魔女の161日目
士郎の家に行きますよ。
今日はアラームの音じゃなく着信電話の音で目が覚めた。布団の横にはオルウルがまた心配そうな顔をして寝ていた。
「もしもし」
「あ、ユノライさん?どうしたの?」
その声はバイトの人だった......あ。
「えーっと、今日ってメイダー(日曜日)だったりします?」
「だったりしますね。何か訳アリですね。休む時は一応一言ください。何かしらの対応はするので」
「申し訳ありません。ありがとうございます」
「礼は私じゃなくて紗枝さんに言って。代わりに出てくれたから」
「わかりました」
まぁ仕方ないっちゃ仕方ないですよね。起きれないんですもん。って言いますけど、コザルダー(金曜日)は思いっきりここに居ましたね。
布団から出ようとするとオルウルがそれに気付いて起きてしまいました。
「......」
「......」
オルウルが何も言わずにこちらを見つめてくるんですが......
「やっとおきた」
「ごめんね。夢の中の人が意地悪だったの」
「叫んでも起きないから本当に心配した」
「ごめんね」
「でも、起きたからいいよ。マーシャレイ呼んでくる」
オルウルが勝手に部屋を出てどこかに行ってしまいました。この広い屋敷を案内人無しで分かるんでしょうかね?
少し待っていると足音が段々と近づいてきました。
「ようやく目を覚めたか」
「お騒がせしました。もう大丈夫です」
「本当に起きないんだな。この目で見て本当に驚いた。一刻も早くトレースに伝言を伝えるとしよう」
「助かる。それで士郎の方は?場所特定した?」
「ああ、あとで地図を渡す」
「所で今何時?」
これでマレラウ(19時)とかだと話にならない。起きる時間もバラバラなので余計心配だ。
「今はアクロウ(13時)を過ぎたぐらいだよ」
「なら今から行っても間に合うね・マーシャレイ地図かして」
「今持ってくる」
マーシャレイは部屋を出て地図を取りに行きました。その間に私は外に出る準備をします。地図を貰ったら速攻行きましょうかね。暗くなる前に行動したいですし。
マーシャレイが部屋に戻ってきて地図とパンを持ってきてくれました。何も食べて無いんだから食べておけだそうです。ありがたく頂きましょうか。
パンを食べながら地図を見ると結構下の方ですね。行くのにどれぐらいかかるんでしょうか。最悪士郎の家で泊る可能性も考えるべきですね。
マーシャレイの家を出て地図を見ながら進みます。少し小走りで......嫌な予感がするので......
「急ぐなら箒に乗れば?」
「それが出来たら苦労しないのさ。街の中は浮遊禁止なの」
「そーなんだ」
小走りで行きながらソウ(15時)には地図の場所に着きました。一軒家の様で合い鍵はしっかりと貰っているので早速入りましょうか。
家に入ると誰も住んでいないかの様な静けさで部屋の中は奇麗に片付いていました。
「オルウルは2階を見てきて、私は1階を見るから」
「わかったよ」
手分けして1階を探していると2階から「いたよー」って声が聞こえてきました。
急いで2階に上がり確認しました。そこには1人の男性が寝室らしき場所で寝ていました。
「......」
寝ている、は語弊でしょう。きっと......
「ねぇオルウル。私が寝ている時って呼吸してた?」
「......してたよ」
「......士郎さん。ごめんね。あなたが居なきゃ今私はここに居ない。そんな人を助けれなかった。本当にごめん」
何も出来ずにミオルの思うままになったかの様な結末になってしまった。私はそれ以降ここに居れずマーシャレイの家に帰ることにした。
丁度士郎の家を出た時、雨が降ってきました。これは私への天罰なのか。天罰なら受け入れよう。
傘を差さないで歩いていると後ろからオルウルがそっと傘を差してくれました。
「風邪引く。これ以上寝込まれてもこっちが困るだけだよ」
「......ありがと」
「元気出してよ」
帰っている時に考えたのですが、多分あの夢の世界は消えていますね。ミオルが消えた時点で多分消えているのでしょう。トレースに伝えても意味は無いのかもしれませんね。
ゆっくりと歩きマーシャレイの家に着いたのはセラゾン(21時)だった。私はオルウルにあとを任せて部屋に戻りました。
正直今は何もしたくないです。
オルウルが部屋に戻ってきてマーシャレイからの伝言を伝えてくれました。
「今日はゆっくり休むと言い。明日色々と聞かせてもらう。だってさ」
「分かった。私はもう寝る。オルウルは晩御飯でも食べておいで」
「私もシュロシルが思ってるより強くないんだよ......?」
「......そっか、ごめん。寝よっか」
「おやすみ」
「おやすみオルウル」
見ていただきありがとうございます。
バイトの事思いっきり忘れてました......気づいたら日曜日だったので流石にやばかったです......
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