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魔女の364日  作者: Catch262
154/364

魔女の154日目

 一度目を閉じてもう一度開くとそこは現実世界だと思っていた。


 と言うか、夢とはそういう物だと思っていた。けれどそれは完全に私を裏切った。


 目の前には『手』があるだけ。それは無意味である割には必要な物だと昨日知った。


 「ねぇ。動かないでね」


 私が『手』に触れようとすると、その動いた分だけ『手』も一歩下がる。


 「......いい加減にしろよ」


 少し腹が立った。目を閉じて開けたら夢が覚めるもの。夢だと分かった瞬間現実に戻れる物だと思った。けれどそうで無かったことに腹が立った。何よりも『手』に腹が立った。


 『動きを止めよ。我が指示するまで動くな』


 相手の動きを止める魔法。これで止まるとは思ってもいない。『手』に一歩近づくと一歩下がられた。一切魔法は効いていない。


 「見つけた」


 その声が聞こえた瞬間後ろから何かが飛んできた。多分刃物系だろう。私はそれを咄嗟に避けた。


 「危ないんだけど」

 「ん~?あ、居たの。ごめんね。俺その『手』狙いだから」

 「この『手』について知ってるの?」

 「あー?説明受けてねえのか」

 「説明?」

 「どうせ『手』を発見したところで触れねえし、教えてやるよ」

 「それはどうも」

 「この世界は夢の世界だ。そしてあの『手』に触れればこの夢から覚めることが出来る。それ以外にも覚める方法はある。外部からの大きな音。外部って言うのは寝ている自分な。要は現実世界だよ」

 「他には?」

 「もう無いよ。それ以外に起きることは不可能ってわけだ。1人暮らししている俺はあの『手』を触らない限り起きられない」

 

 私が起きるとすれば、アラームの音以外に可能性が無い。もしかしたらアラームが聞こえた時にオルウルが止めた可能性がある。それで起きなかったのか。


 「私はまだ起きる可能性がある。起きた時にあなたを起こしに行く」

 「意味がねえよ。起きたらこの時の記憶は消える」

 「大丈夫。私は覚えていたから」

 「会話の内容もか?」

 「......」

 「まぁそうだよな。これも一応夢なんだ。無理はねえ」

 「一応教えて」

 「ラーリトルのシヴル(南)にある一軒家だ。もうこの世界に来てから1週間は経過してるだろう」

 「それってさ......」

 「ああ、現実の俺が死ねばこの世界からも消えるだろうな」

 「あの『手』に触れないと......」

 「それができりゃ苦労はしねえ」


 辺りを見渡して他に起きる方法を探すが、辺り一面暗闇だ。今喋っている彼の顔すら見えていない状況だ。 


 「あ......」

 「なんだ?」

 「起きれるかもしれない」

 「なんだ。良かったな」

 「いいのか悪いのかわからないけどね。一応名前聞いてもいい?」

 「どうせ忘れるよ」

 「いいから」

 「士郎(しろう)羽衣 士郎(うい しろう)だ」

 「わかった。次は現実で会おうね」

 

 私は再び目を閉じる。私を呼んでる声がした。それは知らない声だったが、この夢から覚めるのには丁度いい大きさだった。

 見ていただきありがとうございます。 


 ネタ切れじゃないです。ちょっとこの世界を楽しむのもありだと思ってきました......別な世界観面白くないですか?


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