#7.奇跡
「さて・・。次はお前だ。すぐにでもこの霊を殺したいが、邪魔されると厄介なんでな。いくぞ!」霊は、恨みや怒りなどの強い思いがあればその対象に声を聞かせたり、姿を見せることができる。
同じように霊が見えるほどの力と思いがあれば、霊に攻撃することも可能・・・なのだとしたら。
運動能力人並みちょっと以下の羽遊じゃどうしようもねえええゎーーぃ!!
「どうした、かかってこないのか?ならば死ねや。」
「・・・・えーいこうなったら!・・やけくそじゃーーー!!」
バゴドシャ!!
羽遊はスーパーの前で風に吹かれているビニール袋の様に飛ばされた!!
「ハラホロヒレハレ・・。」
おまけに古すぎる倒れ文句を吐きながらだ!
「ふっ。雑魚霊め。」
マジキモエキサイティングだって・・。強すぎやんこの人。
はあ、結局体も取り戻せずに死ぬのか俺は・・。
体を・・取り戻す?
そうだ。体を取り戻すために、ここにいるんじゃないか俺は。
羽遊はいきなり立ち上がった。
「お・・、なんだ、まだやるのか?」
「俺は・・俺はお前を倒して、体を取り戻しにいくんだ!!」
羽遊が地面を蹴った。
そして利婚鈩に向かって・・・・突進していく!!
「あああああああ!!」
その時、奇跡が起こった。
羽遊は今、霊体だ。地面に転がってる小石なんてすり抜けるため、彼の体質はその姿を見せなかった。が、しかし・・・。
自分で自分の足を引っ掛け、ついにそれは発動した!!
ガクッ!!
「あ、・・・しまったああ!!」羽遊の体が前のめりに落ちる。いや飛ぶ。拳を前につき出したままで。
「な・・ぐああああ!!」
奇跡はこのこと。羽遊の拳は、思わぬアクシデントにより裏利婚鈩にクリーンヒット・・・!!
裏利婚鈩はそのまま、気を失ったのである。
「なんか・・うれしくない勝ち方・・なんだけ・・ど。」
転んだ羽遊も気を失って・・・話が中断?