魔女の186日目
『不老不死:死の白夜』とは一体?そして勝負の行方は?
「また新しい人格でも出てきたの?」
「人格?何の話だか」
辺りを見渡すとそこには建物が崩壊した後があった。魔法で殺りあった後だと言う事を理解した。そしてその相手が誰かもはっきりした。この状況で無傷で私に話しかけてくる唯一の人物。闇の魔女ノルニドナ・アテティア彼女だ。
「何の魔法を使ったかぐらい教えてくれない?」
「その必要はないんじゃないか?だってこれから死ぬだろ」
「ちょっと強くなったぐらいで勝ちを決めないでくれる?」
「そうか。ならみせてやろう」
一歩ずつ前進する。アテティアに近づき魔法を使って殺す。いや、魔法なんて使わなくても殺せるな。
「血迷ったの?『無限の槍』」
アテティアの後ろに槍が無数に出てきた。アテティアが「行け」と言った瞬間全てこちらに飛んできた。ここで避けるもの面倒なので全て受けておきましょうか。
「なに......それ」
槍が当たった部分の傷は一瞬で治り何事もなかったかのように元に戻る。当たってはいる。けれど、傷が癒えるスピードが遥かに早い。
「なんの魔法使ってるわけ?今その一瞬で魔法を使ったって言うの?」
「魔法?違うね。これは私自身の能力だ。忘れたのか?『不老不死:死の白夜』って」
「だからなに」
「理解力が無いね。何があっても死なないしこの体には傷一つ付かない。それが私の能力だ」
「聞いたことない。そんな能力付きの魔法なんて知らない」
「知らなくていい。だってこれから死ぬんだからな」
気付け私はアテティアの目の前に居た。アテティアの前に来るときに何度か足に違和感があったが全部魔法陣による拘束系の魔法だろう。
私はアテティアの首を掴み持ち上げる。アテティアの足は地面から浮いた。
「はな、せ......」
「喋ったら余計な体力を消費することになるよ?」
「だから、なに......」
「流石だな闇の魔女。死を目の前にしても最後まで抵抗しようと思うんだな。見事だ」
「そ、りゃー......どうも......」
「だがこれで本当に終わりだ。『骨潰し』」
握っていたアテティアの首は一瞬にして折れ曲がった。それは二度と元には戻れない姿になっていた。息の根はしっかり止まり、もう二度と動くことは無いだろう。
「さて、あとはこの残骸をどうするか......この街一帯を消し炭にすれば済むのか。闇の魔女のせいにもできるからな」
大きさなんて関係ない。村を潰した時と同じように街も潰せばいいんだ。簡単なことだ。
『虚無』
その瞬間アンラウ全てが平地になった。塵一つ残らない。ただの平地になった。
「それじゃ、楽しかったぞ破壊の魔女。また呼んでくれよ」
その瞬間目の前が真っ暗になった。そして気づいた時にはアンラウが原型を留めていなかった。
「......これが私の中の最強の魔法『不老不死:死の白夜』......」
使った瞬間体を乗っ取られて自分勝手に動く。そしてどんな魔法でも連発できる。そしてこの魔法の唯一の弱点は魔法を使うごとに記憶の一部が消えると言う事だ。それはわたしじゃなく、本当の私に負担が行く。
目が覚めた時、どの記憶を失っているかは知らない。私だってシュロシルが目覚めたらここに居た記憶は無くなる。すべて自然の魔女ユノライ・シュロシルに戻る。
さて、多分これ以降私が出てくる出番も無いでしょうから、この街直してシュロシルに体を返そうかな。
「さーて破壊の魔女最後の仕事だ『リスタート』」
アンラウは少しずつ元の姿を戻し始めた。それは地面、建物、植物、人すべてだった。
私はその場に倒れこんだ。そしてゆっくりと目を閉じた。
「ごめんねシュロシル。無茶しすぎたけど、あんたの復讐は達成できたよ。そして街を救ったよ」
意識が遠のく。多分シュロシルが目覚めたら色々と大変なことになっていると思うけど......頑張ってね。
見ていただきありがとうございます。
決着が付きましたね。ちょっと内容が難しくなってますが、要はシュロシルの中に破壊の魔女ゆのらい・しゅろしるが存在していて、その破壊の魔女の最強の魔法は自分を乗っ取る魔法。って感じです。すべてシュロシルの体で行われていますが、人格は3つに分かれてます。なーんて補足をしておきます。
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