魔女の191日目
気付いたらベッドの上で寝ていた。左腕に違和感があり見てみると点滴が刺さっていた。まだしばらくはこのままの状態を維持されるのだろう。
そういえば、昨日いつの間に寝たのだろう。いつの間にか夢の中に居た。多分まだ活動が正常になってないのだろう。相当な体力消費が生活リズムを崩しているのだろう。
「はーい。点滴終わりましたよ」
部屋に入ってきたナース服のまだ二十代ぐらいの若い女性の方が点滴を外してくれた。
「あの......いつになったら退院できるんですか?」
「そうですね~私の方からはあまりよくわかりませんが、先生が言うにはまだ後1週間ぐらいじゃ無いでしょうかね?今先生呼んできますね」
部屋を出ていった時丁度先生が入ってきた。完璧に入れ違いになっただろ......
「具合の調子は?」
「可もなく不可もなくって感じでしょうか?」
「まぁ不可が無いわけじゃん無いんだよね。シュロシルさん昨日いつ寝たか覚えてないでしょ」
「あ、ばれてます?」
「異様な疲れと生活リズムの大幅な崩れが原因でしょう。それと右腕の感覚もまだしっかりと戻っていないでしょ」
「......流石先生ですね」
「まだまだ言おうと思えば言えるけど、大きな問題点はこのぐらいかな。疲れの解消と生活リズムの戻り、そして右腕のリハビリが終わったら退院してもいいよ」
「それで一週間ですか」
「そうだね」
しばらくは病院生活が続きそうだ......正直今すぐにでも家に帰ってオルウルに会いたいのに。それは出来ない感じでしょうかね。それでもお見舞い程度は来てくれると思いますが......
「と言うか、あれですね。少し外騒がしくないですか?」
起きていた時から気になっていたが、なぜか外が騒がしい。人が騒いでいる五月蠅さではなく、工事をしている音が非常に多い気がした。
「あ、それはね。街の復元中だからだよ」
「え......全部戻ってなかったんですか?」
「そうだね。ユノライさんの魔法で人と街は戻ったけど、それでも街は約7割戻ったって感じだったの間あ。あとの3割はダメになってる。それと門の修復。大きな穴魔法で開けたでしょ」
「ああ、入ってくるときに開けましたね。魔法で閉め出されていたので」
あの時はアンラウの門が閉まっていてどうしようもなくて、上から入ろうとしたのに上も魔法で塞がってたから仕方なく魔法で破壊したんですよね......
「安心してくれ、壊れたことに関しては誰一人として君を恨んでる人はいない。寧ろ命を助けてもらって全員が感謝をしている」
私が不安そうな顔をしていたのか、先生は軽く笑って言ってくれました。
「けど、街の3割ってかなりの規模ですよね?」
「まぁそうなんだが、今回は他の街からの支援もあって来月には終わる予定だと」
「それだけ規模が大きいんですね......」
「まぁユノライさんが悪いわけじゃない。そこは分かって欲しい」
「はい」
先生は椅子から立ち上がり伸びをして次の患者の方に行こうとした。
「ここで時間を使いすぎても駄目だから次の患者見に行くわ。足は何とも無いから歩けると思うぞ。けどこの病院からは出ないように。いつ寝るか分からないから」
「はーい」
先生がいった後少し立ってみた。そして一歩ずつ前へ進む。感覚は遅れてなど無く。いつも通りの足だ。けれど、走ったりすると足が絡まる感じがする。なので当分はやめておこう。魔法の方の調子も見ておきたいが下手に魔法を使うのもあれなのでそれは退院してからにしよう。
正直話す相手が居ないと暇ですね。一人で右腕のリハビリでもしてましょうかね。1日でも早く退院したいので。
私はベッドに横になりカーテンを開けて外の様子を見た。直りかけているマンションや完全に壊れている家、荒れた地面とそうで無い地面。直りかけている世界の様に見えた。
そしてゆっくりと左目が下がっていった。右目は開いているのに左目は言う事が効かない。そう言えば左目もトレースに直して貰ったんだった。多分まだ完全じゃないのだろう。
今日はもう寝よう......私はゆっくりと右目を閉じた。
見ていただきありがとうございます。
闇の魔女編が終わって今日から入院編ってところでしょうかね......いつになったら家に帰れるのでしょうかね。
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