魔女の207日目
はぁ......
「出てきたら?気付いてないなんて思ってないでしょ?」
「あれ?やっぱりバレてた?」
私がすごく低い声でクオルを呼んだ。家の中に入った時点で既に察していた。空気が一か所だけすごく重く感じた。ただそれだけだが、それだけでわかった。
「さて、話したいことは山ほどあるけど、まずは座りましょ?」
私は居間の椅子に腰かけてクオルが座るのを待った。クオルは警戒しつつだったが椅子に座った。
『動きを止めよ。我が指示するまで動くな』
「やっぱりか......」
動けなくなったクオルは予想はしていたのか少し残念そうにしていた。
「さて、全部の問題も終わって無事帰れると思ったんですけどね」
「オルウルと一緒に帰ればよかったじゃん」
「あんたを殴らずして帰れるわけないじゃん」
私が少し微笑んで言うとクオルの顔は少し青ざめた。
「まず最初に。現実世界の私の体とオルウルの体は問題ない?」
「さぁ。教えてほしかったらこれ解いてくれる?」
「はい?」
私は一発クオルをぶん殴った。動けないので綺麗に溝にクリティカルヒットし、クオルは蹲っていた。
「答えるまで殴り続けるよ?」
「新手の拷問じゃん。まぁ喋るよ。特に異常はない。はい他には」
「夢で出てきた時のミオルってあなたがやってたでしょ?」
「......なんでわかった?」
「はぁ......」
もう一発クオルを殴った。クオルはなぜ殴られたのかという顔をしていた。
「質問したのはこっちなんだけど、いつ質問していいって言った?」
「......悪かった。確かにあれは俺だ」
「やっぱりね。わかったのは簡単であまりにも早くクオルが出てきたこと。この動作が無かったら多分気付かなかったかも」
「なるほどな......他には?」
「そうね~。じゃあ最後。本命は?」
「......」
「黙秘権を使うようなら話すまで殴るけど?」
「......」
「あっそ。言わないならもういいよ。正直殴るのは好きじゃないし、手も痛くなる」
けれどクオルがなぜこの世界を作って私たちを呼んでこんな問題を出したのかわかる。純粋に兄の真似をしたかったのだろう。
「もういいか?」
「最後の答えは聞いてないけどね。まぁそれは最後の問題ってことで現実世界で解くよ」
「そうか。じゃあ戻すぞ」
「うん」
オルウルと同じように徐々に足の方から薄れていった。
「クオル」
「なんだよ」
「楽しかったよ」
そして目の前が真っ暗になった。
見ていただきありがとうございます!
これでようやくクオル編は終了します!長い間でしたがお付き合いいただきありがとうございました!パソコンも戻ったので明日からは多分普段通りに戻ると思います!
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明日もお楽しみに!