魔女の175日目
突如現れたミオルの取った行動とは?
「何用?」
「久しぶりの再会だと言うのに冷たい奴だな」
目の前にはミオルがいた。前に違う世界を創り上げたと言う人物だ。それも消えたはずなのに。
「死んだんじゃなかったの?」
「ああ、一度はな。それでも再び命を復元した」
「ってことはまた同じような世界を創るわけ?」
あの何も見えない空間で『手』だけが存在する場所。『手』に触る以外の逃げ道は無く、実質出ることはできない。
「まさか。今日は生き返ったと言う報告だけだよ」
「作る事は否定しないのね」
「まぁそうだな。作るけど、前回のような失敗作は作らない」
「失敗作?」
「ああ、あれは失敗作だ」
そしてミオルは長い語りを始めた。ミオルが言うには本当は死後の世界を創る気で居たそうだ。二度目の命として何一つ不自由のない世界を作る気だったのだ。けれど一人で作るには考えている以上に難しい物だった。それで出来上がったのがあの様と言うわけだ。
正直世界を創るだけで異常な人間である。人間なのかどうかも怪しいとこだが、世界を創れるのはミオルの他にトレースだけである。ミオルはトレースに並んで強者なのかもしれない。
「要件はそれだけ?」
「ああ、もう元の世界に戻るといいよ。君を呼んでいるよ」
「ええ、言われなくても戻りますよ」
「次会うときは新しい世界でな」
「寿命が来るまで死ぬ気が無いのであと80年後でしょうかね」
「その時まで待っていようでは無いか」
「それで、戻り方って?」
「目を閉じれば自動的に戻るはずだぞ」
「そう。それじゃまたいついつか」
「ああ、二度目の人生を楽しみにしておれ」
私はゆっくりと目を閉じた。多分この先ミオルは一人で世界を創るのだろう。それでも今回は成功すると思う。そんな気がした。
「あ、やっと起きた?」
再び目を開くとオルウルとその横には風の魔女ヨルムセ・スカアリヤがいた。
「うん。なんか疲れが吹き飛んだみたい」
体が軽く。昨日までの体力の無さが嘘のように感じられました。多分ミオルのおかげなんでしょうかね。
「あ、ヨルムセ・スカアリヤさん。改めてありがとう」
「だからいいって、あとスカアリヤでええよ」
「それじゃスカアリヤさんで。私もシュロシルでいいですよ。ところでオルウル。今朝なの?夜なの?カーテンは閉じてるけど」
「もう夜だよ。ガンライ(20時)今日はスカアリヤさん泊ってもいいでしょ?」
「もちろん。部屋は適当に使って、ちょっとお腹空いたんだけどオルウルなんかある?」
「カレーの残りならあるよ~。持ってこようか?」
「いや、自分で居間に行くからいいよ」
「無理しないでよ?」
オルウルは疲れていたのか私にカレーを作ってくれたら眠いと言って寝に行きました。居間には私とスカアリヤさんだけです。
「それで、なんで台風を止めに来たんですか?」
「シュロシルの家がある事を知って流石にやばいんじゃないかと思ってな?今回の台風はこの世界が出来て最大級だったから」
「最大級だったんだ......」
「そういえば、シュロシルこの家を守ろうとしてたけど、もう長くは持たないかもよ。基盤がダメになってる。改装はした方がいいかな」
「うーん。考えておくかな。魔法を使えば瞬時に出来そうだけどね」
「そんな魔法使えるのってシュロシルだけでしょ」
「まぁそうなんだけどね。まぁ考えておくわ。ありがと」
「うんん。それじゃ部屋借りるね」
「うん。ごゆっくり」
スカアリヤさんも部屋に行きました。さて、風呂入ったら私も寝ましょうかね。
家の基盤自体が駄目なんて知りませんでしたよ。ヴァルガンに頼んだら行けるかもしれませんね。今度相談に行きましょうかね。
風呂から上がったら日記を書いて寝ましょうか。
『ある世界でまたミオルにあった。死後の世界を創るらしい。そして起きたらオルウルとスカアリヤさんがいた』
明日は街に買い物でしょうかね。今日がメイダー(日曜日)だったのでもう既に食材が無いと思うので。
それじゃもう寝ましょうかね。
それではおやすみなさい。また明日。
見ていただきありがとうございます。
ミオルはやっぱりいい人でしたね。これで悪者で終わらなくて済んだ。明日には風の魔女の容姿が明らかになりますよ。
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