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『自分』を武器にして  作者: 帰村 典
条約破棄編
7/9

準備は整った。

「では聞こう、各大臣の報告を」


とても眠い中で1日ぶりの会議が始まる、のだが…残念な事にモコは出席はしているが熟睡している。


「まずは民間大臣と外交大臣、どうだった。」

「では私が説明致します。」


結論から言えば両者が合意すれば和平の条約は正当な物とされる。

しかし脅迫や特定の人物による談合や賄賂による取引がされていれば話が変わり、違法となる。

何故わざわざ確認したのか?

それは女神が話した世界渡しの話を聞いたからだ。

この世界は力が問われる国家世界、ならば上位国家の殆どには俺の様に世界渡しで来た人間が居る筈だ。

俺が特殊なだけで他の人間は力を渡されて第2の人生を歩んでいる。

ならばそんな人間が住む法律国家ならば先進国の倫理や法律が持ち込まれてもおかしくは無い。

ならば相手を崩す手札として条約の不条理な内容は使えると俺は考えたのだ。


次に戦争に関しては宣戦布告は法律国家を通して攻める7日前までに届く様にしなければならない。

ここまでは同じだが地球と大きく異なる点がある、戦争中だ。

法律国家曰く、勝敗は全滅か敗北を宣言する事。

それまでは捕虜制度等は無く国民であろうと人権は発動せず、相手国の人間をどう扱おうと自由である。

最低限のルールは敷くが力が支配すると言う普遍の価値観は変えないと言い訳か…


「報告ありがとう。それで生産大臣の方はどうだ?」

「はい〜では、資料を読み上げます。」


生産業は条約締結後、年々収穫量は減っている。

この国の要が崩れ掛けている現状では国家再建等夢のまた夢だ。

さて、最後に…


「では軍事について説明、頼むぞ。」

「はっ!」


アトルの兵士は200人。

この世界において兵士は国に属した瞬間に国の力を与えられる。

その結果同じ兵士の中で同じ能力や技が使える様になると言い、この国では風を武器に纏わせたり飛ばしたり出来る能力を得る。

さらに追加で個人個人が能力を持っている場合もあるらしく、それらを固有能力と呼び国の能力を国家能力と呼ぶ。

この国では軍事大臣のみが固有能力を有しているが、上位の国には複数人いるのが当たり前だ。

それが起因して軍の体制は大臣と兵士のみ、他には幹部等は居ないと言う。


材料は揃った。

さて、本格的に動き始めますか。



「まずは外交大臣。ウチの国と同様にカトラス王国と条約を結んでいる国家にアポイトメントを取ってくれ。内容は新国王のからの挨拶とカトラス王国との条約についてだ。」

「了解しました。」

「次に民間大臣は法律国家と再度連絡を取り条約の無効化に向けて話を進めてくれ。

報酬等で難航したら俺に相談しろ。」

「はい。」

「生産大臣はカトラス王国に収めている品を段階的に減らして、最終的に停止させろ。

そして全国民にその分の食料を炊き出して栄養失調を防げ!

林業等の資源はアトルに卸すように頼むぞ。」

「はい〜」

「軍事大臣は兵士達に戦争が起こる可能性がある事が伝え、奮起させろ。

出来れば戦争まで行きたくないが最後の頼みになるのは兵士達の存在だ。」

「はっ!」


さてさて、最後に…


「おいモコ!起きろー!」

「はぇ!?もう朝ですか!?」

「昼前だ。それより仕事だ。」

「は、はい!」

「経済担当大臣!これから我々アトルは国家順位100のカトラス王国に経済と生産の面から攻撃を仕掛ける!

その為にはお前の計算技術と経済を見通す力が必要だ!

相手の経済状況の正確な把握せよ!

そして今回の作戦でアトルの全てを投入するから、割り振りや計算は任せたぞ。

良いな!」

「は、はい!」


まずば第1撃、見えない打撃。

カトラス包囲網だ!

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