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魔女の364日  作者: Catch262
188/364

魔女の188日目

目が覚めたシュロシルは?

 どこかに行ってしま多様な記憶が戻そうとしても戻ってこなかった。何かを忘れたのにその何かを思い出せないままで居た。


 「起きたの?」


 横になっている私の前にはアルエファが居た。そういえば、ここはどこなのか。全く分からなかった。あの後どうなったのか。全てを把握していなかった。


 「......アンラウは?アンラウはどうなったの」

 

 正直あれだけ壊れたアンラウがどうなったのか。救えなかったのか。救えたのか。それが知りたかった。


 「アンラウはすべて無事だよ。シュロシルが最後に使った魔法で全ては復元した。勿論闇の魔女を倒してね」

 「よかった......」

 「けど、失った物もあったんだよ......」


 その時アルエファは一段と低い声になった。その瞬間ある人物を思い出した。


 「え......」

 「シュロシルにとってはただの猫かも知れない。けど、わたしに、とっては......大切な家族だよ......」

 「ごめん......私のせいで......」

 「謝ってもエルエネは帰ってこない。だから最後に礼を言いに来ただけ」


 アルエファは全てを失った様な顔をしていた。それは私がオルウルを失いかけた時と同じような顔だった。絶望して、立ち直れなくなりそうなほどの辛い状況。誰が何を言っても何も聞こえない。きっと今のアルエファはそれそのものだろう。


 「ありがとシュロシル。闇の魔女を殺してくれて」

 「けど、エルエネを......」

 「いいんだ。助けれない命もあったんだ。けど、シュロシルは最後まで闇の魔女を倒すことに専念してくれた。それは自分がどうなっても気にしないで戦ってくれた。その証拠に、シュロシルも失ったものがあるでしょ」

 「......」

  

 ばれていたか。既に左目が開かないし右腕に力が入らない。正直今は起き上がる事さえ不可能だ。多少の覚悟はしていたが、正直ここまでとは思っていなかった。


 「けど......本当にごめん」

 「もういいから。それじゃ私は行くわ」

 「......うん」


 アルエファは足音一つ出さないで部屋を出ていった。今更だがここがどこなのか。一切分からなかった。アンラウの一角なのか。それとも別の場所なのか。それすら分からなかった。


 全ては救えなかった。けれど多くの命を救った。けれど、それでは意味がなかった。大切な何かを失った気がした。


 そして再びドアの開く音がした。そして部屋に入ってきたのは()()()()ロングの銀髪の子だった。


 「シュロシル......!」


 その少女は私に抱き着いてきた。私は混乱した。何がどうなっているのか。全く分からなかった。


 「どちら様ですか?」

 「......やっぱりね」


 私は首を傾げた。少女は近くにあった椅子を持ってきて座り込んで話した。


 「一応アルエファには一部の記憶が欠けているって聞いたけど、まさか私の事を忘れているとはね......」

 「ごめんなさい。全く覚えて無いです」

 「意味ないって分かっているけど、私オルウルだよ」

 「え?オルウルなの?」


 オルウルって名前は記憶には確かにある。けれどこんな人物だった覚えがない。と言うかオルウルと言う人物を思い出すことができない。


 「まぁ徐々に治ると思うし、それまで我慢するよ」

 「本当にごめんなさい」

 「うんん。謝らないで。シュロシルは闇の魔女を倒してくれたんだから。それだけで嬉しいよ」


 一切思い出せない自分に腹が立った。全てを救ったはずなのに、全てを亡くした気がした。大切な物を救えなかった気がした。実際救っていなかったのだろう。


 「所でさ、話は変わるんだけど、ここどこなの?」

 「えーっと、アンラウの医療所。酷い怪我で倒れていたから運ばれたらしいよ」

 「そうなんだ。家に早く帰りたいな......」

 「1週間ぐらいはここに居なきゃだってさ」

 「そっか......ありがとね」


 要件を言ったオルウルは立ち上がり「それじゃ失礼するね」といって出ていった。そして私は一人ベッドの上に残された。


 動くこともできないし、話す相手もいないので本当にやる事が無くなった。こういう場合は寝る以外無いのだろう。


 寝て目と腕が治るなら結構だが、そう簡単に治るような状態じゃなさそうだ。完全な使用不可能になっている可能性が高い。そうなれば、二度と普通の生活には戻れないだろう。


 そう考えると一段と悲しくなった。

 見ていただきありがとうございます。 


 最近風邪気味なんですよね。なので小説書くのが物凄く辛かったりしますけど、それでも書きたいと思うのはなぜだろうか。


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