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『自分』を武器にして  作者: 帰村 典
条約破棄編
4/9

抱える問題の数々

俺はまず国の現状を知る事から始めた。

最初に見た数人の人物はこの国の大臣で、各分野に精通するらしく会議を開いて話を聞いた。


国の力、国家力は様々な点から評価される。

地球におけるGDPに近く、そこに幾つかこの世界ならではの評価が付随している。

そしてこの国は世界の国家順位の中で最下位の128位で、いつ滅びてもおかしくない状況にある。

資源も他国に奪われ人民もせいぜい2000人程度、貧しく取り柄も無い。


次に立地について。

この国は気候的には年中寒く海辺に面していて雪が降る時期が存在する。

日本で行くなら東北、北海道、日本海側が近いだろうか。


最後に戦力。

この国は現在兵士はたったの100名、能力持ちではあるが127位の国が1000人以上の兵士が居ると言う話を聞いた後では心許なく感じる。


会議が終わると俺は大臣達と共に国を歩いた。

俺や大臣が居たのは恐らく城だろが余りにもボロボロで廃墟と言われても信じてしまう。

国民の住む家は藁の小屋みたいにボロボロで狼の息で簡単に吹き飛びそうだ。


「大臣様!」


国の視察中、国民らしき人物が接近してきて大臣の1人の足に縋る。

その姿は大臣より痩せこけて、男性とは思えない程筋肉が付いていない。


「もう我々は限界です!食料も他国に奪われ収入も殆どなく、これ以上はもう…!」

「ええい、うるさい!我々だってもう何も出来ないのだ!」

「そ、そんな…」


あーあ、ダメダメ。

これはダメだ。

弱った国民に鞭打っちゃ〜

確かに大臣たちもぼろ布を着てはいるが縋る国民と比較すれば肌の血色や体型にも余裕を感じる。

ここは1つは動きますか。


「すまない、少し良いか?」

「あ、貴方は?」

「俺はこれから新たにこの国の王になる者だ。」

「王、ですか。」


この言葉を聞いて目の前の男性は下を向く。


「これまでの王がお前達国民を幾度と無く裏切って来た事は聞いた。

苦しかったろう、悔しかったろう。

だが最後に俺に賭けてくれないか?

この生活を、国を、変えてみせる。」


手を握り男性の目を見る。

目には光はなく触ると余計に痩せて、そしてマメが出来ている。

真面目に仕事をやっている証拠だ。

この国は、民はまだは終わっていない。

やれる事がある筈だ。


城に戻り、詳しい数字を交えて課題を整理する。

まず目先の問題、それは経済と人民。

この国は第一次産業である農業、漁業、林業が盛んである。

職人も少しだが居て、加工品販売もしている。

国民は働けているし、ある程度の利益も出ている。

しかしここまで貧しいのは数年前に起こった戦争が影響している。

この国が面しているのは海だけでは無く山にも囲まており、その先に他の国々が領地を構える。


「まさに天然の要塞、何故ここまで資源にも立地にも恵まれて最下位に落ちれる…」

「それは前の王のせいですよ。」


そう言ったのは唯一俺にキレて来た青年大臣だ。


「前の王?」

「えぇ!前の王は自分の保身の為に大国にアトルを売ったんですよ!」

「戦争、大国、売国奴…成程、スパイは王様ってか。

具体的には何をしたんだ?」

「戦争が負けかけた時、相手の国側から和平交渉が持ちかけられました。

勿論疲弊した我が国はそれを受け入れる方向で話は進みましたが、その内容が殆ど奴隷契約、国中から反対意見が飛びました。

しかし最終的な決定権は王に有り、アトルはこうして落ちぶれました。」


青年大臣が俺に1枚の紙を渡す。

しかし何が書いて分からず、音読して貰った。

笑いが出る程お粗末で幼稚で最悪の内容、それが感想。

国が緩やかに死ぬ様にして反抗の意志も奪う見えない毒。

相手も中々やり手ではあるがそれ以上にこの国がアホすぎる。


その他の話も聞いたが一番の問題は和平交渉の際に結ばれた条約だ。

これの解決が国家再建の最短の道だ。


「明日の朝、国民全員を城の前に集めてくれ。

1人残らずにだ!」


さぁ、革命を始めようか。

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