第三羽 「龍の落とし子」という地で生まれた半龍 前章
一昨日三話を投稿すると言いましたが、あれは嘘だ
――あの人はどうしたのだろう――
突然椛(白髪の娘)の声がして目が覚めた。
すると人が居た、しかもその人に覆いかぶさるような形で私が抱きついているみたい・・・。
最初は何でだろう?程度で済んだが、よくよく考えたら色々と不味い・・・というか兎に角恥ずかしかった。
昨日はイライラしてて人里近くの店でヤケ酒をしてからの記憶が、一部あやふやな所があった。
もしかしてその時この人を家まで連れて来てしまったのでは・・・そう考えもした。だがそれは彼の服装を見て考えを改めた。
人里の人間は主に着物などの古典的な衣装に対して、彼はワイシャツという外の世界のものを身に着けていた。つまりこの人は"外来人"ということになる、確かに進入方法は気になるが・・・私や部屋が何もされていないのを見る限り、悪意や窃盗などで入ったわけではないのだと思った。
私は椛の誤解を解くために説明しようとした・・・だがそれよりも早く彼の上に乗っている私を除け、彼の胸ぐらを掴んで殴り、倒れて起き上がろうとする彼に椛がマウントを取りそれを阻止し尽かさず殴りかかった。それなのになぜか抵抗もせず殴られ続け、縄で縛られ一法的に問い詰められていたが、彼は喋ることも・・・動こうともしなかった。
そしてしばらくして椛が呼んだであろう白狼天狗の増援が来て彼を連れていった・・・。私は椛を説得するどころか止めることさえ出来なかった。
・・・私は何をやっているのだろう・・・
――彼は大丈夫なのだろうか――
それから天狗から天狗へと聞き回り、彼が地下の薄気味悪い小さな牢屋に入れられたと聞いた。ついでに「あそこには近寄るな」などと言われたが私はそんなのお構いなしに飛んで向かった。
それから地下牢に着き入ろうと扉を開ける・・・と、額に液体のようなものが飛んで来た。
私は頬に付いた液体を手で拭う。
・・・赤かった・・・
その拭った一部が赤くなっていた。
それからとあることを連想し消えている松明に火を灯して暗い地下牢に入る。辺りは赤く、赤い水溜りと嫌な臭いがしている・・・が、奥へ行けば行くほど状況は酷かった。片腕の無い天狗・見るも無惨な者・体の一部などが散乱し、絶叫する声が聞こえる。
私は恐怖を抱きながらもある意志を持ち、一歩ずつ地を踏みしめていく。
文「待っててください・・・。今私が、助けます!」
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
・・・・・・
あれからどのくらい経ったのだろうか・・・。
俺はただ立っている・・・
あの増援の奴等がバラバラになり赤い何かをブチ撒けながら倒れている、その場所に。
虎菟「・・・」
だが白髪の娘がこの倒れた奴等の中にいない、確かにあの集団に混じって居たのはわかっていたがそれからどうなったのか・・・それが分からない。
もしかて逃げたのだろうか?
なら、見つけ次第関節1つ1つを折ってやろう。
そう思いながら倒れた奴等のとこへ行き――
虎菟「やぁ、また会ったね。」
増援の下っ端 1「あ・・・あぁ・・・」
――あの時居たうちの1人の頭を掴み上げた、けどそいつは瀕死で話せないようだった。
虎菟「・・・・・・」
《グシャッ
俺は何の躊躇いもなく掴んでた奴の頭を握り潰すと、肉片や返り血が花火の様に飛んで弾ける。
体に付いたその肉片を取り歩きだそうと思った時、どうやら俺のお尋ね者が来たみたいだ。
虎菟「やぁやぁ、そちらから改めて会いに来てくれるとは・・・」
文「あ・・・えっ・・・?」
椛「っ!文さん下がって!!」
私は混乱していた、この状況の整理ができなかった。
返り血で染まった体にトカゲの様な手と尾に牙や鱗が生えている"彼"であったものと、少し前まで自分の部下であった者達の無残な亡骸を見て吐き気がした。
虎菟「あらま、お前さんの上司戦えそうには見えないけど?」
椛「・・・私1人で十分だっ!」
椛が彼の顔めがけて拳を振る。
《ガシッ
が、拳は顔ではなく手のひらで受け止められてしまった。
彼は不敵な笑みを浮かべ、椛を近くの壁に叩きつける。
《バゴオォォォンッ!!
椛「う゛あ゛っ・・・がっ・・・」
文「椛!!」
書いているのはいいんだけど・・・自分でも訳がわからないよ