#5.右拳
霊には霊の戦い方ってもんがある訳で。
私の名前は利婚鈩 廡類
(りこんろむるい)ごく普通の生活、幸せな家族に恵まれたサラリーマンだ。会社では、課長のランクとおなじ、中まとめという位についている。
・・なぜそんなに疲れているか、だって?
それはほら・・会社の仕事がきつくってねぇ・・・
・・なんてのは嘘だ。
私の疲れの原因は、私の中の一つの願望にある。
それを常に押さえるがゆえ、体力を失っているのだ。
それは・・殺人願望。特に少女がいい・・というか、ロリコンだ。9年前に事故で娘を失ってから、15日ほど暴走してしまったがまあとりあえず普通に生きている。
「人気のない路地裏に入ったわ!今よ!」
「いや、だから何するの?」
「とにかく早く!あなたはあいつが逃げないよう、出口を固めといて!!」
「幽霊なんだから意味なくね?」
「大丈夫だから早く!」
絵眠に促されるまま、路地裏の出口へと向かう羽遊。
本当に大丈夫なのかーー?
コツン・・・。
路地裏に謎の音が響くのを利婚鈩廡類は感じていた。
コツン・・・。コツン・・・。
後ろには誰も居ないはずだ。なのにその音はどんどん近付いてくる。一つ・・また一つ。
コツン・あ・・・あ・・たが・・あなたが・・・ころした・・・。
「誰だ!!」
今のは・・声!?
振り返るが誰も居ない。
「空耳・・か・・?」
あなたが私を殺した・・・・。
「!!」
もはやはっきりと聞こえた。
いる。
私の他に・・誰かがここに!
「おまえは誰だ!!どこにいるのだ!!出てこい!」
暗がりに呼び掛けるが何も起こらない。
「くそっ!」
早くこんな所出よう・・利婚鈩廡類が前を向いた、その時!!
「よくも私を・・殺したなあぁあぁあぁ!!」
「うわああああああ!!」
片目グロテスクな少女が逆さづりで、私を見つめてくる・・・・・・・・・・!!!!
悲鳴を上げ、利婚鈩は路地裏を駆け抜ける!!
「うらめしや・・・!」
「わああああ!」
絵眠が脅かしてまた逆の方向へ。・・そしてその先には、羽遊!!
「今よ!そいつをぶん殴って!」
「はああ?」
とか言ってる間に利婚鈩は・・・すぐそばまで!
「うわっ気持ち悪!」
ドカ!
羽遊の右ストレートが炸裂した。
「あ、ついやっちまった・・。」
一度に2話も……ストックがどんどんへっていく……