テスト投稿+恵方巻き
小説家になろうサイトに初めて投稿してみました。
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…… ―― ・・・ ・・・ |テスト投稿{テストトウコウ}
手巣戸等甲
テスト投稿
今日は恵方巻きを食べようと思う。
恵方巻きで重要なのは中身の具材であると、えらい人が言っていたような気もしなくもない。
えび、きゅうり、たまご、まぐろ、このあたりが一般的な具材だろう。
だが、私の食べたい恵方巻きは違う。
ドラゴンの尻尾入り恵方巻き。
「何言ってんだこいつ?」とか「異世界小説見すぎですねご愁傷様です」とか色々言われそうだが、果たして本当にドラゴンがこの世にいないと言えるだろうか?
否! 神話や昔話に登場したドラゴンが絶滅、あるいは空想だと決定付ける証拠はどこにもないのだ。
ならばドラゴンの尻尾入り恵方巻きが存在する可能性もあると言うことだ!
ということで近所のスーパーに行ってみた。
「さーせん。ドラゴンの尻尾入り恵方巻きありますか?」
「ドラゴンってドラ○エとかで出てくるあのドラゴン? うちじゃ取り扱い無いなー。それよりもいい病院g」
私は次に向かった。
「さーせん。ドラゴンの尻尾入り恵方巻きありますか?」
店主であろうひげの濃いおじさまは表情ひとつ変えず無言でこちらを見ている。
「……あるよ」
私は解雇直前の狩り猫が解雇取り消しになったときのように飛び上がって喜んだ。
「まじで! まじであるの!? ヒャッフー!」
「……ナイアルヨ」
語尾だった。私が「あるよ」と思っていたのはおじさんのキャラクター性を保つための語尾だった。
盗んだバイクで走り出したくなる気持ちが少し分かったが犯罪はよくないよねと少し正気を取り戻した私であった。
気を取り直し次へ向かった。
「さーせん。ドラゴンの尻尾入り恵方巻きありますか?」
「汝、我ヲ求メシ愚者カ?」
「ごめんなさい。そういう設定とかキャラクター性とかもういいんで普通にしゃべってくれませんか」
「……しょうがないにゃぁ。どうしたにゃ?尻尾をお求めかにゃ?」
「にゃは普通に入るのか。まぁいいけどドラゴンの尻尾が入った恵方巻きが食べたいんです」
「ドラゴンかにゃぁ……。もう少し前なら食べられたかもしれないにゃ」
お手伝いであろう女の子の猫耳と尻尾がいかにも悩んでますーっと主張するように動いている。
「ほんとに?ドラゴンって実在するの?」
「2億年前ならドラゴンっぽいのいっぱいいたにゃ。タイムマシンでも見つけてジュラ紀から人間やり直すにゃ。にゃっにゃっにゃ!……ぷぎゅ!」
私は猫耳をもぎ取り猫口に押し込んだ。少し悲しい気持ちになりながら次へ向かった。
「さーせん。ドラゴンの尻尾入り恵方巻きありま……」
瞬間、殺気を感じ私は一歩左に避けた。すると私がさっき立っていた場所が谷になっていた。斬られたのか大地が割れたのか分からないが殺意のある攻撃を受けたのは確かだ。
「グルルルゥ……」
空を見上げると山と見間違うほどの、大きな竜、ドラゴンがいた。
全身が沸騰するように興奮した。こいつが、ドラゴンだ!
「会いたかった……おまえを食ってやる! ドラゴン!」
火炎と斬撃の交差。千切れ跡形も無く消える肘当て。力の限り振るう剣先はドラゴンの肩をかすめ、瞬時に方向を変え尻尾へと振り下ろす。
「とどけぇえええ!!」
今日は恵方巻き。あなたはどんな具材を巻き、どのようなことを願うのでしょうか。