魔女の221日目
魔法を考えますよ
コンコン
「朝食の準備ができましたのでお持ちしました」
「はーい。今行くね」
そんな会話が遠くから聞こえた。私はまだ半分夢の中にいて、半分は目が覚めている状態だった。このまま寝てもいいし起きてもいい。言うなれば起きたいけど半分の私がそれを許そうとしない。そんなこんなしてるうちにオルウルが近づいてきた。
「まだ起きないの~?朝食来たけど」
「うん......おきた。おはよ」
「おはよ~」
配布された朝食を食べながら微かに揺れ地下鉄に乗っていることを実感する。今日は魔法を作ろうと思うけど、何を作ろうか。と言うか、ここで作っていいものなのか......
「ここにいるとやっぱり退屈だよね」
「VIPルームだから狭いわけじゃないけど部屋から出れないって言うのもあれだよね。まぁその分早くアンラウに着くからいいんだけどさ」
「それもそうだけど、なんて言うのかな。娯楽が無いよね」
「例えば何したい?」
「そう言われるとないも思いつかないね」
「だね......」
オルウルの意見を参考に魔法でも作ろうかと思ったんですけど、特になさそうですね。強力な魔法って言ったらなんでしょうかね。地震を起こす魔法とか?雷とか?災害系はやめておきましょうか。ディルに怒られそうなので......
だからと言って転移魔法も厳しいところありますし、できても片道切符ですよね。うーん。何がいいのか。
「突然であれなんだけど、シュロシルって召喚系の魔法って無いの?戦い見ててちょっと思っただけなんだけど」
「元々私は戦闘系に特化してないからね。破壊の魔女もそういう魔法は使ってなかっただろうし。そう考えてみたら無いかもね」
「確かに召喚って聞いたら戦闘系になるのかな」
「そうだね。その印象が高いかな」
何か人の役に立つ魔法を考えたい。昔からそうやって考えてきた。
「なんか人の役に立つ魔法あると思う?」
「人の役にね......あれは?」
「あれ?」
「今アンラウの人達大変そうだから普及魔法とか」
「それだ!」
魔法自体も結構強力であり作るもの相当な体力を消費するはず。しかも3か月ぐらい魔法を作ってないから可能だ。
「普及魔法でも限度がある。直せてあの大きな壁の穴を修復だけでもいいよね」
「それだけやるのでも普通の人なら数年はかかるだろうね」
「それじゃ早速取り掛かるわ。明日は体力切れで動けない予定だからよろしく」
「何もすることないからって逃げたな~」
「私は先に楽な道にいくよ」
さて、作り始めましょうかね......
その後は無心で作り続けた。結構難易度の高い魔法だったので集中を切らすと一からやり直しになる可能性がある。
晩御飯が届いてもそっちに目を当てずずっと集中してようやくポイラク(22時)に完成した。今まで作った魔法の中で一番時間がかかった。それだけ強力な魔法だ。
「お疲れ様」
「うん。さすがに疲れたわ......」
「ゆっくり休みな。明日も地下鉄なんだから」
「そうするわ......おやすみ......」
「おやすみ~」
見ていただきありがとうございます!
今頃何をしているのか......打っている時ではまだ想像が付かない......でも楽しみだ。
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