魔女の229日目
いつもより早く目が覚める。原因はアラームの音だった。いつもより早いのに違和感を覚えたが、これが当たり前なのかと理解する。バイトの日だった......
居間に降りると珍しくオルウルが居なかった。オルウルの部屋を見てみるとまだ寝ていた。珍しいこともあるものだ。朝食を食べてバイトに行く準備をする。どうせ混まないだろうと思い込んでいた。
逆に混まれると久しぶりすぎて頭が回らない気がした。なのでバイトでのんびりしようと考えていた。
家を出て箒に乗りアンラウへ向かう。この行為は結構久しぶりな気がする。風を切る感覚は全く変わっていない。けれど、少し寒く感じたのは気のせいじゃなかった。夏が徐々に終わりに近づいてきていた。夜はもう冷え込む寒さになりつつあった。それでもまだ夏なので日中は暑い。
こうやって箒に乗って風を切っている時が一番気持ちい瞬間だ。
アンラウの門が見えてきた。そういえば、あの門まだ修復中でしたね。私が直そうかと思いましたが、もう既に手を付け始めたらしく。私が手を出す必要はなさそうですね。
「おはようございます。お久しぶり」
「おはよ。シュロシルさん」
「あ、紗枝さん。本当にお久しぶりです。私の分まで出てもらったりしてありがとうございます」
「いいんですよ。気にしないでくださいこの街は助け合って生きてるんですから」
「良いこと言うね」
「どれもこれもシュロシルさんのおかげですけどね」
「改めて言われると恥ずかしいね。代わるよ」
「それではお願いします」
紗枝さんと変わって思いましたが、はやり暇ですね。お盆が終わり、多分忙しかったのは昨日か一昨日だったのではないかと思いますよ。地下鉄を使わない人で帰る人はこの門を使いますから、行列ができたんじゃないでしょうかね?多分2人で回してたと思いますよ。私の想像ですけど。
何はともあれ、暇そうで良かったです。今日は空でも見ながらのんびりしましょうかね。ライ(14時)を過ぎた頃には雲が全体の2割程度で綺麗に見える感じでした。
コウ(17時)まで空を見上げてたものですから、戻す時苦痛でした......ずっと上を向くのも簡単じゃないですね......
「お疲れユノライさん。上がっていいよ」
「ありがとうございます。それじゃお願いします」
このバイト夜って大変そうですよね。私なら絶対寝てしまう気がしますけど、これ起きてなきゃいけないんですよね。相当辛いですよ。まぁその代わりに何をしてもいいって条件ですけどね。夜は滅多に人が来ないので好きなことをしていいんですよ。まぁ寝る以外のですけど......
さて、終わったので帰りましょうかね。オルウルが晩御飯を作ってくれていると思うんですが、今日は何を作ってるんでしょうかね。
今までは私が帰っている最中に決めて帰ったら作っていたんですけど、今となっては何を作っているか楽しみに帰るようになりましたね。昔じゃ考えられないですね。
「ただいま~」
「おかえり~お疲れ。もう少しで晩御飯できるからちょっと待っててね」
「今日何にしたの?」
「冷やし中華だよ~日中暑かったからね~」
「確かに暑かったね。それで冷やし中華か。悪くないね」
「食材も丁度余ってたからね」
晩御飯が出来上がってオルウルが作った冷やし中華を食べましたが、やっぱり美味しいですね。なんか隠し味も加えるようになってきて本当に美味しくなってますよ。私がバイト行っている間とかに色々調べたのか。自分で味見したのか分からないですが、それでもすごいですね。
食べ終わったらシャワーに入ってベッドインです。まぁバイトで特に疲れてませんが。もういいですよね。
「はーい。これシュロシルの分」
オルウルが部屋に入ってきてアイスを渡してくれた。確かに今日は少し暑かったので丁度良かった。
「ありがと。気が利くね」
「でしょ~今日は暑かったからね~」
「こうやってアイス食べるのも悪くないね」
「うん。ゆったりとしてる時間が一番だと思うよ」
アイスを食べてる時間だけやけに時間がゆっくり過ぎるような感覚がした。アイスが溶け始め、すべて無くなった頃には時間の速さは元通りになっていた。
「それじゃお休み!」
「うん。おやすみ」
見ていただきありがとうございます!
やっと5連勤が終わった......長かったようで短かった。って言うのは嘘で結構長く感じた......そして夏休みがあと少しという何とも言えない結果に......残りを楽しもう!
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明日もお楽しみに!