魔女の180日目
オルウルがそろそろ......?
「なぜ戻ってきた?」
目の目にはミオルがいた。ってことは私死んだんですかね?
「私死んだの?」
「いや、体力が乏しくなったらここに来るように設定してある。要は体力が無くなって死ぬことは無い」
「ってことは、前の体力無くなった時もミオルが助けてくれたんだ」
「まぁそんなところかな」
と言う事は、流れ的に戻れば体力は回復しているってことになりますね。ありがたい話ですし、いち早く戻りたいですね。
「早く戻りたいんだけど」
「今戻ったら体力は少し回復しているだけで動けるが魔法が使えない程度だけどいいのか?」
「うん。動けるだけありがたいから。ちょっと急ぎの用があるの」
「んじゃ目を閉じてくれ、あーそれと、目の前の事だけが事実だとは思わないほうがいいよ」
「?」
ミオルの言っている意味はよくわかりませんでしたが、ゆっくりと目を閉じます。そして体が少し重く感じた時には既にベッドの上に居ました。どういう原理なんでしょうかね?
そんなことは後回しとしてオルウルの所に向かいましょう。
「エルエネ......」
「シュロシルは入ってこないほうが良いと思うよ」
「......え?」
エルエネがドアの向こうからすごく低く悲しい声で話しかけてきました。それでも私は構わずオルウルの部屋に入りました。
そこには10秒に1度息をしているかどうかのレベルで苦しそうにしているオルウルがいました。
「呼吸の低下、体温の上昇。正直持ってあと僅か......それでも昨日のシュロシルの魔法で何とか繋いでる感じ」
「......駄目だよ。オルウル......せっかく話せるようになったじゃん......ねぇ、ねぇ......話し相手が欲しかったの......今死なれたら本当に人生が辛くなる......お願い。オルウル......」
「......」
オルウルが少しだけこちらを向き少し笑った表情をした。その瞬間、オルウルが一切呼吸しなくなった。その場は誰かの泣いてる声が聞こえた。多分私だろう。オルウルを失う悲しさは異常な物だった。折角話せる相手が出来たと思った。その瞬間命が絶たれた......
『目の前の事だけが現実だと思わないほうがいいよ』
その言葉が頭に浮かんだ。正直そうならどれほどいい事か。ミオルを恨んだ。今その言葉をかけたことに対しての怒りと悲しみが交わりあった。
「シュロシル!」
エルエネが何かを発見したかのように私に思いっきり飛び掛かってきた。エルエネが差す先には微かな光があった。それは本当に小さく、目を細めてもギリギリと言うほどの小さい光だった。
「もしかして......」
「そのもしかしてかも知れないね」
あれがもし今考えているもので合っているのならオルウルは助かる。
『魔法陣よ。その魔法を解除せよ』
すると微かな光はさらに小さくなり消えていった。するとオルウルが呼吸をゆっくりと戻しました。
「オルウル......」
私は涙が止まりませんでした。泣きたくないのに、泣いたらダメなのに......それでも嬉しかった。オルウルが戻ってきてくれた。
「呼吸が戻って熱も38度と引いてる......」
「よか、った......」
その後はゆっくりと看病をしてマレラウ(19時)にはオルウルは熱が37度と言うレベルまで行くことが出来た。
そして私は晩御飯を食べた後オルウルを看病しているエルエネを居間に呼んだ。
「さて、本題に入るよ」
「そうだね。このままでは流石にシュロシルも手を引けないよね」
「当たり前でしょ。私の家族を一瞬殺したんだよ。これは万死に値するよ」
正直今にもキレそうで犯人が居るなら殺したいレベルで腹が立ってます。と言うか、今までで一番怒ってるかもしれません。それだけ今回は怒ってます。
「まず、発動が魔法陣と言う事。この時点で魔女が確定する」
「魔法陣の魔女は全員で5人」
「光の魔女ヤカテシス・ネイトゥナ。風の魔女ヨルムセ・スカアリヤ。空間の魔女ネプトゥマティ・メルクアース」
「それと時間の魔女シペワシ・ヴォルトゥリスに気候の魔女テミリョ・ディルウヒ」
「その中でも設置魔法を使えるかつ病気にさせる魔法を使える人物は光の魔女、空間の魔女もだったかな」
「この時点で2択だけど、多分どちらも違う。理由としては簡単で、そういうのはダメだと理解できる人達。むやみやたらに魔法を街の中で使わない」
「結果、一番怪しいのは1名だけ」
「闇の魔女が死に代わりに闇の魔女となった人物のみ。そして元詠唱だが、魔法陣へと変更が可能。さらに死ぬまでに至る魔法を使えるのは闇の魔女のみ」
「ってことは闇の魔女で確定かな」
闇の魔女って分かった以上簡単だと思っていましたが、今や顔も何も分からない状態で探すのは無理難題ですね。まぁ最初から本気を出すので問題ないですがね。
「エルエネは一旦帰ってアルエファに報告。オルウルの事は私がちゃんと面倒見るから」
「わかった。それじゃこの話が終わったら戻るね」
「もうセラズソ(21時)だけどお願い。出来るだけ早めに。そして会ったらこう言って『闇の魔女を探して』ってね」
「了解。少なくとも1日はかかるから我慢してね」
「分かってるよ。その間に私はアンラウに行ってそこからトレースと話を付けてくる」
誰を怒らせたかはっきりさせてあげようじゃないですか。私が本気を出したら1日で世界が滅びますけどね。今回はしませんけど。犯人の骨一つ残しませんよ。
「それじゃ私はもう行くわ」
「うん。オルウルの看病ありがとね」
「絶対に闇の魔女を懲らしめよ」
「当たり前でしょ。この魔女ユノライ・シュロシルを怒らせたんだもん。容赦しないよ」
「うん。それじゃ」
「気を付けて」
エルエネが帰り、今日は一旦寝ます。オルウルの部屋に行って軽くオルウルを見た後に自分の部屋に行きます。オルウルの呼吸は元に戻り、安静にしていました。
さて、明日から闇の魔女を探しましょうかね。遅くても1週間以内にすべて終わらせてあげますよ。
見ていただきありがとうございます。
ここからはどれだけシュロシルが怒っているかが良くわかりますよ。怜奈ちゃんの時とは比にならないぐらいに......
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