから......」
そう言ってアルエファはその場に倒れた。そして事態はさらに悪化した。
「あれ、この前は折角仲介に入ってあげたのに、一緒に檻に入るなんて、仲いいんじゃん」
空に浮いてのは時間の魔女シペリシ・ヴォルトウリスだった。物凄くタイミングが悪い。今この状況じゃ何も出来ない。
「そこの生命の魔女は後々死ぬからいいや。ねぇ知ってた?その檻時間で収縮してるんだよ」
その瞬間時間の魔女が何を言いたいのか察した。
「じゃあね」
『身代わり』『対価入替』
檻は一瞬で縮まった。けれどその一瞬アルエファが助けてくれた。
「あとは任せたよ。私はもう動けないから」
「ああ、任せておけ。時間の魔女ならギリ倒せる」
「厄介な時間に注意すればいいだけ」
「簡単に言ってるけど、そんな生半端な相手じゃないからね」
アルエファは動くことができなそうだ。ずっと地面に横になっていた。要はアルエファを守りつつ時間の魔女を倒す。それが条件となった。
「あなたたちがどれだけ相性悪いか見せて」
「やるときはやるよ?大丈夫か」
「サポートは任せて、スカアリヤ前線は任せた」
見ていただきありがとうございます!
これでやっと全員の魔女が出てきましたね。それぞれの個性を考えながら作っていくのが難しい......それでも考えるのは楽しいもんやね。
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