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第0話 紅蓮地獄

※グロ注意!

 世界が、燃えた。

 それは比喩でも何でもなく、言葉通り燃え尽きた。

 少なくとも、“彼女”の知る世界の全ては焼き尽くされてしまった。

 ある日突然、“彼女”の身体が燃えたのだ。

 原因は、わからない。

 わからないが、“彼女”はどこかでこうなる事を予見していた。

 恐れていた。

 忌避していた。

 そして、享け入れてもいた。

 いつかこんな日が来るのだと。

 こんな地獄に叩き落されるのは必然だったと。

 地獄。

 正に、地獄だった。

 身体の内側から全身が燃え広がり、焼け爛れ、四肢がもげてゆく。

 だがその度に肉体が再生し、更に火炎を増大させる。

 “彼女”は燃え続けた。

 “彼女”の残した無数の焼死体は消し炭に成って尚燻り続け、その炎は大地に飛び火した。

 “彼女”の炎は無尽蔵に増大し続け、最期には業火と化して大地を焼き尽くした。

 大地、冥王星。

 冥王が支配する、許されざる者を閉じ込める為の檻。

 元々地獄と言われていた場所であったが、最早生物の棲める環境で無くなった正真正銘の地獄。

 その灼熱の地獄で尚、“彼女”は生き続けた。

 発狂し精神が崩壊しているにも拘わらず、細胞分裂を繰り返し現世に辛うじて留まっている状態を生存と捉えるのであれば。

 だが、むしろこれは、死に続けていると言う方が相応しい。

 永劫に、燃え続けた。

 世界を焼き尽くす業火となって。

 そして無限にも思えた“彼女”の再生が潰えた時、ついに世界は凍り付いた。

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