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夫婦愛かボーイズラブか?この愛は本物?偽物?

作者: NAOKI
掲載日:2026/11/01

 夫婦愛かボーイズラブか?という問いかけ。この物語が、夫婦愛とボーイズラブについて、考えるきっかけになれば嬉しいです。さぁ、幕開けです!

 私は、大人の女性。名前は、明日香。あすかと読む。私には、夫がいる。名前は、聖。ひじりと読む。男性にしては、珍しい名前だが、私は、夫の聖という名前を、キラキラ輝くお星様のようで、すごく気に入っている。


 今日も、聖との幸せな結婚生活を、最近購入した、東京にあるタワーマンションの部屋で送っている。部屋は四十階にあり、窓の外に広がる景色は最高に綺麗で、住み始めた頃は、長い時間飽きずに、聖と一緒に眺めていた。朝や昼に見る景色も綺麗なのだが、夜景は驚く程綺麗で、東京の都会の煌びやかな景色が、まるで色とりどりに光るダイヤモンドのように、私と聖を魅了してくれた。


 タワーマンションの四十階の部屋は、当然、かなりの高額物件だが、聖は一流大学を卒業し、将来を嘱望される商社マン。しかもイケメンで、背が高くて細身で、容姿が私の好みに、どストライク。私は、幸せいっぱいだった。


 ただ一つの懸念材料を除いては・・・。


 実は、私は、聖と愛し合った事がない。聖の前で、裸になった事がない。それどころか、聖とキスした事もない。普通なら、男性の方から求めて来るものだと思うが、聖は、ずっと、私を求めて来なかった。私は、これでも、顔はそれなりに綺麗で、おっぱいもお尻も大きく、ボン・キュッ・ボンのスタイル。聖と付き合う前までは、何人もの男が、私の身体を求めて来た。正直に言うと、聖と付き合い出してからも、何人もの男が、私の身体を求めて来たが、聖と付き合い出してからは、全て断ってきた。という事は、私は、かなり長い間、男性と愛し合ってないという事だ。さすがに、欲求不満になる事もあるが、グッと我慢してきた。聖に、はしたない女性だと思われたくなかったからだ。私から、遠回しに迫った事もあったが、聖は全く気付いてくれなかった。


 それでも、私は聖と結婚した。それは何故なのか。聖の事が好きで好きで、どうしても結婚したかったからだ。プロポーズは、私からした。高級レストランで、私の誕生日を祝ってもらっている時。普通なら、こういうシチュエーションなら、男性の方からプロポーズしてくるものだろうが、敢えて、私からプロポーズした。私の誕生日祝いという事で、少しでも断られる可能性を低くしたかったからだ。結果は、見事に成功。この瞬間、私は、それまで生きてきた中で、一番幸せだった。




 そして、今に至る。今日は、日曜日で、私も聖も部屋にいる。のんびり寛いでいる時、ふと、聖が私に、微妙な笑顔を浮かべながら言ってきた。


「ちょっと外に出て来るよ。そんなに時間かからないと思うよ」

「あ、そう。気を付けてね」


 何気ない会話が終わり、聖がドアを開け、部屋の外に出て行った。


 ―さっきの聖、何故だか分からないけど、浮かれてる感じがしたなぁ。気になるなぁ。う~ん、どうしよう。え~い!思い切って、聖に気付かれないように、尾行しちゃえ~!どうせ暇だし、いいだろ~!―


 思い切って、聖を尾行する事にして、ササッと着替え、ノーメイクでマスクを着け、戸締りをして、部屋の外に出ると、当然、既に聖はエレベーターで下りていた為、姿が無い。


 ―今からエレベーターで下りて、マンションの外に出ても、聖を発見できるかどうか、分からないな~。たぶん、発見できないんだろうな~。まぁ、いいか。どうせ、思い付きだし、発見できなかったら、それでいいか~―


 少し急いで歩いてマンションの外に出ると、やはり聖の姿は見当たらない。


 ―あ~、やっぱり、聖、もう行っちゃったみたいだな~。少し歩き回って探して、見つからなかったら、部屋に帰るか~。丁度、観たいドラマの再放送があるしな~―


 辺りを歩き回るが、聖を発見する事ができない。探し始めてから、約一時間が経った。


 ―聖、何処にもいないな~。そろそろ観たいドラマの再放送が始まるし、部屋に帰るか~。まぁ、ちょっと買い物にでも行ってるんだろうな~―


 私が部屋に帰ろうとして、少し歩き、何気なく、右側の路地を見た、その時、驚愕の光景が目に入り、心臓に衝撃が走った!なんと、聖が、男と抱き締め合いながら、キスをしている!


 ―え・・・?あれ、聖だよね?お、男とキスしてる?見間違いかな?もっとしっかり見て見よう。う~ん、や、やっぱり、聖で間違いないな~。そ、そんな、聖って、女じゃなくて、男を愛する人なの?これは夢だ!夢なら早く覚めてくれ~!―


 私が頬っぺたをつねってみる。


 ―い、痛い。悲しいけど、これは、現実だ・・・。聖って、男が好きなのか・・・。あ、悪夢だ・・・。とりあえず、部屋に帰ろう―


 私が身体を90度回転させ、トボトボと歩き始めた。私の目から、大粒の涙が零れていたが、涙を拭う気にもなれなかった。その間も、聖は、男とキスを続けていた。


 部屋に到着すると、堰を切ったように、目から一気に大量の涙が流れ、大きな声を上げて泣いた。これが号泣、絶叫というのか。長い時間、絶叫しながら、号泣し続けた。


 私の精神が落ち着いた時には、もう外は薄暗くなっていた。時計を見ると、もう夕方の時間。


 ―あ!もうこんな時間か~。いっぱい泣いちゃって、もう涙が残ってない感じだな。今まで、なんで聖が、私の身体を求めて来なかったのか、なんで私とキスしようとしなかったのか、はっきり分かっちゃったな・・・。す~っごく悲しいけど、これが現実。現実を受け入れて、どうすればいいのか考えなきゃな~。いっぱい泣いちゃったし、ちょっと早いけど、気分転換に、お風呂に入ろ~っと―


 浴室に行き、浴槽に湯を溜め、洗面所で下着と服を脱いで裸になった時、つい、ネガティブな事を考えてしまった。


 ―私って、そんなに魅力が無いのかな?男よりも魅力が無いのかな?私って、そんなに見た目がダメダメなのかな?―


 鏡に身体を向け、自分自身の裸をじ~っと見つめてみる。


 ―私、自分で言うのも何だけど、可愛いし綺麗だよな~。おっぱいだって大きいし、お尻も大きいし、腰もくびれてるし、スレンダーだし、ボン・キュッ・ボンのセクシー美女

だよな~。なんで聖は、こんなにもいい女が目の前にいるのに、男にいっちゃうんだ~!聖がおかしいんだ~!も~、どうしたらいいのか分かんないよ~!―


 考えるのを止め、浴室に入り、身体を洗い、浴槽の湯に浸かっていると、また目から涙が零れて来た。そのまま涙を流し続けていると、泣き疲れたのか、いつの間にか眠ってしまった。


「明日香!目を覚まして!大丈夫?生きてる?」


 大きな声を聞き、目を覚ますと、目の前に、心配そうな表情をしている聖がいた。


「ひ、聖。私、寝ちゃってたんだ。起こしてくれてありがとう。お帰りなさい」


「明日香!お風呂に入ったまま寝ちゃうなんて、びっくりしたよ!浴室に入るかどうか迷ったけど、入って良かったよ。あ~、良かった~!」


「ご、ごめんなさい。すぐにお風呂から上がるね。聖はどうする?このままいる?それとも、浴室から出る?」


「あ!そうだ!出なきゃいけないね。すぐに出るよ」


 聖が慌てて浴室から出た。その後、私がゆっくりと浴槽から出て、浴室から出て、バスタオルで身体を拭き、パンツを穿こうとした時、手が止まった。


 ―裸のまま、聖の前に行っちゃおうかな~。私のセクシーダイナマイトバディを見たら、一気に私の事を意識して、愛してくれるかもしれないぞ~。う~ん。やっぱ、いきなり裸は、止めておこう。バスタオルを羽織って、聖の前に行くぞ~!―


 バスタオルを身体に巻き付け、スタスタと歩き、聖の目の前に立った。


「聖、どう?私の姿。ドキドキする?」


「あ、明日香!そんな恰好して、一体、どうしたんだ?」


「どうしたもこうしたも。聖、私のこの姿を見て、何とも思わないの?」


「え・・・。そ、そうだね。ちょっとびっくりした位だよ」


「な、何それ?聖、私の事、好きなの?」


「え!ま、まぁ、好きだけど」


「それって、ちゃんと女として見て、好きって事?それとも、単に人間性が好きって事?どっちなの?」


「明日香!一体、どうしたんだ?さっきから、変だよ」


「そりゃ、変になるわよ!あんなのを見せられたんだから」


「え!あんなのって、何を見たの?」


「う・・・。も~!こうなったら、言っちゃうよ!私、見ちゃったのよ!聖が、男と抱き締め合いながらキスしてたのを!聖、女じゃなくて、男を愛する人なの?ちゃんと答えてよ!」


「あ~、そっか~。あれを見られちゃったんだね。こうなったら、正直に言うしかないね。実は、そうなんだよ。僕、女性じゃなくて、男性を愛してしまってるんだよ。今まで黙っていて、本当にごめん!いつか言わなきゃいけない~って思ってたんだけど、明日香を傷付けたくなくて、どうしても言い出せなかったんだよ」


「はぁ?そんなの、結婚する前に言って欲しかったよ!私はこんなに、聖の事が好きなのに、聖は、私の事なんて、何とも思ってなかったんでしょ!言ってくれてたら、聖と結婚なんてしなかったよ!私、どうしたらいいのよ~!」


 私の目から涙が零れ落ちる。そんな私を見て、聖が困惑した表情になった。


「本当にごめん!明日香の幸せそうな顔を見てたら、どうしても言い出せなかったんだよ。これからどうしたらいいかな?明日香が望むようにしていいよ。僕と離婚したいなら、離婚していいよ」


「はぁ?そんなに簡単に離婚できるの?ふざけないで!ちょっと考えさせてよ!」


「わ、分かった。ちょっとじゃなくて、ゆっくり考えていいよ。とりあえず、僕もお風呂に入って来るよ」


 聖がそう言うと、浴室に向かって歩いて行った。


 ―くっそ~!もしかしたら、私のバスタオル一枚だけの姿を見て、私の事を女として意識して、私と愛し合ってくれるかもしれないって思ったのに、全然ダメだ~!私は、聖と愛し合いたいのに~!聖とキスしたいのに~!うわ~!どうしたらいいんだ~!離婚する方がいいのか~?離婚しなかったら、地獄を味わう事になるかもしれないぞ~!うぉ~!考えろ~!私は、一体、どうしたいんだ~!―


 暫くの間、必死に考えると、ふと、とんでもない事を思い付いた。


 ―・・・こうなったら、思い切った感じだけど、聖に言ってみよう。聖、どんな反応をするのかな~。こんなんでいいのかな~。え~い!もう決めた事だ!迷ってる場合じゃないぞ~!―


 私の考えが固まったところで、聖が浴室から出て来て、私の目の前にやって来た。


「明日香、考えはまとまったかな?明日香は、どうしたい?」


「うん。決めた。聖が愛してる男を、ここに連れて来て!それで、一緒に暮らそう!暫くの期間、一緒に暮らして、どうしたいか、結論を出そう!」


「え!一緒に住むって、平気なの?明日香にとって、全然知らない男だし、僕が愛してる男だよ!本当にいいの?」


「うん!いいよ!もう決めたの!私、そいつと戦うよ!聖がそいつを愛さなくなったら、私達、本当の夫婦になれるよ!」


「わ、分かった。早速、電話して言ってみるよ。ちなみに、その男の名前は、優秀の優に磨くって書いて、ゆうまと読むんだよ」


「あっそう。分かった。じゃあ、さっさと電話してよ!」


 聖がスマホを手に取り、優磨に電話すると、すぐに電話に出て、要件を話すと、優磨が快諾してくれたとの事で、、土曜日、ここに引っ越して来る事になった。




 あっという間に土曜日になり、優磨が大きな荷物を抱えて、私と聖の部屋にやって来た。


「初めまして!聖から聞いてると思うけど、優磨っていいます!君と聖が夫婦という事は、勿論知ってますけど、僕と聖は、恋人同士です!ボーイズラブってやつです!よろしくお願いします!」


 ―こ、この男、恋人同士とか、ボーイズラブとか、はっきり言うなぁ。こんな男に、私は聖にとっての魅力の面で、負けてるのか・・・。悔しいを通り越して、虚しいなぁ。まぁ、私から言い出した事なんだし、ちゃんと挨拶しなきゃな~―


「初めまして。私、明日香っていいます。漢字は・・・」


「あ~、もう聖から聞いて、知ってますよ。これから一緒に住むんですし、今から敬語を止めましょう。名前は呼び捨てでお願いしますね~」


 ―はぁ?この男、何て馴れ馴れしいの!こんな男と一緒に住むのか~!くっそ~!仕方ない。言う通りにするか~―


「そ、そうだね。それがいいね。優磨、よろしくね」


「うん!明日香、よろしくね~!」


 優磨と私の会話が終わり、聖が言葉を掛けてきた。


「じゃあ、お互いの自己紹介が終わった事だし、これから三人でぱ~っと飲むか~!もうお酒は用意してるよ!お酒を飲んだら、いろいろ本音で語り合えるよ~!」


「お~!いいねぇ!飲もう!本音で語り合うぞ~!」


「よ~し!分かった!私、言いたい事いっぱいあるから、覚悟してね~!」


 お酒と食べ物をテーブルに並べ、聖の乾杯の発声で飲み会が始まり、三人でお酒を飲んで食べ物を食べながら、言いたい事を言い合い、とことん本音で語り合った。


 その日の夜、私が部屋を出て、廊下を歩くと、優磨が使っている部屋のドアが少し開いていて、見る気は無かったが、見てしまった!聖と優磨が、抱き締め合ってキスしている。


 ―うわっ!聖と優磨、またキスしてる!聖、私とはキスしてくれないくせに!うわ~!もう嫌だ~!―


 すぐに部屋に戻り、ベッドに横になると、すぐに目から涙が零れてきた。暫くの間、泣いていると、優磨とのキスを終えた聖が、私達の部屋に入って来た。


「明日香、もう寝ちゃったかな?お酒いっぱい飲んじゃったし、疲れちゃったね」


「まだ起きてるよ。聖、また優磨と抱き締め合ってキスしてたね。そんなに優磨の事が好きなの?私の事、愛してくれないの?」


「あ・・・。また見られちゃったんだね。ごめん。どうしても我慢できなくて」


「ねぇ、私とはキスしてくれないの?私は、聖とキスしたいよ」


「明日香とキスか・・・。い、いいよ。キスしたら、何かが変わるかもしれないね」


「うん。でも、キスする前に、唇を洗って来てよ!優磨とキスした唇に、私の唇を合わせたくないよ!」


「あ、そうだね。分かった。洗って来るよ」


 聖が洗面所に行き、唇を洗って、部屋に戻って来た。私がベッドから起き上がり、聖をぎゅ~っと強く抱き締め、一気に唇を聖の唇に重ね合わせた。暫くの間、キスを続け、唇をそ~っと離し、聖の顔をじ~っと見つめる。


「私とのキス、どうだった?私は、すっごく良かったし、ドキドキしたよ」


「う、うん。良かったといえば、良かったんだけど、何か、変な感じがしたよ。これから、この変な感じが、幸せな感じに変わるのかな」


「今は、その感覚でいいよ。よし!この勢いで、これからベッドで愛し合おう!私、聖と愛し合いたくて愛し合いたくて仕方がないんだよ!ずっと我慢してたんだよ!」


「え!マジで言ってんの?僕、まだ、心の準備が・・・」


「うるさい!お酒に酔ってるし、こんなの、勢いでするもんなんだよ!」


 私が再び聖をぎゅ~っと強く抱き締め、唇を聖の唇に重ね合わせた。そのまま、聖の身体を投げるようにベッドに倒し、私が聖の上に覆い被さった。そのままの勢いで、私が無我夢中で聖の身体を愛しまくり、聖は私に言われるがまま身体を動かした。


 行為が終わり、私と聖がベッドに横になりながら、語り合う。


「聖、私と愛し合って、どうだった?私は、最高に良かったし、幸せだったよ」


「う、うん。思ったよりは、良かった、かな。気持ち悪くはなかったよ」


「そ、そっか。思ったよりもいい反応で、ほっとしたよ。これからは、強引にはしないよ。愛し合いたい時に、愛し合おう」


「わ、分かった。じゃあ、もう寝るよ。おやすみ」


「うん。おやすみ。聖、愛してるよ!」


「あ、ありがとう。明日香の事、好きだよ」


 私が唇を聖の唇に重ね合わせ、唇を離し、暫くの間、目を閉じていると、私も聖も、すぐに眠りについた。




 それから何日も経った。私と聖が初めて愛し合った後は、まだ一度も愛し合っていない。聖と優磨は、私に気付かれないように、優磨の部屋でキスしたり、愛し合っていた。私は全く気付いていない訳ではなかったが、気付かないふりをしていた。辛かったが、耐えて、聖の心が私だけに向くように祈りながら過ごしていた。


 そして、その日は、一つの転機。聖は、商社マンである為、海外出張が多く、その日から二週間、アメリカに行く事になっていた。


「じゃあ、明日香と優磨の二人だけになっちゃうけど、仲良くしてね。行って来ます!」


「優磨と仲良くできるかどうかは分からないけど、喧嘩はしないようにするよ。行ってらっしゃ~い!」


「うん!明日香と仲良くするよ!心配しないで行って来てね~!」


 聖が微妙な笑顔でスーツケースを引きながら部屋を出た。その直後、優磨が私の方を向き、笑顔で言ってきた。


「今日から二週間、二人っきりだね~!仲良くしようね~!」


「はいはい。喧嘩はしないようにするから、大丈夫だよ」


 それぞれ、したいようにして過ごし、どんどん時間が経ち、晩御飯の時間になった。料理とお酒をテーブルに並べ、言いたい事を言い合いながら、どんどん食べて飲み進める。


「ねぇ、明日香、聖と愛し合ってるの?」


「はぁ?なんでそんな事を優磨に言わなきゃいけないのよ!」


「あはは。別に言ってくれてもいいじゃ~ん。僕は、聖と愛し合ってるよ」


「はぁ?そんな事、いちいち言ってくんじゃないよ!喧嘩売ってんの?売られた喧嘩は買うよ!」


「喧嘩なんか売ってないよ~。その様子だと、聖と愛し合ってなさそうだね~。今のところ、僕が勝ってるね~」


「ははは。残念でした~!優磨がこの部屋に来た日の夜、私と聖、愛し合ったんだよ~!」


「へ~。そうなんだ~。意外だな~。でも、あれから結構日が経ってるし、その一回だけなんだね~」


「そ、それがどうしたのよ!一回でも、愛し合った事には変わらないわ!」


「そりゃ~、僕の方が上を行ってるよ~。なんで僕が、こんなにも聖と愛し合えるのか、知りたい?」


「はぁ?何か理由があるって言うの?教えてよ!」


「へっへ~。じゃあ、今から僕と愛し合おう!僕と愛し合ったら、分かるよ!」


「はぁ?ふざけんな!なんであんたと愛し合わなきゃいけないのよ!大体、あんた、男しか愛せないんでしょ?私、女だからね!」


「フフフ。何を隠そう、僕、男でも女でも愛せるんだよ~。実は、ここに来た時から、明日香の事、気になってたんだよね~。聖と愛し合いたいんでしょ?僕と愛し合ったら、聖と愛し合う方法が分かるよ~」


「え?ほんとにそうなのかな。確かに、聖と、もっと愛し合いたいんだけど・・・」


「じゃあ、決まり~!」


 優磨がそう言うと、私に駆け寄って来て、私をぎゅ~っと強く抱き締め、唇を私の唇に重ね合わせてきた。暫くの間、キスを続け、唇を離し、すぐに私の服を脱がしにかかってきた。


 ―このまま、優磨と愛し合ったら、また聖と愛し合えるのかな。どうしよう。このままいっちゃおうかな・・・。ん?待てよ!私は、聖と愛し合いたいんだ!優磨と愛し合ったら、聖を裏切る事になる!ダメだ!引き返さなきゃ!―


 私が優磨の身体を強く押すと、優磨が後ろに跳び、床に倒れ込んだ。


「な、何すんだよ!これから愛し合おうって時に!」


「ダメ!優磨とは愛し合えない!優磨と愛し合ったら、聖を裏切る事になっちゃう!私、聖の事が好きなの!優磨の事を愛せない!」


「そっか。明日香の気持ちは分かったよ。このまま聖と愛し合えなくてもいいんだね?」


「良くない!私が頑張って、また聖と愛し合えるようにするよ!私と聖の愛が、偽物じゃなくて、本物だって、証明してやる!」


「その意気込み、いつまで続くかな~。所詮、聖は男しか愛せないんだよ。聖の明日香に対する愛は、偽物だよ!僕への愛が本物だよ!」


「もういい!少なくとも、私の聖に対する愛は本物だよ!聖が帰って来たら、決着を付けるよ!」


「分かったよ。聖が帰って来る時が楽しみだね~!まぁ、僕が勝つけどね」


「うるさい!私が勝つよ!あんたなんかに負けないわ!さぁ、まだまだ飲むよ!」


「はいはい。まだお酒が残ってるし、とことん飲んで語り合おう!」


 再び、お酒をどんどん飲みまくり、私も優磨もすっかり酔っ払い、日付が変わっても、本音でいろいろな事を語り合った。


 その日から、私と優磨は、恋愛感情は無いが、驚く程、仲良くなった。




 その日から二週間後、聖がアメリカ出張を終え、日本に帰って来た。私と優磨が、空港まで迎えに行き、三人で一緒に部屋に帰った。


「聖、帰って来ていきなりだけど、私の決心を聞いて!」


「と、突然だね。な、何を決めたの?ドキドキするよ~」


 その直後、私が優磨の方を向いた。


「優磨も聞いてね!優磨にも関係がある事なの!」


「うん。随分、急だね。何だか、緊張してきたよ~」


 そして、私が二人の方を向き、笑顔で発表する。


「私は、聖と離婚しない!聖とずっと一緒にいたい!でも、この二週間で、優磨の事も好きになっちゃった。といっても、恋愛感情は無いよ。結論だけど、このままこの部屋に三人で暮らしたい!三人で一緒に暮らす事が、私にとって、一番幸せなんだと思う。聖、優磨、どうかな?」


 私の言葉を聞き、二人共、驚きの表情を浮かべるが、まずは、聖が口を開いた。


「そ、それでいいと思うよ。僕も、明日香の事が好きだ。でも、恋愛感情かどうか、まだ分からない。優磨の事、愛してるけど、いつか、優磨よりも明日香を愛するかもしれないし、このまま三人で暮らして、お互いの愛を、本物か偽物か、確かめ合おう!」


 続いて、優磨が笑顔で口を開いた。


「うん。僕もそれでいいよ。今は、聖は明日香よりも僕を愛してくれてる自信があるけど、明日香の事、好きになっちゃったし、これが恋愛感情になりそうな気もするけど、このまま三人で一緒に暮らして、本物の愛か偽物の愛か、確かめ合うのがいいと思うよ」


 最後に、私が笑顔で言葉を掛けた。


「よ~し!決まり~!このまま三人で一緒に暮らすよ~!でも、一つだけお願いがあるの。私、聖との子どもが欲しいの!勿論、聖の同意が必要だけど、聖が同意してくれたら、聖との子どもをつくるよ~!」


「そ、そうなんだね。分かった。いつか、明日香との子どもをつくれるように、明日香と愛し合えるように、頑張るよ!」


「そっか~。明日香と聖、子どもをつくっちゃうのか~。まぁ、仕方ないね~。明日香と聖の子どもができたら、僕も一緒に育てるよ~」


「ウフフ。ありがと~!じゃあ、お祝いに、ぱ~っと食べて飲もう!」


 お酒と食べ物をテーブルに並べ、楽しい飲み会が始まった。


 その日の夜、私と聖は、濃厚なキスを交わし、ベッドで愛し合った。




 聖の私に対する愛は、一途かどうかでいえば偽物だが、考慮しなければ本物。聖の優磨に対する愛も、同様である。


 夫婦愛とボーイズラブ。本物であり、偽物でもある。私達三人の関係は、ややこしくて、理解されないかもしれない。でも、私は幸せだ。三人で一緒にいるのが、幸せだ。これが、私達三人の、幸せのカタチ!

 明日香は、聖と優磨と三人で一緒に暮らす選択をしました。夫婦愛とボーイズラブ。どちらかを否定する事はできず、どちらの愛も、認められている愛という事ですね。最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

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