魔女の170日目
ある人物が?
ようやく体力も戻り動けるようになった。自分で起き上がりカーテンを開ける。空は雲一つない晴天状態だった。今日は何をしようか考える前に朝食を食べに行きましょうか。昨日何も食べてないのでお腹空いてるんですよね。
「おはよオルウル」
「あ!シュロシルもう動けるようになったんだ!」
「うん。心配かけてごめんね」
「気にしないで」
パンを持ってきて椅子に座り食べ始める。既にオルウルは食べ終わっており暇を持て余していた。今日は家事をした後......どうしましょうかね。その後考えましょうか。
「今日はオルウルは自由にしてていいよ。私が家事するから」
「病み上がりなのに大丈夫?」
「それこそリハビリになるでしょ」
「それもそうだね~」
朝食を食べ終わった私は洗濯をして掃除をします。昨日オルウルがやってくれていたのか、綺麗なままでした。この調子なら一週間はやらなくてもいいんじゃないでしょうかね?まぁそんなことも言ってられないので掃除しますけど。
今日がスニックダー(火曜日)ですが、正直食材が切れつつあるんですよね。メイダー(日曜日)に買い物へ行ってないので。それでも今買いに行くと少し感覚が狂うので次のメイダー(日曜日)まで我慢します。
オルウルが居間のソファーで横になってくつろいでいた。暑いのかうちわで扇いでいた。最近まで寒かったのに急に暑くなりましたからね。
するとオルウルが何かに気付いたかのように急に立ち上がり警戒し始めた。
「どうしたの?」
「2人組がこっちに向かってくる」
「迷子かな?」
「そんな感じじゃない」
「顔は分かる?」
「ローブを身に着けけて全然分からない。男なのか女なのかすらも分からない」
「この家に来たら厄介だな。闇の魔女の件じゃなきゃいいけど......」
「でも完全にこの家目指して向かってきてるよ」
「......あまり魔法使いたくないんだけどな。病み上がりだし」
すると急に家のドアをノックする音が聞こえた。さっきまで距離はあったはずなのに今の一瞬で何があったんですか?普通の人間じゃできない技ですね。魔女でしょうかね。
「どちら様でしょうか?」
「少しドアを開けてくれない?」
その声は幼い少女のような声だった。けれど、どこかで聞いたことのあるような声でもあった。仕方ないので少しだけドアを開ける。
「あの~......」
『束王』
その瞬間私の体は一切動かなくなりました。あの体力切れの状態よりも固く、動けませんでした。その異変に気付いたオルウルが駆け付けてくれた。
その瞬間もう一人のローブを被った人が腰にぶら下がった剣を抜きオルウルの首元ギリギリで止める。
「だれ?」
「その話は家に上がったらにしようか。普通に入れてくれたらこんな事しなかったのに」
「魔女を舐めてるの?」
「魔女でもない人に負ける気分はどう?ユノライ・シュロシル」
「容赦しないよ?」
「出来るものならね」
動こうとしても一切力が入らない。魔法でも使いましょうかね。体力切れが怖かったですが、完全に喧嘩売ってますよね。
『動くな。我が指示するまで止まれ』
するとローブを被った二人は効いていないかの様に平然と歩く。
「×××の魔女もこんなもんだったかな」
「よっぽど自殺願望があるようで」
「おい、トレースその辺にしておけ、シュロシル怒らせたら面倒だから」
「えーティグリス今止めるの~?これからじゃん」
「......はい?」
トレースにティグリス。この世界を作った2人じゃないですか。そういえば、どこかで聞いたことある声だとは思いましたけど、トレースでしたか。
それに気付いた時には既に動けるようになっていました。そしてトレースとティグリスは当たり前化のように居間に座っていました。
「何しに来たの?」
「ちょっと報告をね」
「大事な話だからしっかり聞いておけ、って言うか、とりあえず座れ」
「ここ私の家なんですけど」
オルウルは「なんでこんなお偉いさんとタメで話せるの?!」って顔で私の事を見てきましたけど、実際初めてじゃないのでね。
「それで報告って何」
「もう既に気候の魔女テミリョ・ディルウヒには伝えたけど、単刀直入に言うと闇の魔女は殺害された。しかも魔女によってじゃない。人間が殺したんだ」
「え?でも世間には魔法作成の失敗って......」
「混乱を招かないようにする為にね。一応魔女たちには本当の事を伝えておこうかと思って」
「なるほどね。貴重な情報ありがと」
「まぁこれでもう帰るけど、安心するなよ。もう1人魔女が死ぬぞ」
「まだ犯人が捕まっていないって事ね」
「ああ、しかも魔女を殺すほどの人間だ。どこに居るかも未だ分かっていないのは危なさすぎる。こちらもで対応はするが、安全には気を付けてくれ」
「わかった。ご報告ありがと」
「それじゃ次行こうかティグリス」
トレースとティグリスが立ち上がり玄関に向かう。一応私もお見送りする。
「それじゃ、夏にまた会えることを楽しみにしているよ」
「気が向いたらね」
「シュロシルっぽい返しだね。じゃあ『王睡』」
「え?」
その瞬間私は意識を保てないほどの眠気に襲われてその場で目を閉じてしまいました。変な技使ったな......
見ていただきありがとうございます。
残り日数も半分近くなってきました!と言うわけでトレースとティグリス初登場ですね。やっぱりこの2人は気品を保ちますね。書いてて楽しいです。そんな2人が活躍する『冒険者で異世界を!』と続編『冒険者で異世界を!season2』を是非読んでみてください(宣伝)
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