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魔女の364日  作者: Catch262
194/364

魔女の194日目

ようやく家に帰ります。

 「ユノライさん起きてください」

 

 目の前にはナースさんが私を起こしに来てくれていました。


 「ん......もうそんな時間?」

 「ええ、今はコウ(10時)ですよ」

 「結構寝てたのね......もう帰ってもいいの?」

 「ちょっと待っててくださいね。最後に先生呼んでくるので」


 体もかなり軽くなりほぼいつも通りの状態に戻りましたね。昨日魔法を使ったという理由もありますけどね。まぁそれが大きいんでしょうかね。


 先生が来る前に窓を開けて外を見る。工事は休むことなく、毎日のようにやっていた。徐々に治っていく街を見ているとかなり早いペースでやっていることが分かる。


 「どれどれ、ユノライさん調子は?」

 「この通り、完璧です」


 私は腕を振り回して答えました。先生は驚く表情すらせず冷静に受け止めてくれました。


 「それじゃ退院していいよ。お疲れさん」

 「短い間でしたが、ありがとうございました」


 先生に礼をした後部屋を出て外に出る。涼しい風が吹いていた。さて、早くオルウルの元へ帰りましょうかね。


 「あれ?シュロシルもう退院したの?」

 「あ、オルウルじゃん」


 丁度オルウルがお見舞いに来ようとしている時にバッタリとオルウルに会った。てっきり家に居るものだと思っていた。


 「家に居たんじゃないの?」

 「ホテル借りてアンラウに居たの。工事とかも手伝ってたよ」

 「そうだったんだ。てっきり帰ったのかと思ってた」

 「帰っても家に誰も居ないからね......」


 寂しかったのか小さな声でオルウルが言った。いや、きっと寂しかったのだろう。家に帰っても一人なのは正直辛いものがある。特にオルウルはそうだろう。


 「それじゃ、オルウル帰ろう」 

 「うん!」


 私は手を伸ばして、オルウルはその手を掴んだ。


 一旦オルウルはが泊っていたホテルに行き帰ることを伝えた。そして門まで向かってゆっくと歩いた。辺りに瓦礫が散乱していると思っていたが道はしっかりと整備されていて誰でも通りやすくなっていた。家は既に治っている家があれば半壊、それ以上の壊れ方をしている家もあった。それを街のみんなで直していた。その光景は中々見れない物だろう。


 「あら、ユノライさん。アンラウを救ってくれてありがと」


 門に到着すると門番さんが話しかけてきた。そういえば、久しぶりですね。


 「大袈裟ですよ。私はアンラウが大好きなので救っただけです」

 「それが嬉しいのさ。ありがとね」

 「ええ、どういたしまして」


 門を離れて少し歩いた後箒に乗る。箒に乗るもの久しぶりだ。すべてに対して久しぶりだと思う。それだけ長かったのだろう。オルウルを後ろに乗せて家に向かう。


 「そうだシュロシル。今日の晩御飯何がいい?」

 「作ってくれるの?」

 「退院祝いに作るよ」

 「じゃあカレーで。どれだけ成長したか見てみた」

 「そんな簡単なものでいいのか~まぁいいよ」


 箒に乗っている時間が長く感じた。そして家に着いた時に思った。懐かしく、そして外から見ると確かにもろくなっている家に。そんな家に帰ってきた。長い長い戦いを終えてようやく家に帰ってきた。色々ありすぎて涙が出そうになった。


 家に入ったオルウルはすぐに晩御飯の準備を始めた。


 家に入って気付いたことはあまりにも綺麗だと言う事だ。長い間使っていなかった割には綺麗だ。毎日掃除しているように綺麗だった。


 「オルウル毎日帰ってきて掃除してたりしないよね?」

 「ん~。してたよ。帰ってきた時に汚い状態は嫌でしょ?」

 「......ありがと」

 「それはこっちのセリフだよ。私の為に戦ってくれてありがと。そして帰ってきてくれてありがと」


 オルウルの優しい言葉を聞いて涙を隠せなかった。本当に。本当に。生死を彷徨いながら戦った数日。頭から離れることは一切無いあの悪夢が終わったと言う達成感と開放感。それで涙が止まらなかった。


 しばらく泣いている私の傍にオルウルが居てくれた。そして落ち着いたぐらいにカレーを出してくれた。


 「いただきます......」

 「召し上がれ」


 ......美味しい。なんなら私より美味しくなってる。どうやってここまで至ったのか知りたかったがそれはオルウルが努力した結果なのだろう。それもまた嬉しかった。


 「美味しいよ......」

 「それはよかった」


 食べ終わった後は私が先に風呂に入った。私が泣いている間にお風呂まで沸かしてくれていた。


 上がってオルウルと交代して私は自分の部屋へと向かった。部屋に入ると最初に目にしたのは日記だった。


 暫く書いてない日記は途中で途切れていた。過ぎた話を書いても意味は無いので今日からまた書いていきましょうかね。


 『退院して家に帰ってきた。オルウルが毎日家に帰ってきて掃除をしてくれていた』


 コンコンと部屋のドアを叩く音がした。オルウル以外居ないのでとりあえず入れてみた。


 「一緒に寝ていい?」


 やっぱり一人は寂しかったのか。今日は甘えたいのか。私に拒否権などありませんね。


 「おいで」


 狭いベッドで2人で寝る。暑く感じたが、それでもオルウルは離れようとはしなかった。昔オルウルがドラゴンだったこと以来でしょうかね。一緒に寝るのは。たまにはいいかもしれませんね。


 「おやすみオルウル」

 「おやすみシュロシル」

 見ていただきありがとうございます。 


 何と言いますか。またネタに追われる日々になりそうですね。でももう200日になりかけてますね。あと少しですよ!


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 明日もお楽しみに!

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