魔女の250日目
時刻:ライ(14時) 眠りの魔女ユノライ・シュロシル
現在地:ラーリトル中心部
さて、火の魔女の正体も分かったので、余計に合流したらダメな状況になりましたね。今すぐ火の魔女が出てくるとも限らないし。トレースと会うのは確定事項だけど、今どの辺りなんだろう。まだフィンとかだったら結構時間かかるよね。
「やぁ。ユノライ・シュロシル久しぶりだね」
後ろから声がした。振り返ってみるとそこには誰もいない。そこに居たと言う形跡もない。ただ声だけが聞こえた。
「火の魔女は少々準備に忙しいので代わりにユノライ・シュロシルを殺しに来ました」
「ご丁寧にどうも。それで?姿が見えないんだけど?」
「そりゃ見えないでしょう。見えたら私の『不可視』の名が泣くでしょ」
「あなた、魔女じゃないね」
「ええ、火の魔女の使いの者です」
「そっちが殺す気ならこっちも容赦しないけど、覚悟できてる?」
「勿論ですよ。さぁやりましょか」
見えないとなると闇雲に魔法を使う必要があるけど、そんなことしても当たるなんて思ってない。慎重にかつ、素早く倒す。
同時刻 生命の魔女アプロカカ・アルエファ
現在地:レアティア
さて、どっちに行きましょうか。
「あれ?お急ぎかな?」
その声は絶対に聞きたくない声だった。振り向かず逃げようと思ったが、瞬時に退路を断たれた。
「なーに逃げようとしてるのさ」
「じゃあ逆に聞きますけど、なんで私なんですかね。狙いは眠りの魔女ユノライ・シュロシルでしょ。火の魔女ドリュナル・セトトリア」
そう。目の前に居たのはこの事件の張本人である火の魔女ドリュナル・セトトリア本人だった。
「なんでって、本当はもう分かってんだろ?生命の魔女アプロカカ・アルエファ」
「さぁ。狙われるような覚えはないかな」
「じゃあ教えてやるよ。お前がこの戦争に置いて一番害悪なんでね。先に処分しに来たんだよ」
「全く意味不明ですけど、死ぬのはごめんなので逃げますね」
「逃げれると思ってんのかよ」
勿論火の魔女相手に逃げれるなんて思ってませんよ。勝てるなんて尚更思ってもいないです。でも、逃がすことはできるんですよね。
「悪いけど、逃げるね。『自然同化』」
その瞬間火の魔女が連発していた火の弾は収まった。多分私が見えていないのでしょう。姿を消したのでね。
「ふーん。まだここに居るのは確定だな。転移系じゃなく姿を消す系。まぁ今はまだ殺さなくても害は無さそうだな。この弱さならいつでも殺せる。今は生け捕りにしといてやろう。『檻火』」
火の魔女の言葉を無視して逃げようとすると火の柱にぶつかりかけた。そして複数の火の柱は空で結合した。それはまるで檻そのものだった。
「これで出れはしないだろ。まぁせいぜい足搔くんだな」
火の魔女は整然と火の柱を潜り抜けてどこかに行った。私はこの状況お手上げですね。風の魔女が来るのを待ちましょうかね。
時刻:(16時) 風の魔女ヨルセム・スカアリヤ
場所:レアティア
今向こうの方で火の音がした。それは気候の魔女も気付いたらしい。
「行ってみる?」
「火って事は火の魔女以外ありえない。今行くのはどうかと......」
「でも、誰か戦ってるなら援護に行かなきゃ」
「そうだけど......」
「助けるだけ!助けたらすぐ逃げる!そうしよう?」
機構の魔女はやけに積極的だった。何が根拠になっているか分からないけど、それでもやる気に満ちていた。
「分かった。でも、あくまで助けるだけね」
「勿論!」
時刻:ポイラク 水の魔女ハピリウス・ヴィーアグニ
現在地:フィン
「えーっと、やっと来たのね」
「あれ?待ってた?」
「ええ、かなりの時間待ちましたよ」
「それは失礼。ちょっと火の魔女と色々相談してたもんで」
「そう。それで?私を殺すの?それとも狙いは民間人?」
「民間人に手を出したいけど、止めるでしょ?水の魔女ハピリウス・ヴィーアグニ」
「当たり前じゃないですか」
「しかも、目の前で怒ってる水の魔女見て、本気でやらない魔女なんて居ないでしょ」
「あら、シュロシルは一切敵意を向けなかったけど?」
「あれはまた別物だ」
少しの間ができた後、私は戦闘態勢に入った。正直光の魔女の太刀打ちなどは知らない。どんな魔法を使ってくるのか。大体しかわからない。逆に光の魔女は私の魔法を知っている。だからかけるならまだ使ったことない魔法で一発逆転を狙うのみ......
「さぁ、やろうか水の魔女」
「お手柔らかに」
見ていただきありがとうございます!
徐々に始まりつつありますね!けれど謎は深まるばかり......(伏線張りすぎて全部回収できるか不安)
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明日もお楽しみに!