魔女の239日目
体力を使いすぎると一瞬気を失う。寝たら治る仕組みは昔から変わらないらしい。それも全員同じらしい。誰が決めたわけでもなく、この世界ができてからそうだったらしい。
この世界ができてから......ってことはきっとトレースが何かしらしたんだと思いますけど、バランスの取れた良い世界だと私は思いますよ。
なーんて、思ってたら目が覚めましたね。そして外は明るいです。
「おはよシュロシル。調子はどう?」
「おはよ。見ての通り」
「あはは、やっぱ動けないんだ......」
「強力な魔法って大概そういうもんだよ。それで、台風はどこ行ったの?」
私は起き上がることもできないので、布団に横になったまま現状をオルウルに聞いた。オルウルはまたか~って顔をしながら私の寝ている布団の隅に座って話始めた。
「台風は消滅したよ。丁度アンラウに当たる寸前で、一人の魔女によってね」
「風の魔女ヨルセム・スカアリヤね。もう少し早く止めてくれればいいのに......」
「でも止めたせいでちょっと問題になってるんだけどね。ある魔女と」
「気候の魔女テミリョ・ディルウヒね。あの二人なら喧嘩になりそうだね......」
一方は風を操る魔法の魔女。それ故台風以上に気候さえも左右できると言われている。逆に気候の魔女はオルニアすべての気候を見て均衡を保っている。確かにこの二人は合わないでしょうね......
「その討論がテレビで配信されてたよ。ちょっと面白かった」
「結局どっちが勝ったの?」
「それがね。面白いことに、時間の魔女が現れて急に『風の魔女が止めなくても台風はアンラウに当たってすぐ消えた』って言い始めたの」
「へぇ~時間の魔女って未来も見えるんだ」
「それで結局どっちも悪くないってことで終わったよ」
「二人は絶対納得してないね」
「だと思うよ~」
時間の魔女が現れたのは驚きですね。しかも未来を見えるとは......確か過去も見えて時間をゆっくりにしたり早くしたりできる魔法があるだとか......体感的に早く感じるんでしょうかね?
「まぁそれぐらいかな~何か食べる?」
「お茶漬けでも貰おうかな。手は動くから自分で食べるよ」
「わかった。ちょっと待っててね。作ってくるから」
起き上がることはできなかったが、腕などは動くようになっていた。時間経過で治るのは知ってましたが、こんな感じに治るんですね。お茶漬け食べたら寝ましょうかね。どうせ動けませんし。
昨日早く寝た割には結構体力削れてたんですね。プラマイゼロかと思ったんですけど、マイナス1ぐらいだったんでしょうかね。
「はーい。作ってきたよ」
「ありがと」
出来立てのお茶漬けは意外と美味しかったです。1日何も食べてなかったのでそのせいかもしれませんね。
「ご馳走様。それじゃ、動けないし、もう寝るね。迷惑かけてごめんね」
「ううん。気にしないで!おやすみ」
「おやすみ」
見ていただきありがとうございます!
もう239日ですね。あと125日......あっという間ですよ。もう終わりが近づいてきてる......正直まだやりたいことは沢山あるんですよね。全部やりきって終わりたいですね。
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