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私は歩く。彼に会いに行く為に。
後ろの方から、子供達のはしゃぐ声が聞こえてきた。段々と、その声が近付いてくる。まだ小学生にも満たないような男の子達が五人、サッカーボールを蹴り合いながら、歩いている私の横を颯爽と走り抜けていった。私は歩いたまま、遠ざかる彼らの背中を見つめた。子供達の後ろ姿と楽しそうな声は、あっと言う間に小さくなって、すぐに見えなくなった。私は小さく息を吐き、二度三度僅かに首を横に振った。見上げれば、相変わらず青い空が広がっている。さあ、歩を進めよう。もうすぐ、彼に会える筈だから。